柔道整復師のスゴ技「手技療法」について知ろう!
2021/01/22
みなさん、こんにちは!
日本医学柔整鍼灸専門学校・広報担当です。
今回は柔道整復師のスゴ技「手技療法」について学びましょう♪
1、柔道整復師の仕事
柔道整復師は、「接骨院や整骨院の先生」として昔から地域で知られている職業で、おもに、骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷などのケガを治療するプロです。
骨折や脱臼した骨を手術をせずに元に戻すことができるため、“ほねつぎ”などと呼ばれて、古くから地域で信頼されている職業です。
プロの技のほかにも、包帯固定やテーピングを行ったり、ストレッチやトレーニングなどのリハビリを行うなど、薬を使わずに患者さまの自然治癒力を最大限に導く施術をおこないます。
2、おもな仕事内容
①診療
患者さまの症状を聞く「問診」から始まって、患部をしっかりと観察する「視診」、そして患部に手を触れた状態を把握する「触診」や「徒手」といった検査法を行います。
②整復法・固定法
柔道整復は“ほねつぎ”と呼ばれる技である整復法。この整復法によって、脱臼や骨折した骨や関節を元の状態に戻すことができます。
整復後は固定法によって患部を金属副子、包帯などを用いて固定します。
包帯の巻き方ひとつで固定力が変わるため、高い技術のある柔道整復師による固定法によりケガの治りが早くなるとも言われます。
「きつ過ぎず ゆる過ぎもせず見栄えよく すばやく巻いて 落ちぬ包帯」昔から伝わる、包帯の極意です。
③手技療法・物理療法
ケガの回復期のリハビリに行う療法です。
手技療法は、熟練の技術を用いて患部にアプローチする技のことです。
物理療法は、温熱や冷却、電気や光などのエネルギーを発する機器を用いて、患部に刺激を与える療法です。
手技療法や物理療法ともに、患者さまの持つ自然治癒力を高めることを目的としています。
④運動療法
後療法のひとつであり、患部を動かすことで機能回復させることを目的としています。
とくに骨折してギプスで長時間固定していた場合などは、関節が固まり、骨折が治った後も関節の動く範囲が狭くなってしまうこともあるため、それを防ぐための療法が運動療法です。
3、柔道整復師の手技療法
手技療法には、「擦る」・「揉む」・「叩く」・「震わす」・「押す」といったような刺激を与える方法があります。
ここでは6種類の手技療法をご紹介します。
①強擦法(きょうさつほう)
別名「按無法(あんぶほう)」とも呼ばれています。
強擦法は、手のひらを患部に深く押し付けるようにします。手のひらで円を描くように移動させ、また押し付けるといった動作をくり返します。
硬くなった筋肉を擦りながら押すという感じの手技で、強引に押さないようにします。
この動作によって、皮膚の組織をやわらかくほぐして可動性を回復させたり、炎症による癒着をはかず効果を図ります。
②軽擦法(けいさつほう)
手のひら、親指、二本指、四本指などを患部に密着させて、背骨に沿って平らに軽く擦ります。手の摩擦で皮膚の温度を上げて、血液の循環を良くすることで、新陳代謝が促進されて細胞の活性化を図ります。
③叩打法(こうだほう)
リズムカルに軽く叩く手技です。叩き方はさまざまあって、その叩き方によって効果も異なります。
叩打法は、神経や筋の動きを活発にしたり、血行促進によって神経や筋の興奮性を高める方法や、逆に興奮を鎮めること鎮静的な効果があります。
④圧迫法(あっぱくほう)
指や手の付け根を使って圧迫して刺激を加える方法です。
圧迫して機能を抑制したあとに緩めることで血液やリンパの流れを促進したり、持続性圧迫法では神経痛やけいれんなどの鎮静に効果を図ります。
⑤振せん法(しんせんほう)
手のひらや指の端を使って、垂直に骨に向かって圧迫しながら、バイブレーターのように筋肉全体を震わせる手技です。
この刺激によって血管が拡張して静脈血の流れが良くなり、神経や筋肉の機能が高まる効果があります。
⑥揉捏法(じゅうねつほう)
手のひら、親指、二本指、四本指などで患部の筋肉をつかむようにしながら、筋肉をもみほぐす手技です。
筋肉の収縮を活発にして静脈血の流れを良くすることで、血管を広げ新鮮な血液を行き渡らせることで、筋肉が萎縮して硬くなることで起きる筋肉疲労の回復や予防を図ります。
このように柔道整復師は手術や薬を使わずに、手技によって人間本来が持つ自然治癒力を引き出してケガの治療を行います。
そのため、接骨院や整骨院の独立開業はもとより、スポーツ現場でケガに対応できるスポーツトレーナーとして活躍したり、介護現場で機能訓練指導員としてリハビリの仕事をするなど、柔道整復師の手技や知識が求められる職場が多岐に渡ります。
柔道整復師になるには国家資格に合格するだけでなく、資格取得後の手技の多さやレベルが重要です。
学校選びには手技を豊富に教えてくれるなどもポイントのひとつと言えるでしょう。
(監修/横山 靖 先生)
「先達から引き継いだ柔道整復術を継承し、地域社会に貢献できる柔道整復師の育成を目指しています。」
認定柔道整復師/鍼灸師
介護支援専門員/日本柔道整復接骨医学会学術委員
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2024/11/22コラム
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こんにちは!! 日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です。 川﨑先生コラムの第60弾をお届けいたします! トレーニングの適時性 トレーニングをしているのに、「結果が出ない」、「筋肉がつかない」など自分で効果を感じていない人が多くいます。 その背景には、具体的に方法や理論を理解していないことがあげられます。 自分自身の身体や競技の特性についてある程度の知識がなければトレーニングを効果的に行うことができません。 特に、成長期では人によって発育に差があるため成長に合わせたトレーニングを行うことが大切で、間違った認識によりトレーニング効果を半減させたり、障害を発生する要因となることがあります。 正しい知識を理解してから自分がどうなりたいかを具体的に考えて、プログラムを立てていくことをしてほしいと思います。 そうすれば最も効果的なトレーニングができるようになり競技力向上とケガをしない体に変化し、目標も達成していくことができます。 1.トレーニングの原理 トレーニングには効果を獲得するための基本的な要素があります。 ① 普段使う筋力よりもキツイと感じる負荷をかける。(過負荷) ② 競技の特徴をよく理解し、競技に必要な能力を向上させる。(特異性) ③ トレーニングの持続期間を長く継続することで効果を持続させる。(可逆性) 2.トレーニングの要素を達成するために必要なこと(原則) ① 基礎能力がない状態でトレーニングをしても効果が少なくなるため、偏ったトレーニングにならず原因を追究して土台となる基礎能力を上げることが必要です。そのためには全身の能力を高めていきましょう。 ② 計画がなく形だけ真似をして行うのではなく、何を鍛えどこを鍛えているのか十分に理解して意識しながら行っていきましょう。 ③ 自分のレベルに合わせ強度が軽いところから徐々に負荷を増やしていき段階的に内容を変えていくことが大切です。年齢、男女、体格、体力、競技レベル、経験値などの違いを考えて焦らずに一つ一つ行っていきましょう。 ④ 柔軟性は日ごと、筋力は週ごと、スピードは月ごと、持久力は年ごとに改善すると言われています。それぞれの能力が得られる時期も差があるため、目標を立てたら計画的に反復してトレーニングを行うことが必要です。目標を達成することは辛いことでもありますが諦めずに続けていきましょう。 3.トレーニングの適時性 年齢によってどのようなトレーニングが効果的かという大切な時期があります。 年齢に応じて発達する能力が異なるので、その年齢に合わせたトレーニングを行うと将来の基盤ができ、成長を妨げることなく能力を引き出すことができます。 ① 11歳以下の小学生・乳児 脳神経系の発達が一番活発になる時期です。 運動神経の80%はこの時期で完成されます。 この時期では運動経験が「身のこなし」や「センス」につながるので、「コーディネーショントレーニング」を行うのがベストです。 体の動きや力の加減を調整する「運動神経」を鍛えるトレーニングであるため、リズム、バランス、変換、反応、識別などの複雑な動きの能力を鍛えることができます。 ② 12歳~14歳の中学生 心臓などの臓器が発達し、それに応じて骨格も大きくなります。 循環器系の発達が最も高い時期なので持久力を鍛えるならこの時期が適しています。 中学生の時期を過ぎると心肺機能の大きな発達は期待できません。 ③ 15歳~18歳の高校生 ホルモンの働きが活発になる次期で「筋力トレーニング」を始めるのに適した時期となります。 昨年よりも1年間で伸びた身長の量が少なくなってきたら筋力トレーニングの開始時期と判断していいと思います。 ただし、骨と筋肉は同じように伸びてくれません。 骨の成長が続いている時期に筋肉トレーニングを多く行うと筋肉が引っ張られるようになり、いわゆる「成長痛」ということが起こってしまうので、コンディショニングを整えて身体を把握しながら筋力トレーニングを行うようにしていきましょう。 その他にも男女の性差による特徴があり、12歳頃までは男女の体力には大きな差は見られません。 13歳以降になると男子の方が女子よりも成長や体力においても上回るようになっていきます。 それは男性ホルモンと女性ホルモンの違いによるもので、13歳以降の男子は、男性ホルモンが作り出されるようになるため筋肉がつきやすくなりますが、女子は女性ホルモンの影響で脂肪がつきやすくなります。 男女ともに成長期は身体が変化する時期なので、日常生活や睡眠、食事も管理しながらトレーニングをすることが好ましいです。 適時性に合わせたトレーニングは、身体の基礎作りやあらゆる競技スポーツの土台作りになります。 個々に合ったトレーニングを考えて実施しましょう。 ♡モノローグ♡ 寒くなりましたね。 寒さは心に影響すると言われています。 寒いと何となく寂しい気持ちになることがあったりしませんか? 私たちの感じ方や捉え方は環境や周囲の影響を受けていることが多くあります。 冬の寒さを感じることで気持ちに変化をもたらすことを「身体化認知」といいます。 気分が落ち込んだりしたときは温かい飲み物を飲んだりすることで気持ちを和らげることができます。 今日、仕事の帰りに虹が出ていました。 寒さを感じながらも心が温かくなり、疲れが癒されました。 明日はきっといいことがあるかもしれませんね。 柔道整復師・鍼灸師 本校柔道整復学科 専任教員 川﨑有子]
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2024/11/11授業見学
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2024/10/25コラム
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2024/10/13コラム
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