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柔道整復学科 BLOG

川崎先生コラム 第8弾「柔道整復師が診るテニス肘」

2021/06/11

今回はスポーツ障害の一つ、テニス肘(上腕骨外側上顆炎)についてお話し致します。

テニスと言えば、大坂なおみ選手の精神的問題、心の健康について大きく取り上げられていますね。世界で活躍するほど注目を浴びマスコミにも様々な面で取り上げられます。スターである上での試練でしょうか。

私も、大学時代柔道の谷亮子さんと一緒に練習していましたが毎日取材などで安らぐ時間があまり無いだろうなぁ~と思うことがありました。

選手がいつもポジティブでいることは難しく多くの選手は優れた技術を持ち最高レベルのパフォーマンスを保持していますが、その裏ではかなりプレッシャーを感じながらプレーしていることも事実です。メンタルの維持は試合の勝敗にも関係してきます。

私たち柔道整復師もスポーツトレーナーとして、選手が最高のパフォーマンスを発揮できるようにフィジカル面でのサポートだけでなく、試合やリハビリなどの場面で前向きになれるようにメンタルのサポートをしていくことも必要です。選手のスキルアップの為に心と身体もケアできるスポーツトレーナーになることが理想ですね。

テニス肘とは

テニス肘は上腕骨外側上顆炎といいテニスの愛好家に多くみられるため、テニス肘と言われています。

テニスのバックハンドストローク動作やゴルフ、パソコンのタイピング動作、重い物を運んだり手をよく使う作業などで肘関節の外側部の腱が炎症を起こし疼痛を引き起こします。

多くは使いすぎが要因で筋力の弱い40~50歳の女性に好発します。

テニス肘(外側上顆炎)の発生

発生要因としては、前腕を回内位(親指を下に向けるような回旋動作)で手関節の背屈(手首を上に上げる)時に、強い負荷がかかり前腕の伸筋群(短橈側手根伸筋)が強い収縮力を強いられることで緊張が高くなり、外側上顆に繰り返しストレスがかかることで炎症を引き起こします。

その他、筋が付着している外側上顆部での微小断裂や骨膜の炎症、滑液包炎などを起こすこともあります。

 

どんな症状が出るの?

手関節の背屈時や前腕を回内位で物を持ち上げたり、タオルを絞る動作などで、肘関節の外側部に圧痛や前腕部に疼痛が出現します。局所の熱感や腫れなども診られます。

症状を見分ける検査法

① 手関節伸展テスト(Thomsen test)
患者さんの手関節を背屈させた握り拳を検者が抵抗を加えて掌屈(手首を下に向ける)させると疼痛が誘発される。

② 椅子テスト(Chair test)
前腕を回内位で椅子などの重い物を持ち上げると疼痛が誘発される。

③ 中指伸展テスト(Middle finger extension test)

患者さんの前腕を回内位で中指を伸ばした状態で検者が下に抵抗を加えると疼痛が誘発される。

治療法について

炎症が軽減するまでは安静にさせることが一番です。手の使用を最小限にし、テーピングや局所の安静のための固定(テニス肘バンド)を使用することも有用です。疼痛が軽減したらストレッチや筋力増強訓練を徐々に行い再発防止に努めていきます。

外側上顆に付着している筋肉は指の骨に筋の停止部を持つため、手首や指を動かすだけで短橈側手根伸筋の伸張ストレスが発生します。手首を動かすと肘の外側部の筋肉が動いていることがわかります。

私の場合は、局所の固定だけでは早期に痛みを軽減させることが難しく、筋肉の伸張ストレスを軽減するために手関節部の固定を施します。

仕事などで固定が難しい場合は、night装具を作成して手を使用しない時間や就寝時に固定を継続してもらい、安静にする時間を多くつくるように工夫をしています。

柔道整復師は患者さんの症状に合わせたオーダーメイドの固定具を作成できるところも魅力ですね。


柔道整復師・鍼灸師 本校柔道整復学科専任教員 川﨑有子
最近、暑くなってきましたね。
暑さで疲れやすくなっているので食事をしっかり取るようにしています。
最近の楽しみは学校の近くにおいしいパン屋さんができたのでよく買いに行きます。
炭水化物は控えて高タンパク、低脂質の食生活をしていましたが我慢ばかりはストレスになるので、疲れやすいと言う理由をつけて時々パン屋さんに通っています。(*^-^*)
皆さんも、暑い季節に加えてマスクをしているため熱中症になりやすいです。
水分をしっかり取り体調に気をつけてお過ごし下さい。

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