フロリダ研修レポート★第一弾
2014/08/23
皆さんこんにちは~! 日本医専柔整科のおおすみ先生です。
皆さんは夏休みどのようにお過ごしでしょうか?
日本医専の柔整科の教員は、夏休みを利用して3泊5日でフロリダに行ってきました!
遊びに行っていたのではなく、再来年から本格的に実地されるフロリダ研修の現地視察団
として行ってたんですよw
実はおおすみ先生、海外旅行は何と人生初めての経験!!
お恥ずかしい話、パスポートも持っていなかったので今回初めてゲットしちゃいました(笑)
視察団として同行したのは、岸本副校長・木下学科長・藤原同窓会長と共に計4名。
おおすみ先生以外は海外旅行経験者。もちろん英語はペラペラ。
そんな中、「迷子だけにはならないぞ」と意気込みを入れて行ってきましたので、是非
「今後自分もフロリダ研修に行ってみたいな・興味あるな」という人に見ていただければ幸いです。
なるべく盛りだくさんの内容にしていきたいと思っているので、
何回かに分けてレポートを更新していきますので、お楽しみに!
まずは1日目のレポート~前編です♪
フロリダに行くまでは乗り継ぎ便のため、まずは成田空港~ダラスフォワースまでフライトします。
国際線は初めてなので、ドキドキしながら手続きを済ませ、飛行機に乗るのを待っていました。
周りを見渡すとこの時点で、日本人が少ない!!
「いざ、海外へ」と実感が湧いてきました(笑)
出発時刻は11:30、まだ時間があるな!
機内に入り無事に離陸。椅子に備え付けてあるモニターを見ると、成田空港~ダラスまで10332km、
フライト時間は約12時間予定!!なが~い(笑)
機内では、映画(スパイダーマン2・ファインディングニモ)を見たり、読書したり、寝たりして
時間を過ごしていました。
そこで機内食が出てきた時のこと。
「パスタorポークライス?」と聞かれました。
英語だー!と焦りましたが、なんとか片言で「パスタ」と発音。
一応通じた(汗)ホッと一息。
初の機内食は意外においしかったです。
ビックリしたのは数時間後、なぜかハンバーガーが出てきました。
しかもアメリカンサイズ。
話によるとどうやら最初の機内食は「夕食」、次は「夜食」だったらしいです。
日本時間に合わせて出てくるのではなく、ダラスの時間帯に合わせて出てくるらしく、
いろいろ勉強になりますね!
案の定、数時間後パンとデザートが出てきました。
“朝食”ってことですね(笑)
夕食→夜食→朝食と進むにつれてアメリカぽくなって来ました。
しかし長時間のフライトのため、お尻が痛くなってしまいました。
それと機内は意外に寒かったです。
長袖じゃないと風邪ひいちゃうよ!
この2つに関しては帰国時に対策が必要だなと感じました。
約11時間30のフライトの後、無事にダラスフォワースに着陸
しました。着いたど~~!
周りは外国人ばかり。飛び交う言葉全て英語・英語・英語。
おおすみ先生の頭の中はパンク寸前です。
しかもこの後、人生最大の緊張感を味わうことになります。
それは・・・入国審査です。
他の人に薄々話は聞いていましたので、予行練習
はしていましたが、聞き取ったり、
話したりできるのかが不安でした。
色々手続きを終え、いざ入国審査の順番待ち。前の人がどんな感じでやっているのか
雰囲気を見ながら、心臓はバクバク。
いよいよ自分の番が来ました。パスポートを渡し、審査員が何か聞いて来ました。
○×△□※☆? え!(驚)
言葉が早くて今何言ったの?って感じでした。でも唯一聞こえた単語が、「visit」!
訪問目的を聞いているんだな。練習したやつだ。
「Sightseeing(観光)」
・・・無事通じた(汗)
安心したのはつかの間、審査員が「Disneyland?」と聞いてきて、
「Yes!」と言いたかったが嘘になるよな~と思い、とっさに「Orlando(オーランド)」と対応。
セーフ・・・!
すると審査員が「How long~」と聞こえたので、「3days」と答えました。
初の入国審査終了。怪しいものではないとわかってもらえてホッとしました。
難所はまだ続きます。
今度は手荷物検査。日本のとは訳が違うことを体験しました。
靴は脱ぎ、両手を挙げて筒型の機械の中に入り、その後OKならボディーチェック。
無事に終わり後は飛行機のゲートまで移動。移動にはなんとモノレール。
ダラス空港はすごく広いのでビックリ。
モノレールでないと移動ができないんですね。さすがアメリカ。BIG(笑)
さて、今日はここまで!
また後編をお楽しみに♪
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