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日本医学柔整鍼灸専門学校
(2025年4月 校名変更予定)

柔道整復学科 BLOG

【川﨑先生コラム】夏の筋損傷・熱中症に注意!

2023/08/01

こんにちは!
日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です。
川﨑先生コラムの第40弾をお届けいたします!

夏の筋損傷・熱中症に注意!

猛暑日が続きますね。熱中症どころか命に係わる暑さです。

こんな暑いときに運動をすると、体内水分が不足して筋痙攣や肉離れを引き起こしたり、ひどい場合は横紋筋融解症という筋肉の細胞が壊死を起こす病気になってしまうことがあります。

室内でも脱水が起きやすいため、こまめに水分補給をする心がけをしてください。

また、炎天下での飲酒は脱水を引き起こしやすいため海水浴やキャンプ、スポーツ観戦など屋外活動での飲酒は気を付ける必要があります。

●夏の筋損傷の原因

暑いと体温バランスを保つために汗をかきます。

汗をかくと水分が失われるだけでなく塩分も失われます。

塩は人間の体内で、塩化物イオンとナトリウムイオンに分かれて存在しています。

酸素や栄養を細胞に運んだり、脳や体の神経細胞の伝達をしたり、栄養の吸収や消化を助けるなど、生きていくために欠かせない働きを担っています。

そして、人の体液は水ではなく電解質(イオン)を多く含みます。

電解質(イオン)には、ナトリウムやクロール、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどがあり、ミネラルに属します。

水分補給をして水分を吸収・保持し、細胞中にしっかりと送るためには電解質が必要です。

電解質を含まない水やお茶を飲んでも喉は潤いますが水分は蓄えられません。

カリウムは筋細胞と神経へ酸素を送り、筋の興奮の調節に関与しています。

ナトリウムは筋の収縮や弛緩の調節に関与しています。

だから、普段より多く汗をかくとナトリウムやカリウムが不足して、ふらつきや筋痙攣などを引き起こし運動中の筋収縮バランスが崩れ筋損傷を引き起こします。

また、心筋の刺激にも関わるため不整脈を引き起こすことがあります。

その他、筋疲労の蓄積や筋肉痛の原因にもなるため電解質はとても大切な要素です。

●筋損傷の種類

①肉離れ

肉離れは、外傷性筋損傷の一つで、運動中に筋の収縮力(遠心性収縮・求心性収縮)や筋の強度を上回った場合に損傷することがあります。

特に、遠心性収縮時(筋が収縮している状態から過度に引き伸ばされる状態)に起こりやすく、筋の柔軟性低下や筋疲労の蓄積などが基礎要素として関与します。

肉離れを起こしやすい部位は、大腿後面の筋肉(ハムストリングス)やふくらはぎ(腓腹筋)です。

②筋痙攣

筋痙攣とは筋肉がつることです。

一時的で時間的にも短時間の持続ですが、筋が強く収縮するため運動が突然障害され疼痛が生じます。

運動中だけでなく安静時や睡眠時にも発生することがあり、ふくらはぎや足の指がつるなどがよく見られる症状です。

筋疲労や、電解質の不足、冷えなどの循環障害などが基礎要因として起こることがあります。

③急性疼痛性頸部拘縮(寝違え)

寝違えは不自然な姿勢で就寝するなど片側の筋のみ高度に伸長した状態が長時間続いたりして筋損傷を引き起こします。

多くは、起床時に痛くなり、数時間から数日で痛みが改善されます。

枕が合わないなど寝ている姿勢が原因と考えられやすいですが、もとは筋疲労による循環障害が基礎要因としてあります。

④遅発性筋痛と即発性筋痛(いわゆる筋肉痛)

筋肉痛は、肉離れのごく軽いものと考えられており、筋線維や筋膜に炎症が起きたものです。

筋肉痛の多くは、筋肉の耐久力を超えた運動をすることによって生じます。

負荷の大きな運動や長時間の運動など自分の筋肉が耐えられるレベルを超えると筋肉痛になります。

以前は、筋疲労により循環が悪くなることで乳酸という疲労物質が蓄積して発生すると言われていましたが、現在では乳酸は疲労物質ではないと研究で確認されています。

筋肉痛は傷んだ筋線維を修復する過程で炎症反応が生じ、痛みを生む刺激物質(ブラジキニンなど)が生成されることで痛みを生じます。

即発性筋痛は、運動直後や運動中に起こる筋肉の痛みで電解質が失われ筋の緊張状態が続くことで起こります。

遅発性筋痛は、運動して数時間から数日後に起こる筋肉痛で、一般的に筋肉痛といわれるものです。

筋肉を伸ばしながら力を出すような繰り返しの運動では遅発性筋痛が生じやすいと言われています。

歳をとると忘れた頃に痛みを感じるという説がありますが、医学的な根拠はありませんが、筋力が弱い人や歳をとっている人は筋肉内の毛細血管が発達しておらず筋線維の修復や痛みを取り除く過程に時間がかかるため忘れた頃に・・・・ということになります。

⑤横紋筋融解症

横紋筋融解症は熱中症で起こることがあり死につながる最も注意が必要なものです。

熱中症で体温調節が行えなくなり、深部体温(体内の深部)が40度を超えると筋肉の壊死・変性が起き、筋肉の細胞中に含まれている電解質やタンパク質(ミオグロビン)などの成分が血液中に流出することで四肢の脱力やしびれ、筋肉の痛み、硬直、腫脹、血尿などの症状が起こります。

重症では腎不全や呼吸困難、心不全につながる怖い病気です。

スポーツにおけるハードなトレーニングやマラソンなどで長時間筋肉を酷使した場合にも発症することがあります。

●終わりに

この時期の猛暑は、熱中症だけでなく身体への様々な影響を及ぼします。

人間の基盤である水分はとても重要で、不足すると細胞レベルでの障害が生じます。

電解質をしっかり補給して、体内水分を保持するように心がけてください。

ポカリスエットやOS1など常備しておくといざという時に対処できます。

しかし、ポカリスエットは糖分を含みますので飲みすぎに気を付けて下さいね。

麦茶もミネラルを含みますので水よりは麦茶を選ぶことをお勧めします。

タブレット塩分などもあるのでカバンに入れておくと安心です。

皆様が、暑さに負けず日々を活き活きと輝けますように☆彡

7月16日に本校の学園祭がありました。
コロナが流行してから中止していましたが、学生が計画し準備している姿を見てその一生懸命さに学園祭の意味を考えさせられました。
本校の学生だけでなく卒業生も参加し、近所の方も来てくれてとても楽しめた学園祭でした。
私は、在校生の美脚講座と薬膳カレーを担当しました。
薬膳カレーは前日から学生と一緒に仕込みをしてちょっと大変でしたが、やけどやケガをしないように頑張る学生を見守っていました。

おかげで、とても心のこもった薬膳カレーを出すことができ、皆様から美味しかったとお声を頂きました。
全国では花火大会が再開されるなど日常が普通に戻り、本校も学校行事を実現できとても充実した夏になりました。

柔道整復師・鍼灸師
本校柔道整復学科 専任教員 川﨑有子

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