コラム
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2024/11/07コラム
- 【片橋先生コラム】杖(つえ)
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日本医学柔整鍼灸専門学校です。 今回は柔道整復学科専任教員 片橋先生によるコラムの第60弾をお届けします! 杖(つえ) みなさんは杖(つえ)にご縁はありますか? 高齢の方が使う物でしょ?なんて声が聞こえてきそうです 確かにそうですよね からだを支えるものですから、足腰が弱くなったり筋力が弱くなったりしたときに使います 年齢が高くなるとこのようなことが起きますよね からだが不自由になって移動がむずかしくなったときに使うのですね 若くてもこのような不自由さが起きることがあります けがをしたときです けがをしたときによく使うのは、松葉杖(まつばつえ) 大きなものですから、骨折など大きなけがのときに使うんだよね? と思われるかもしれませんね あしをけがして体重をかけられない、かけない方がよい場合は左右に松葉杖を持つことで、あしを浮かせたまま移動することが可能です あしではなく、骨盤の骨を骨折して使う方もいます スポーツをやっていて鍛えられた筋肉や腱が着いている骨を引っ張って小さな骨折が起こることがあるのです 足首の捻挫でもひどい場合やけがした直後は松葉杖を使って痛めた足の負担をできるだけ減らすと治りがよいですよ 松葉杖を2本ではなく1本だけ使うこともあります その場合、どちらの手で松葉杖を持つでしょう? けがしている側か、していない側か? 正解は、こちら! 痛めたあしに負担をかけないように反対側に持った松葉杖に体重をかけて歩くのです 痛めたあしと反対側の手に持った松葉杖を同時に出してその後にけがしたあしを動かすのです 松葉杖の高さやからだにあてる部位も大切です ・上の高さは、わきから4~5㎝下 ・下の高さは、肘が少し曲がるくらい わきには神経が通っていて松葉杖をあてると圧迫してしまう可能性があります ですから、わきより少し下の胴体にあてます 擦れやすいのでタオルなどを巻くとよいですよ (監修/片橋るみ先生:柔道整復師 介護支援専門員)]
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2024/10/25コラム
- 【川﨑先生コラム】サッカー選手に多い鼠径部痛(そけいぶつう)症候群
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こんにちは!! 日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です。 川﨑先生コラムの第59弾をお届けいたします! サッカー選手に多い鼠径部痛(そけいぶつう)症候群 スポーツ選手で多く見られるのは、骨盤・股関節の障害です。 骨盤・股関節は上肢・体幹からの荷重を下肢に伝達するため、高い安定性が求められる関節です。 骨盤は姿勢を安定させる状態を維持するための機能として重要で、体幹の動きや股関節の運動と連動して動いています。 股関節は大腿骨頭と寛骨臼から構成された人体最大の荷重関節で、自由度のある運動方向をもち、大きな運動性のある関節です。 ヒトが二足歩行をする際に最も重要な関節の一つです。 股関節疾患は小児から高齢者まで他種の病態があり、骨・関節形態・関節補助装置(関節唇)・筋・筋膜・靭帯など多くの組織が病態に関係しており、痛みは関節内・外の病変に原因があります。 スポーツ選手によっては、長期にわたり痛みを我慢して練習しているケースが多く、原因が明らかにできず原因不明の股関節痛として扱われ、適切な治療を受けていないことも多々あります。 まずは病態を解剖学や生理学、運動学などから捉えて原因を明らかにしていくことが大切です。 本校のサッカー部の選手も、腰痛や股関節痛、大腿部痛などの痛みを訴えている選手が多くいるため、練習後に身体の機能と構造や診断と評価の方法、また、コンディショニングケアやセルフケアの方法を実践的に学びながら、病態を選手自身が理解することで障害の再発や予防につなげ、より良いパフォーマンスができるように、教員と在校生で構成されている日本医専トレーナーズチーム(NITT)がサポートしています。 鼠径部痛症候群(groin pain syndrome)とは 鼠径部症候群は疾患名ではなく、鼠径部周囲に持続した痛みを訴える疾患の総称です。 明確な定義はなく、複数の病態が混在することもあり主な原因を特定することが難しいものです。 筋骨格系、循環器系、消化器系、神経系など様々な原因で起こるとされており、スポーツ選手では、骨・筋腱・腹壁・神経絞扼が原因で生じることが多いとされています。 鼠径部痛症候群と関連スポーツ 鼠径部痛が多発するスポーツは、サッカー、ラグビーが最も多く、その他にホッケー、野球、バスケットボール、長距離マラソンです。 キックやスイング、カッティング、スプリントなどの動作をする競技や股関節を繰り返し屈伸するスポーツに発生します。 急性鼠径部痛や慢性鼠径部痛の発生は、他の競技と比較してもサッカー選手に多くみられます。 男女差では男性に多く、片側性に発症してから両側性に症状が出現し、股関節に痛みを感じてから医療機関を受診する選手は0~3か月以内が多く、4~6ヶ月以上経ってから受診するケースもあります。 痛みや違和感を覚えながらも、1年や2年以上も競技を続けている選手も少なくありません。 慢性化すると症状の回復に時間がかかることもあり早期に治療を受け、症状改善に必要なケアを受けることが大切です。 鼠径部痛症候群の病態 鼠径部痛症候群は多彩な病態があります。 ①鼠経ヘルニア(スポーツヘルニア) ②内転筋損傷(長内転筋の筋腱移行部損傷) ③恥骨結合炎(腹直筋と長内転筋の収縮) ④恥骨部不安定症(恥骨間円板の変性、亀裂) ⑤腸腰筋損傷(腸腰筋腱炎、腸腰筋滑液包炎) ⑥腸骨鼠経神経、陰部大腿神経、閉鎖神経絞扼 ⑦腹壁障害(外腹斜筋損傷) ⑧疲労骨折(大腿骨頸部、恥骨下枝)、裂離骨折(上前腸骨棘、下前腸骨棘、坐骨結節) 内転筋損傷や恥骨結合炎は鼠径部に生じる筋損傷で最も多く、サッカーのキック動作時のスイングの段階で最も伸長されるため損傷リスクが高いと考えられています。 長内転筋も股関節を伸展および屈曲させる動作開始時にコントロールを補助しているため、強いキック時の股関節最大伸展の増加は内転筋損傷リスクを増大させる要因とされています。 鼠径部痛の主な症状 ①鼠径部の圧痛 ②内転筋から鼠径部に広がる疼痛 ③運動時痛(スプリント、キック、体幹回旋運動時、屈曲抵抗時、伸展時) ④咳払い(腹腔内圧が高まる動作) ⑤大腿内側から膝周辺にかけての疼痛 ⑥股関節前面から大腿前面への放散痛 ⑦神経症状(大腿内側の放散痛) ⑦運動機能低下(ジャンプ力の低下) ⑧ストレッチで誘発される疼痛 安静時は無症状または軽い疼痛を認める場合、運動時に腹腔内圧が高まる動作や身体活動の増加により疼痛が出現することがあります。 また、運動直後に症状が悪化する場合もあります。 終わりに サッカー選手は90分で約10㎞走るくらい体力が必要で、ボールを止めて蹴る能力、相手に競り負けない強靭なフィジカル、攻守の切り替えなど様々な能力が必要になります。 サッカーは攻守の切り替えにより加速力と減速力も必要になりますが、守備では自分のポジションに素早く戻り陣形を整える必要があり、攻撃ではゴールに近づくためにボールを奪ってから一気に加速して前への推進力を上げて走るスプリントが必要となります。 そして、股関節を最大伸展から最大屈曲してポールをキックする負荷がかかるため、股関節病変が発生しやすい競技なのです。 できるだけ負荷をかけないためには、スプリントをどの場面で必要か走るタイミングが重要となります。 鼠径部痛は慢性化すると病態が複雑になり治療しにくくなり、治癒しても再発しやすい疾患です。 治療の多くは保存療法で、安静、活動制限を行い物理療法(電気療法、超音波、レーザー)・徒手療法(マッサージやストレッチ)・運動療法(体幹筋と股関節周囲筋の強化)・フォームの改善、鍼灸治療などを組み合わせて改善を図っていきます。 軽度のものほど競技復帰が早く見込まれ、骨盤コルセットの着用は疼痛を軽減する効果があります。 ステロイド系抗炎症剤と局所鎮痛剤の投与については、痛みの改善は早くみられますが、再発することが多いとされています。 手術療法と保存療法を比較した場合、手術療法の方が良好であるとの研究もあり、保存療法で長引く状況があれば、手術療法も視野に入れた計画性のある治療方針を立てる必要性があります。 症状の病態を把握し、問題点を理解しながら選手の要望も聞き判断していくことが大切です。 柔道整復師・鍼灸師 本校柔道整復学科 専任教員 川﨑有子]
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2024/10/13コラム
- 【片橋先生コラム】三角巾
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日本医学柔整鍼灸専門学校です。 今回は柔道整復学科専任教員 片橋先生によるコラムの第59弾をお届けします! 日本医専 野球部 さて、今日のお話は三角巾 コラムさんかくきんの続きです 前回は三角巾を三角のまま使用しました 別の使い方はご存知ですか? 救急法でやったことがある方もいらっしゃるかもしれません まず、三角巾を細長くたたみます そして、止血のときに手や足に巻きます 止血のときは、出血しているところより上の身体の中心に近いところに巻きます 手首から出血していたら、それより上の肘に近い方を巻くのです 傷口の手当として包帯代わりにも使えます 頭には帽子のようにも巻けますよ 添木を当てて縛るのにも使えます 患者さんで腕を骨折をした方がいました 三角巾で腕を吊って帰宅されたところ、次に来院されたときは綺麗なスカーフで腕を吊っていました 「白い布じゃあ、嫌だから・・・」っておっしゃいました。 そのおしゃれ心と柔軟な考え方に感心しました 大きな布をアイディア次第で自由に使えばよいですよね! 災害のときにも役立ちます (監修/片橋るみ先生:柔道整復師 介護支援専門員)]
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2024/09/27コラム
- 【川﨑先生コラム】ケガからのスポーツ復帰のリハビリテーション
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こんにちは!! 日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です。 川﨑先生コラムの第58弾をお届けいたします! ケガからのスポーツ復帰のリハビリテーション ようやく秋らしくなってきましたね。 夏バテがあるように、日によって日中と夜間の寒暖差や日によって気温差のある9月・10月は、体への負担がかかり自律神経が乱れやすいため「秋バテ」になってしまいます。 とくに今年は猛暑で夏の疲れも残り体調を崩しやすい方も多いと思います。 食欲の秋・スポーツの秋です。過ごしやすい今の季節だからこそ、軽い運動やストレッチなど体を動かして血流を良くし、体を温める食事を取り入れ冷やさないように心がけ、冬に向けて免疫力をUPさせて体調を整えてくださいね。 さて、私が膝の内側側副靭帯を断裂損傷して約2か月になります。 そろそろリハビリを始めて、スポーツ復帰をしていきたいと思いリハビリを開始しています。 柔道整復師なので自分ではどうしていくのが良いのかメニューを考えていますが、一人ではできないこともあったりして治療院の先生にもお手伝いして頂きながら回復に努めています。 同じ柔道整復師の先生ですがやはりきめ細かい対応とご指導を頂いて「心強いなぁ~」と感じました。 今回は、柔道整復師が行うケガからのスポーツ復帰のリハビリテーションについてお伝えしたいと思います。 リハビリテーションとは WHO(世界保健機構)の定義によれば、「能力低下やその状態を改善し、障害者の社会的統合を達成するためのあらゆる手段を含む」とされています。 少し難しいですが、簡単に言うとその人が「自分らしい生活」を送ることで、可能な限りの機能回復を行い患者様の活動が向上し生活がしやすくなること。 そして、日常生活活動や社会活動が向上し、活動を通じて周囲の人とのコミュニケーションが増え幸福度が向上することを目指しています。 ここに関わる医療スタッフは、医師、看護師、理学療法士、言語聴覚療法士、作業療法士、そして柔道整復師も含まれており、それぞれの専門分野における知識と技術、そのスキルを認識しお互いに患者様の治療に最適な環境を作り上げる必要があります。 医療現場における柔道整復師の役割は、スポーツ現場や日々の臨床現場でも多岐にわたり重要性が高く、ひとり一人の患者様に合った治療を他種職の人達と連携しながら貢献しています。 柔道整復師と外傷予防 柔道整復師は外傷に対する役割が大きく、スポーツ現場で発生した骨折・脱臼などの骨関節損傷の応急処置(固定や整復)は医師と柔道整復師のみに許されています。 固定技術や適切な初期治療は、医師以外の他の他種職よりも柔道整復師は知識が深く、トレーナーやセラピストとして急性外傷以外でも、骨端症や靭帯炎、筋炎、腱炎、腱鞘炎、関節炎、絞扼性神経障害などのスポーツ障害(overuse障害)に対する治療も役割として担っています。 そして、回復後の適切な機能訓練やリハビリトレーニング(物理療法や運動療法)などにより早期回復と再発を予防し、ケガや痛みからの復帰をサポートしています。 柔道整復師が行うリハビリテーション 柔道整復師は、主に接骨院(整骨院)、スポーツ現場、整形外科などでお仕事をしている方が多くいます。 その他、フィットネスジムや美容関係、介護施設など様々な分野で知識や技術を活かし活躍しています。 ある高校生がケガをした時に接骨院に通ったという話を聞きました。 その時に治療をしてくれた先生が「何の資格を持っているか?」と聞いたところ、知らないということがありました。 職業の認知はまだまだなのかな~と感じています。 ケガをした時に接骨院(整骨院)へ行くとどのように治療やリハビリテーションをしてくれるのでしょうか。 さて、接骨院(整骨院)では、外傷(ケガ)の場合、他の医療機関と同じく各種健康保険を利用した施術が受けられます。 その他、交通事故や労働災害によるものや市区町村に認められた生活保護も適応できます。 また、急性外傷以外の痛みなどは保険適応外ですが施術を受けることができます。 急性期のケガからコンディショニングケアまで対応できるのは柔道整復師の資格の強みです。 ケガや体の痛みに対して患者様と相談しながら症状に合わせた物理療法(電気療法・温熱療法・寒冷療法)や手技療法(マッサージ・ストレッチ・筋膜リリース・骨格矯正)などを行い患者様にとってベストな治療方法を計画して回復まで施術を行っていきます。 患者様の要望に応えひとり一人に合ったオーダーメイドの施術をしていくのが柔道整復師の魅力でもあります。 1.急性期(受傷直後) 痛みや炎症を抑えるために寒冷療法を行い、組織の修復促進と痛みを軽減させる物理療法を行います。 ケガに対して症状に応じた固定やテーピングなども取り入れ疼痛緩和と患部の安静を図る治療をします。 2.急性期が過ぎた頃(炎症が収まった頃) 炎症が収まってきた頃は損傷組織の修復を促進させる物理療法を行い、固定範囲や方法を変更し患部を安静にさせながら可能な範囲で運動療法やトレーニング、手技療法を取り入れ機能回復を図ります。 固定や安静により患部外の機能も低下するため、二次的に発生した痛みや筋の過緊張がある場合は、リラクゼーションを目的とした運動や全身バランスを整えるケアもしていきます。 これを行うことで回復期のリハビリテーションを無理なく行っていくことができます。 注意したいのは、筋組織の修復期は7日~10日、靭帯や腱組織は6週頃に組織の細胞成分(コラーゲン)の配列が整います。 損傷の程度により回復に要する期間に差がありますが、筋の完全修復は約3~4週間、靭帯や腱組織の完全修復は約3~6ヶ月です。 安静時期に無理に運動を行ってしまうと、修復された組織はまだ強度の弱い線維のため再損傷や治癒時期が延びたりしてしまいます。 スポーツ選手で早期の復帰を目指す人ほど、しっかりとリハビリを行う時期を決めて安静期間が大切だということを理解してほしいと思います。 3.疼痛が緩和した頃 炎症も痛みも治まってきた頃から、組織の完全修復を促進させる物理療法と低下した筋力を回復させる運動療法を行っていきます。 運動療法は、自分の筋力のみで行う自動運動(抵抗も負荷もない運動)で、関節を動かさない等尺性収縮(アイソメトリック収縮)を中心に行っていきます。 その他、継続的に手技療法と全身バランス運動を行います。 4.回復期(組織修復が完了する時期) 自動運動がスムーズにできるようになり運動による痛みがない時期になります。 この時期から少しずつ徒手抵抗や重錘、ゴムチューブを用いていこうをかける自動抵抗運動で、筋に負荷をかけて収縮と張力をかけながら等張性収縮(アイソトニック収縮)運動を行います。 そして、単関節運動(開放性運動連鎖)を中心に行うことで日常生活やスポーツ動作の一部の運動に似た動きを再教育していきます。 引き続き物理療法や手技療法を継続し、柔軟性を高めるストレッチをしていきます。 5.リハビリ期 スポーツ復帰に向けて必要な運動療法や筋力増強運動、関節可動域訓練、ストレッチを積極的に行っていく時期になります。 多関節運動(閉鎖性運動連鎖)を中心に行うことで複雑な動きを再教育していきます。 柔軟性や筋力の不均衡などもこの時期にしっかりと改善し、スポーツ選手では競技レベルの運動が正確にできるように全身の機能を回復させ、ケガをする前と同じ動きができることを目標として取り組んでいきます。 おわりに ケガからのスポーツ復帰は、スポーツ選手もスポーツを楽しむ方も基本的なリハビリテーションの考え方は変わりません。 そして、スポーツや日常生活への復帰後は、再発防止のためのコンディショニングケアを継続していくことも必要です。 ケガの回復の目安は、荷重時に痛みがない、筋力は健側とほぼ変わらない、上半身と下半身のバランスが安定し左右差がない、関節の可動域に左右差がなくバランスよく動かすことができているか、身体の柔軟性があり均等に動かすことができているかなどを確認し、問題がなければ本格的な競技復帰をしてもいいと判断できると思います。 痛みだけの評価は、回復の目安とならないので機能を確認していくことが大事です。 焦りは禁物です。復帰のタイミングは慎重に判断しましょうね。 患者様の目的に合わせた復帰計画を立て、メンタルケアを含めたトータルケアサポートするのが柔道整復師の大切な役割です。 これからも皆様のケアに心を尽くしていきたいと思います。 柔道整復師・鍼灸師 本校柔道整復学科 専任教員 川﨑有子]
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2024/09/19コラム
- 【片橋先生コラム】日本医専 野球部
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日本医学柔整鍼灸専門学校です。 今回は柔道整復学科専任教員 片橋先生によるコラムの第58弾をお届けします! 日本医専 野球部 先日、日本医専 野球部の練習におじゃましました 練習場は学校の近くに2ヵ所あります 今回の練習場はこちら👇 快晴に緑のグラウンドが爽やかで気持ちがいいですよね この日は試験の合間ということで、参加の学生数は少ないということでした メンバーは柔道整復学科の1年生、2年生、3年生、鍼灸学科の3年生でした 昼間部も夜間部もいて、静かながらコミュニケーションがあって。 暑いながらときどき吹く風の中、メニューをこなしながら非常によい雰囲気でした 女性もいましたよ 野球は初めてという方もいました 学校のある高田馬場は新宿区ですから大都会。 高いビルがあってお店屋さんが所狭しと並んでいます 学生の多い街でもあり、外国からの留学生も大勢います 都会のにぎやかさとともに、スポーツができる環境がある これは学生さんにとって心身ともにリフレッシュして学習や仕事のメリハリもついて、きっとよい生活のリズムを作っているのだと思いました ところで、野球の調子は絶好調だそうです ピッチャーのボールがきれーに真っすぐに飛んでホームランが何本も放たれる 素人の私がみても「うまいよねー」でした 日本医専には野球部以外にもサッカー部やダンス部、柔道部などの部活があります ぜひ、チェックしてみてくださいね (監修/片橋るみ先生:柔道整復師 介護支援専門員)]
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2024/09/17コラム
- 【山中先生コラム】~退職します~
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こんにちは! 日本医学柔整鍼灸専門学校です。 柔道整復学科専任教員、山中先生によるコラム 第33弾をお届けします! 退職します 私が担当する最後のコラムになります。 21年前に日本医学柔整鍼灸専門学校に入学してからを考えると、人生の半分近くを同校にお世話になりました。 18歳で柔道整復学科に入学した時のことを、昨日のことのように思い出せます。 寂しいですが、日々前進あるのみです。 そんな寂しさを吹き飛ばすツボをご紹介! ※寂しいのは私だけか…………な? ①百会(ひゃくえ)穴 頭のてっぺんにあります!心地よい強さがオススメ! ②内関(ないかん)穴 手首から指3本、腱と腱の間にあります!ゆったりとした気持ちで押しましょう。 ③湧泉(ゆうせん)穴 足の裏にあり、指をぎゅっと曲げた際に最も窪んだ場所にあります。 ①~③、頭のてっぺんから足の裏まで刺激をしてみましょう。 気持ちも新たに過ごすお手伝いが出来ると思います。 心地よい強さで押してみてくださいね! 私のコラムを読んでいただいておりました皆様ありがとうございました。 皆様が健康で、素晴らしい日常が遅れることを願っております。 また、どこかでお会いしましょう。 ありがとうございました。 日本医学柔整鍼灸専門学校 柔道整復学科 専任教員 山中 直樹 健康長寿・認知症 Gold-QPD 実践セミナー地域フロンティア代表 。 健康長寿・認知症 Gold-QPD 実践セミナー講師。 鍼灸師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師。 山中先生、学生時代から教員時代まで、長い間この日本医専を支えてくださりありがとうございました! お別れはとても寂しいですが、新しいスタートをきる山中先生を日本医専はこれからも応援しています! ▽山中先生は本校TikTokにも登場✨ 是非ご覧ください!▽]
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2024/09/06コラム
- 【川﨑先生コラム】天人合一
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こんにちは!! 日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です。 川﨑先生コラムの第57弾をお届けいたします! 天人合一 今年は猛暑が長く続きましたね。 まだまだ暑い日が続きますが、朝・夕は涼しくなり秋らしい空気を感じます。 毎日、エアコンをつけっぱなしで外気温との差により自律神経が乱れまくり! 睡眠状態も悪く疲れが残って何となく体がだるい、頭痛がする、気力が湧かないなどを感じている方が多いのではないでしょうか。 「疲労感」は私たちの体の恒常性(ホメオスタシス:一定に正常な体の働きを維持しようとする機能)の異常を知らせてくれる症状の一つです。 恒常性は免疫・内分泌・自律神経の3つのシステムがあり、身体の内・外からのストレスから守っています。 疲労感を長く感じていると体だけでなく心も疲労してしまいます。 夏の疲れを残さず、心も体も健やかに過ごすために、適度な運動・睡眠・食事を見なおして秋の季節に備えていきましょう。 東洋哲学の「天人合一」の考え方 「天人合一」とは、人は自然の中の一部であり、大自然の摂理に従って変化しながら生きているという教えです。 大自然の変化を変えることはできないので、人間の活動もそれぞれの風土や四季の変化に合わせて陰と陽、休息と活動を繰り返すことが自然と調和した生き方です。 つまり、春夏秋冬の変化に合わせて生活をし、人体に起こる影響を予防したり、避けたりする生活の工夫が健康の秘訣だということです。 五臓は「One Team」 中医学の考え方で、自然界を構成する基本物質(五行説)に木・火・土・金・水があります。 その基本物質を人間のからだに応用すると、肝・心・脾・肺・腎という5つの臓器(五臓)に当てはめることができます。 この五臓は西洋医学でいう臓器と同じではなく、東洋医学では様々な役割を担い、お互いに助け合い(相生)牽制し合い(相克)ながら体のバランスを保つように働いています。 このバランスを保つ状態が健康ということです。 五臓の相生相克関係が崩れ、どれかの臓器の働きが悪くなると他の臓器にも影響を及ぼし体に不調をもたらすので、五臓は「One Team」なのです。 その他に、季節も五臓の働きと関連があります。 春は肝、梅雨は脾、夏は心、秋は肺、冬は腎に関連した体調の変化が起きます。 季節や五臓に関連する食事を摂ると体の不調の改善に繋がります。 夏から秋の季節 夏の五行は「心」に関連があり、夏の暑さと湿気は食欲を低下させて夏バテに繋がり免疫力を低下させます。 夏は、暑さによる「暑邪」と雨による湿気の「湿邪」に悩まされる季節で、高温多湿の時期に多い不調は胃腸です。 特に湿邪は、五臓の「脾」に関連し、「脾」は母なる大地ともいわれる臓器です。 脾が弱り胃腸の働きが弱くなると、飲食物から「気」「血」「水」の栄養を作り出せなくなり、体に運ぶことができなくなります。 それにより、むくみ・頭痛・めまい・食欲不振などが起こりやすくなります。 夏の暑さは、五臓の「心」の機能に影響し、気を消耗して疲れが溜まり、自律神経が乱れて不眠や精神的な不調が出やすくなります。 夏は暑さ(暑邪)と湿気(湿邪)に悩まされますが、秋風が吹く頃になると気温は徐々に下がり、空気が乾燥しはじめます。 秋の五行は「肺」に関連があり、「肺」は湿気を好み乾燥を嫌う性質があります。 寒さや乾燥などの影響を受けやすい臓器で、乾燥の邪「燥邪」が体に影響すると、肺の働きを低下させ免疫力を低下させてしまいます。 「肺」の五臓での役割は、呼吸や気の生成、運搬などで、皮毛を通じて外からの邪気から体を守ることです。 夏の湿気の多い季節は元気に働いていた肺は、秋の乾燥した季節になると弱くなり咳が出るようになります。 そこに寒さと乾燥が大好きなウイルスが活発に活動するためカゼを引きやすくなってしまいます。 「肺」は「脾」と一緒に「気」を作ります。 秋は「気」を蓄える時期ですが、夏に消耗した「気」を回復することができないと、秋になっても気力が湧かず、集中力が低下する、手足が冷える、寒がる、便秘、鼻炎、カゼをひきやすいということが起きてしまいます。 秋に取り入れたい食材 肺の機能を高めて体の中から改善することが大切です。 「医食同源」「食は命なり」という言葉があるように、食生活の工夫により、病気にならない体づくりを意識することが治療の一つになります。 「肺」は五行では白が関連しています。 「肺」を潤す白い食材や旬の食材を中心に、食事に取り入れると良いですね。 〇体を潤す 梨:体の潤いを増やす、体の熱を取る、咳を止める、痰を取り除く、二日酔いに効能があります。 熱がある時や肌荒れやかゆみなどの肌トラブルのある方にお勧めです。 杏:咳を止める、腸を潤すなどの効能があり、咳嗽、喘息、便秘の改善に活用されています。漢方で杏の種は杏仁という生薬として使用されています。 杏仁豆腐やアプリコット(杏)のジャムなど甘味のものでよく使用されています。 白きくらげ:体の潤いを補う、肺を潤す、胃を健やかにするなどの効能があり、秋の乾燥に弱い肺を守り、喉の渇きを止めたり、乾いた咳を止めたりする効果があります。 肌をしっとりさせる効果があるので肌荒れ改善にお勧めです。 ゆり根:肺を潤して咳を止める、心の熱を取り、精神を安定させる効能があります。 から咳や痰が絡む咳、精神不安や不眠などの改善に使用されています。 〇気血不足による疲労改善 ぶどう:気血を補う、尿の排泄を促進、喉の渇きを止める、安胎などの効能があり、疲労回復や貧血、喉の渇き、むくみなどの改善に活用されています。干しぶどうには鉄分も多く含まれ補血や血虚の方にお勧めです。 〇体の熱を取る 柿:体の熱を取る、肺を潤す、喉の渇きを止める、二日酔いなどの効能があり、乾燥から咳や喉の渇き、二日酔いなどに活用されています。 柿は秋の体調管理にとても良いフルーツです。 干し柿は冷やす性質が緩和されるので冷えが気になる人にはお勧めです。 カニと一緒に食べると食べ合わせが悪く腹痛や下痢を引き起こすので気をつけて下さい。 柿は実や葉だけでなくヘタまで漢方薬に使用されており、しゃっくり止めの漢方薬として使われています。 〇風邪の症状改善 紫蘇:紫蘇の葉は、風邪の初期に使用され吐気を抑える働きがあります。 紫蘇の実は、痰が溜まって胸が苦しかったり咳を抑えたり、腸を潤して便秘を改善する効能があります。 葉も実も気の巡りを良くする効果もあります。 紫蘇はおにぎりやお漬物でよく食べられていますね。 桑の葉:風邪の邪気を払う、肺の熱を取り潤す、目の不調を改善するなどの効能があり、風熱感冒から咳、頭痛、目の充血などの改善に使用されています。 最近では、食後の血糖値上昇の抑制に効果があるとされ糖尿病やダイエットしたい方に健康茶として飲用されています。 枇杷の葉:肺の熱を取って咳を止める、胃に熱を持った時の吐気や嘔吐を止めるなどの効能があります。 慢性漢方薬では副鼻腔炎や鼻づまり、花粉症に使用されており、健康茶として飲用している方も多い食材です。 終わりに 中医学の『黄帝内経』には、「季節の法則に背くことなく養生すれば100歳まで生きることが可能である」と書かれています。 季節の旬のものを食べることで、その季節に合った効能が得られるという考え方であるため、普段の食事やその日の体調に合わせた季節ごとの旬の食材を使うだけでも、体の中から改善し「未病」(まだ病気ではない状態であるがバランスが崩れている状態)を防ぐことに繋がります。 夏バテが続いている方は、発酵食品で腸活をしていくのもお勧めです。 柔道整復師・鍼灸師 本校柔道整復学科 専任教員 川﨑有子]
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2024/09/02コラム
- 【片橋先生コラム】さんかくきん
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日本医学柔整鍼灸専門学校です。 今回は柔道整復学科専任教員 片橋先生によるコラムの第57弾をお届けします! さんかくきん 今日のお話は「さんかくきん」です 三角筋ではなく、三角巾 三角巾というと…頭に被って、エプロンをして、お鍋を持って、レッツクッキング♪ って、ことではありません 医療で使用する白い布の方です 広げると大きな二等辺三角形をしています どのような使い方をご存知ですか? 「首にかけて腕を吊る」が頭に浮かんだ方が多いですよね 接骨院や整形外科ではこの使い方がほとんどだと思います では、腕を吊る際に三角巾のどこを体のどこにもっていくかはおわかりですか ポイントは三角巾の三隅のうち、直角になっているところです 二等辺三角形の頂点であるココを、肘に当てるのです あとは、腕を包んで両端を首で結んで完成 肘の角度は90度が基本です 腕が下がってしまうと重いんです 余った端同士を結びます この結ぶ位置は首の後ろと思われがちですが、首の横がいいですよ 首の後ろは筋肉が薄く、背骨の出っ張りがあったりで、長く三角巾をしていると痛くなってしまうんです ですから、少し肉厚の部分に結びます 結び目がシャツの上になるようにすると、より痛くなりにくいです 肘の余分な布は結んだり、中に入れ込んだりします 疾患やケガの状態によって、腕の位置を変えて吊ることもあるんですよ また、三角巾を細長くたたんで使うこともあります こちらは、次回にご紹介しますね (監修/片橋るみ先生:柔道整復師 介護支援専門員)]
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2024/08/26コラム
- 【山中先生コラム】~運動機能低下~
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こんにちは! 日本医学柔整鍼灸専門学校です。 柔道整復学科専任教員、山中先生によるコラム 第32弾をお届けします! 運動機能低下 少し暑さが落ち着いてきましたね。 今年の夏は、暑さが厳しかったですが身体を動かしていましたでしょうか? 室内で過ごす時間が多く、汗をかく為運動量が減っていませんでしたか? 筋力がへり、つまずいたり転倒の原因にもなります。 骨折やその他の怪我の要因にもなりますので対策をしていきましょう。 ①足三里(あしさんり) 働きとして、物を動かす動力源です。 このツボが治療のkeyになることが多いです。 ②太溪(たいけい) 内くるぶしとアキレス腱の間にあります。 腎経に属しエネルギーをたくわえている場所になります。 ①➕②をする事で、足りないパワーやエネルギーをたくわえましょう。 ※皆様自身、かつ周囲のご家族や友人にもオススメしてみてください! 皆で元気に怪我の予防をしていきましょう! 日本医学柔整鍼灸専門学校 柔道整復学科 専任教員 山中 直樹 健康長寿・認知症 Gold-QPD 実践セミナー地域フロンティア代表 。 健康長寿・認知症 Gold-QPD 実践セミナー講師。 鍼灸師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師。 ▽山中先生は本校TikTokでも活躍中✨ 是非ご覧ください!▽]
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2024/08/09コラム
- 【川﨑先生コラム】スポーツ外傷で多い、膝の靭帯損傷
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こんにちは!! 日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です。 川﨑先生コラムの第56弾をお届けいたします! スポーツ外傷で多い、膝の靭帯損傷 皆様、暑い日が続いていますが恙なくお過ごしでしょうか。 先日、膝の内側側副靭帯断裂をしてしまった私・・・・(´;ω;`)ウッ… 怪我をした日は、朝から気温が38℃の猛暑日、疲労が蓄積してコンディショニング不調の悲劇でした。 幸い、夜間部の3年生が膝のXサポートテーピングとIcingまでバッチリ対応してくれて無事に歩いて帰宅できました。感謝!(*^-^*)感謝!! 柔道整復師としての技術や対応力はベテラン先生に負けないくらいの技量があり、とても素晴らしかったです。 卒業後は、もっと魅力を発揮して活躍してほしいと願っています。 膝の靭帯損傷とは 膝の靱帯損傷は、下肢のスポーツ外傷の中でも多く発生しているケガです。 特にジャンプやブレーキをかける、急な方向転換、接触などで損傷を起こすことが多く、発生頻度が高い靭帯は内側側副靭帯と前十字靭帯です。 靭帯はヒモ状の結合組織の束で、①関節包の強化、②骨と骨の連結を補強、③運動や可動域に制限を加えるなど関節の支持機構としての役割をしています。 膝の靭帯には、関節包外靭帯である「内側側副靭帯・外側側副靭帯」と関節包内靭帯である「前十字靭帯・後十字靭帯」の4種類で構成されています。 関節包外の「内・外側副靭帯」は、血行が良く修復組織が速やかに形成されますが、関節包内の「前・後十字靭帯」は、関節周囲組織との連続性が疎であるため完全に断裂すると断裂端の連続性が失われ、修復組織も不十分でかつ血行不良により靭帯線維の再生を促すことができないため靭帯が癒合されない特徴があります。 前十字靭帯断裂の選手が手術をする話はよく聞きますよね。 理由は血行が悪く自然治癒しないからなんです。 膝の十字靭帯を断裂すると自分の組織(腱)を用いて再建する(自家腱移植)手術を行う必要があります。 関節鏡視下膝十字靱帯再建術という内視鏡手術によって、入院は約1週間程度で術後のリハビリ期間は6~9ヶ月で、ほとんどのアスリートは、術後はケガをする前と同様にスポーツ復帰し活躍しています。 アスリートにとって、膝の靭帯損傷は競技人生を左右する重大な問題で、長いリハビリ期間を経て競技復帰が可能となるため、エクササイズ・トレーニングで姿勢やバランス感覚を強化し、ケガのリスクを取り除く「一次予防」や「再損傷の予防」に取り組むことが重要となります。 靭帯損傷の程度による分類 損傷の程度により、Ⅰ度~Ⅲ度損傷に分類されます。 Ⅰ度損傷 靭帯線維の微小な損傷 関節の不安定性は認められない Ⅱ度損傷 靭帯の部分断裂 関節の不安定性が軽度から中等度みられる Ⅲ度損傷 靭帯の完全断裂 関節の不安定性が著明にみられる 膝の靭帯損傷の発生と特徴 1.内側側副靭帯損傷 内側側副靱帯は膝の内側に位置する靭帯で、内側への移動を防いでいます。 膝関節の外反強制力が加わり損傷します。 大きな外力を受けると前十字靭帯や内側半月板の損傷を合併することがあります。 「不幸の3徴候」と呼ばれるケガなどは代表的な複合損傷として知られています。 特徴的な症状は、内側側副靭帯に沿った圧痛や膝の腫脹、疼痛、皮下出血がみられます。 部分断裂では膝関節30°屈曲位で外反不安定性がみられます。 完全断裂では膝関節伸展位でも外反不安定性がみられ、前十字靭帯損傷や半月板を合併していることがあります。 柔道整復師が行う徒手検査は、外反ストレステスト、グラビティテスト、牽引アプレイテスト(Distractionテスト)、Lateral instabilityテスト(側方動揺性テスト)が陽性となります。 2.外側側副靭帯損傷 外側側副靭帯は膝の外側に位置する靭帯で、外側への移動を防いでいます。 外側側副靱帯は膝の内側から力がかかった際に損傷する靭帯で、比較的稀ですが、スポーツ中の接触や交通事故などで起こることがあります。 特徴的な症状は、外側側副靭帯に沿った圧痛や膝の腫脹、疼痛、皮下出血、内反不安定性がみられます。 柔道整復師が行う徒手検査は、内反ストレステスト、グラビティテスト、牽引アプレイテスト(Distractionテスト)、Lateral instabilityテスト(側方動揺性テスト)が陽性となります。 3.前十字靭帯損傷 前十字靭帯は、後十字靭帯と十字のかたちに交差して膝関節を支えています。 膝関節が捻られた時のストッパーとして働き、脛骨が前方へ移動するのを防いでいます。 特徴的な症状は、関節内血腫による膝蓋跳動や膝くずれ(giving way)、受傷時に断裂音(pop音)がみられます。 また、膝関節の最終伸展での脛骨の外旋運動の消失が認められ不安定感がみられます。 柔道整復師が行う徒手検査では、ラックマンテスト、前方引き出しテスト(ドロワーサイン)、N‐テスト、Lateral Pivot Shift テストなどの検査が陽性となります。 4.後十字靭帯損傷 後十字靭帯は、前十字靭帯と十字のかたちに交差して膝関節を支えています。 膝関節が捻られた時のストッパーとして働き、脛骨が後方へ移動するのを防いでいます。 後十字靱帯は、スポーツでの衝突、膝を地面に強く着いた時など、膝が曲がっている時に前方から強い衝撃がかかった際に損傷しやすく、車の助手席で交通事故に遭った際にダッシュボードに膝を打ちつけて後十字靱帯の損傷を起こす「ダッシュボード損傷」なども有名です。 特徴的な症状は、関節血腫や膝窩部の疼痛がみられます。 急性期が過ぎても違和感や腫れなどの一般的な症状が続くのが特徴です。 柔道整復師が行う徒手検査では、後方引き出しテストやサギング徴候が陽性となります。 急性期には膝の痛みと可動域制限が生じ関節内血腫で腫れが出てきます。 約3週間ほどで症候は軽快していきますが、膝の不安定性が明瞭になってくることがあります。 この不安定性を放置してしまうと、半月板や軟骨の損傷が加わり慢性的な痛みや膝の関節水腫が生じてしまいます。 そして、将来的には変形性膝関節症になってしまうので、大腿四頭筋やハムストリングスを中心とした筋力訓練を行い、関節の支持性を高めることが必要です。 柔道整復師・鍼灸師 本校柔道整復学科 専任教員 川﨑有子]