【コラム】小さなサインを見逃さない、部活での「スポーツ障害」を防ごう!
2019/07/31
いよいよ夏休みのスタートですね!
部活の練習時間も増える夏休み期間、練習中などの痛みや違和感があってもつい無理してしまうことがあります。
ここでは、中学生や高校生に起きやすい「スポーツ障害」についてご紹介します。
昔は当たり前だった練習方法が今では間違いだということがあったり、成長期である中学生や高校生の骨や関節は柔らかいためケガをしやすかったりします。部活などで過度な負担やトレーニングを繰り返し過ぎると「スポーツ障害」の原因になります。ちょっとした痛みや違和感、フォームの乱れなどの“小さなサイン”を見逃さず、スポーツ障害を予防しましょう。
1、スポーツ障害とは
スポーツで生じる身体の故障には2つあります。
①「スポーツ外傷」:骨折、脱臼、捻挫など、瞬間的な外力によって起こる故障
②「スポーツ障害」:身体に過度な負担が繰り返しかかることによる慢性的な痛みの症状
「スポーツ障害」は早期に対処しないと重症化して、関節が変形したり、骨が分離したまま治らなかったりして、日常生活に支障が出ることがあります。
2、中学生・高校生にスポーツ障害が起きる理由
成長期には、まず骨が成長して、それを追いかけるように筋肉が作られていきます。
《成長期はいつまで?》
・男子 高校1~2年生まで
・女子 中学3年生まで
成長期の骨は、両端は軟骨になっていて、骨端線と呼ばれる部から骨が伸びていきます。
そのため、骨や関節は成人よりも構造的に弱く、スポーツなどによって強いけん引力や圧迫力が繰り返し続くと、変形したり傷ついたりして障害を生じやすくなります。
これは、成長期に起きる「スポーツ障害」の理由です。
3、おもなスポーツ障害
中高生のスポーツでも盛んな野球では、「野球肘」と言われるスポーツ障害が多く見られます。これは、野球選手の投げ過ぎによる肘の故障です。
このように、成長期の中学生や高校生に発症率の高いスポーツ障害があります。
《中高生に多いスポーツ障害》
①内側側副靱帯損損傷(内側型野球肘)
・原因となる動作:投球
・関係するおもなスポーツ:野球
②離脱性骨軟骨炎(外側型野球肘)
・原因となる動作:投球
・関係するおもなスポーツ:野球
③上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
・原因となる動作:スクロール
・関係するおもなスポーツ:テニス
④オスグッド・シュラッター病
・原因となる動作:走る、ジャンプ
・関係するおもなスポーツ:サッカー、テニス、バレーボール、バスケットボール
⑤前十字靱帯損傷
・原因となる動作:急停止、ターン、ジャンプの着地、カット
・関係するおもなスポーツ:サッカー、テニス、バレーボール、バスケットボール、
陸上、ラグビー、フットボール、スキー、柔道
⑥シーバー病
・原因となる動作:絶えず走ったり、ジャンプをする
・関係するおもなスポーツ:サッカー
4、部活でのスポーツ障害を予防する「4つのポイント」
◆ポイント1:「ウォームアップ」
スポーツによる傷害や外傷(ケガ)を防ぐには準備運動をしっかりやりましょう。
体温や代謝を上げて、関節を柔軟にすると効果があります。
15~20分くらいストレッチやジョギングをして身体を温め、ゆっくりした動作で筋肉を伸ばすようにおこなうことがコツです。
◆ポイント2:「グールダウン」
クールダウンは、ウォームアップと反対の効果を持つ整理運動です。
スポーツによって興奮した身体を鎮めて、疲労回復を促す効果があります。
急激に運動を停止すると身体によくないため、軽いジョギングやウォーキングなどで徐々に動きを止めて、ストレッチやアイシングをしましょう。
◆ポイント3:「適度な練習」
スポーツによって一定の動作を繰り返し行うことで関節・筋肉・腱などに継続的に負担が加わります。スポーツ障害は、“オーバーユース”(使い過ぎ)によって起こることがほとんどです。適度な練習量でケガを未然に防ぐことができます。
◆ポイント4:「成長や体格に応じた練習」
中学生や高校生の成長期といわれる時期では、成長のスピードや体格の個人差が大きいです。部活の顧問やスポーツチームの監督やコーチは、年齢ではなく個人の発育に合わせて指導することが必要です。筋肉トレーニングは、筋肉が増えた時期におこない、できればスポーツトレーナーから指導をしてもらうといいでしょう。
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