柔道整復師・鍼灸師を育成する専門学校

日本医学柔整鍼灸専門学校
(2025年4月 校名変更予定)

柔道整復学科 BLOG

川崎先生コラム 第13弾「登山やハイキングで起きるアクシデント」

2021/10/22

こんにちは!
日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です。
川崎先生コラムの第13弾をお届けいたします!

今回のコラムでは登山やハイキングでのアクシデントと対処法、また登山を楽しむためのトレーニング方法をご紹介します。

登山やハイキングで起きるアクシデント

紅葉を楽しみ心の癒しを求めて登山やハイキングを楽しむ季節になりました。
日常から少し離れて自然の風景や歴史的背景のあるコースを歩き、その絶景を楽しむことで心豊かな時間を過ごすことができます。
患者さんの中にもそろそろ紅葉狩りに行こうという話題が出ています。
自然の中でお弁当を食べたり、季節の草花を観察して趣味の写真を撮ったりするのが至福のひと時だそうです。

最も多く相談されることは、「足が痛くなること」です。
中には転倒して捻挫や骨折をした方もいます。
登山やハイキングはそれぞれ距離や難所が異なりますが共通することは長時間歩くためそれなりに運動量があることです。
まず、自分の身体能力を理解して基本的な体力と筋力をつけることが必要です。
柔道整復師のお仕事で、患者さんがアクティブに活動できるようにコンディショニングを整え不安や悩みを解決していくサポートはとても重要な役割の一つです。
痛みや怪我につながるだろうと想定できる身体的問題は、事前に日常生活指導を受けて治療で改善していき趣味を楽しんでもらいたいです。

どのような怪我と対処法があるの?

登山やハイキング中は、周囲の景色や草花に気を取られ足元が不注意となり怪我をすることがあります。
最も多い怪我は、捻挫・打撲・骨折です。
万一、怪我をしたら落ち着いて対処することが重要です。
また、ファーストエイド(応急処置)用品の事前準備をしっかりしておくことが必要です。
持ち物で不足している場合は周囲を見渡し使用できるものがないか落ち着いて確認してください。

①捻挫や骨折

傾斜や段差で足を滑らせたときに足関節や膝関節を捻る、転倒時に手を衝き手関節や肘関節、肩関節を捻ることがあります。
また骨折をしてしまうことがあります。
捻挫の場合は、関節を動かしても痛くない方向にテーピングや包帯で固定し、痛みと腫れを緩和させます。
時間とともに腫れが強くなることがあるので経過をよく見る必要があります。

腕や肩の怪我では三角巾で吊ることも必要な場合があります。
三角巾がない場合はTシャツや包帯、ビニール袋を代用として使用できます。
骨折の場合は、通常より激しい痛みが伴い変形が見られることがあります。
また患部を動かすことができなくなります。
ファーストエイドだけでは限界があり、骨折を疑う状態であれば周囲の木を副木として患部に当て、テーピングや包帯で固定し、まず患部を安静に保つように処置を行いましょう。
出血を伴う骨折の場合は、緊急性が高く出血が多いとショック状態に陥ります。
命の危険性があるため6~8時間以内に治療を受ける必要があります。

②打撲

転倒した際に体や頭部を打撲することがあります。
打撲では、早期に血腫を吸収させることが重要となります。
筋内出血が多い場合は、腫れが強く出て皮膚に光沢が出ることがあります。
厚めのガーゼやハンカチなどを患部に当て、その上から包帯やテーピングできつく圧迫し処置を行ってください。
圧迫によりコンパートメント症候群を起こすことがあるので、感覚障害や循環障害が出ないように注意が必要です。
頭部の打撲は、たんこぶ(皮下血腫)程度だから大丈夫と思われがちですが、頭蓋骨骨折や硬膜外血腫、脳挫傷などを起こしていることがあり、命の危険性があります。
脳内に出血がある場合、徐々に血腫が脳を圧迫して数時間から数か月かけて症状が出ることがあり、忘れたころに急に嘔吐・吐気、頭痛・ふらつき・認知症状がでることがあります。
頭を打撲した24時間~72時間は安静にし、無症状でも経過観察をするように注意してください。

③切り傷

転倒した際に手を切ることがあります。
水できれいに洗い流して洗浄し、圧迫することで止血を行い、傷口を保護することが大切です。
最も大事なのは菌の感染を防止するために洗浄をすることです。
十分に洗い流せることができれば消毒は不要です。
持っている滅菌ガーゼや包帯で圧迫止血を行いますが、ない場合はガーゼの代わりに清潔なタオルやハンカチを当ててバンダナやテーピングなどを包帯の代用として使用し処置を行いましょう。

楽しむために必要なトレーニングは

登山やハイキングを楽しむ為にはある程度歩ける状態に体を整えておくことが必要です。トレーニングで備えておくと大きな怪我につながることもありません。
長時間の歩行で膝が痛くなる、足底が痛くなるなどは筋力の不足が原因です。
同行している仲間に迷惑をかけないように日常生活の中から意識をして備えましょう。

①持久力をつけよう

長時間疲労に耐えて歩くことができるように、ウオーキングやランニングなど行い筋持久力を高めましょう。
日常では階段を利用する、駅まで歩いていくなどの工夫をするのも一つです。
患者さんの中にはノルディックウォーキングをしている方がいます。
2本のウォーキングポールを使用して歩行運動を補助します。
基本的には体力に自信がない方やリハビリで使用したりしています。
腕を振りながら上半身を起こして歩くことで姿勢改善の効果があります。
また両手両足の4点歩行となるので、足腰の負担が軽くバランスの保持がしやすく転びにくくなる利点があります。
ハイキングや登山でもウォーキングポールを使用している方がいます。

②筋力をつけよう

太ももの筋肉(特に大腿四頭筋)は股関節や膝関節の動きに関わっており、鍛えることで足腰の持久性が高まります。
運動に慣れていない方は椅子スクワットから始めてみてください。
また安定した歩行は体幹の軸となる筋肉が必要です。
リュックを背負う負荷も考えて腹筋や背筋を鍛えることもしていきましょう。

③バランス感覚を養おう

不安定な道を歩くため、軽い段差でぐらついたりすることが多いです。
とっさの動きに対応できるようにバランス感覚が必要です。
体をまっすぐに伸ばし片足で数秒立つなどを行い、筋肉トレーニングと組合せ体幹バランスを鍛えましょう。
皆さんは1分間でどのくらい立てるでしょうか?

④柔軟性をつけよう

柔軟性は関節と筋肉の動きの滑らかさとも関係しています。
無理な体勢をとっても柔軟性があれば動きに対応できます。
柔軟性をつけることは、筋肉の血液循環がよくなり伸張性や関節の可動域を広げる効果があり障害を予防することができます。
柔軟性の低下は筋肉の伸張性を妨げ血行不良となり筋肉や腱の損傷や筋肉痛の原因につながります。
体幹・太もも・ふくらはぎのストレッチを行い怪我のリスクを減らしましょう。
ラジオ体操なども効果的です。

日頃からトレーニングが必要だと思うと、気持ちが前向きにならない方もいるのではないでしょうか。
しかし、軽いハイキングであっても思わぬトラブルが起きるものです。
日常から身体能力を高めておくと、登山やハイキング以外でも役立つことがたくさんあります。
老化を防ぎ何歳になっても生き生きと輝くことができ長い人生の中で後悔はしません。
無理のない範囲で簡単な運動から始めてみましょう。

寒くなってきましたね。
外出がややおっくうになります。
衣服も何を着ればいいのか迷い朝からクローゼットを見つめています。
寒いのは苦手でモチベーションを上げなければ出勤できません。
皆さんはこんな時どうしていますか?
私はとりあえず、しばらくサボっていた筋トレを再開して筋肉量を増やそうと思います。筋肉をつけることで熱量を上げて代謝を亢進するので冷え性の予防になりますよ。

川崎有子 柔道整復師・鍼灸師
本校柔道整復学科 専任教員


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