川﨑先生コラム 第19弾「これからのキャリアチェンジ~機能訓練指導員~」
2022/03/11
こんにちは!
日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です。
川﨑先生コラムの第19弾をお届けいたします!
これからのキャリアチェンジ~機能訓練指導員~
暖かくなってきましたね。
柔道整復師養成学校の年間のBIGイベントといえば、「国家試験」です。
3月6日(日)に柔道整復師国家試験が行われました。
発表は3月26日(土)です。
それまでは学生も教員もドキドキして落ち着かないです。
また、3月10日(木)に卒業式を行い、3年生が無事に卒業して4月から柔道整復師として様々な臨床現場に就職します。
臨床経験を多く積んで信頼される医療人として活躍して欲しいです。
そして、経験を積み重ねて自分の技術を見いだし、将来自分がなりたい柔道整復師を目指して欲しいと期待しています。
今回は柔道整復師が就職できるお仕事の一つ、機能訓練指導員についてお話をしたいと思います。
キャリアチェンジとは
キャリアチェンジとは未経験の業界や職種へ転職することです。
業界だけを変えることまた職種だけを変えることもキャリアチェンジといいます。
本校に入学した学生の中には、看護師や理学療法士などの医療職、鍼灸師やあん摩マッサージ師からのキャリアチェンジ、自身の様々な経験からのキャリアチェンジをした学生がいます。
新しいスキルを身につけることでキャリアアップでき、大きく成長できます。
柔道整復師を考えている方は、本校のオープンキャンパスに参加して、皆さんの描く将来について相談してみてはいかがでしょうか?
多くの可能性が秘めている職業なのでなりたい自分を見つけてみませんか?
機能訓練指導員とは
機能訓練指導員とは、介護保険法に定められている主にリハビリ分野を担当する職業です。
介護支援専門員(ケアマネージャー)の作成するケアプランに基づいて、介護施設を利用する方の障害や能力の程度に合わせてリハビリプランを立てて機能訓練を行い、自立した生活ができるようにサポートする職業です。
機能訓練指導員の需要性
高齢化の進行を示す言葉として、高齢化社会、高齢社会、超高齢社会という言葉があります。
65歳以上の人口が全人口に対して7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」、21%を超えると「超高齢社会」と呼ばれます。
現在は、「超高齢社会」の時代です。
老々介護の世帯が多くなり自宅での介護が難しくなっています。
また、自宅での介護能力も低下しているため、要介護者の急増にともない特別養護老人ホームやデイサービスセンターなどの利用者が増加しているのが現状です。
そのため人材不足の介護分野では機能訓練指導員の需要が高く就職先も多くなっています。
機能訓練指導員として仕事ができる資格
看護師または准看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師です。
いずれかの国家資格を有することで機能訓練指導員として働くことができます。
鍼灸師の場合、機能訓練指導員になるためには鍼灸師以外の機能訓練指導員が在籍する施設で半年以上の実務経験が必要となります。
また、介護福祉士や介護系の資格を持っていても機能訓練指導員として仕事はできません。
これらの資格を有する方々が、医師やそこに関わる他職種の方々と連携しながら日常生活機能維持を目的に機能訓練を行い、要介護者を減らし『高齢者が自分らしい生活を続けられる』ように支えています。
柔道整復師としての機能訓練指導員のお仕事
柔道整復師は体の構造と機能、各組織の損傷について専門的に学んでいるため、痛みの緩和や機能訓練についてプロフェッショナルです。
機能訓練以外でも骨折や脱臼、捻挫、打撲、筋腱の損傷の外傷に対しては専門であり、処置ができるため介護施設で必要とされています。
仕事の内容としては機能訓練、運動能力の改善が主となります。
施設利用者の機能評価や機能訓練のプログラム作成を行うこともあります。
本校には、「高齢者ゼミ」や「セルフケアゼミ」があり、痛みの緩和ケアから高齢者の機能訓練指導について学ぶことができます。
どんなところでお仕事をしているのか
機能訓練指導員としてどのような現場で働けるのでしょうか。
1)介護施設現場:デイサービス、ショートステイ、特別養護老人ホーム、有料老人ホームなど
介護施設現場では、介護施設の入居者や、通所型(デイサービス)に通う利用者が対象です。
柔道整復師が接骨院と介護施設の両方を運営している所もあり、両方の現場で仕事ができる魅力もあります。
機能訓練以外にレクレーションやイベントが充実していてアットホームな感じです。
2)医療系施設現場:介護療養型医療施設、病院併設型リハビリステーション、介護老人保健施設など
医師や看護師が常駐している施設で医療法人が運営しているところがほとんどです。
比較的重度の要介護者に対し、充実した医療処置とリハビリを提供する施設で、リハビリの専門性が高く充実した機能訓練ができる職場です。
介護施設現場に比べてレクレーションやイベントは少ないです。
皆さんのキャリアマップはどんな将来を描いていますか?
機能訓練指導員になるには、規定されている国家資格からいずれか一つを取得する必要があります。
どの資格も、学校に通い国家試験に合格する必要があります。
楽ではありません。
しかし、超高齢化社会の今、機能訓練指導員は需要が高く、比較的高収入を期待できる職種です。
これから介護分野・医療分野で働きたい人は現場で多様性を活かせる柔道整復師を目指してみませんか。
皆さんの描く将来を実現していきましょう。
最近、花粉症の相談を受けることが多くなりました。
本当に辛そうです。
花粉症は、発症してからでなく発症する3週間前から治療をすると症状が比較的軽く済みます。
春先に花粉のイメージがありますが冬の季節の12月から花粉は飛んでいるので早めに治療を受けて免疫力を高めるといいです。
また継続して治療を受けることをお勧めします。
鍼灸治療では体質改善から免疫力を高めていく治療をしていきます。
東洋医学では気・血・水のバランスのとれた状態にすることで花粉症を改善していくという考え方です。
古代医学書に「キュウ鼻」という疾患が記されています。
基本概念は体質・体調が悪いことにより体に歪みが生じて引き起こされると考えられており、その症状は突然鼻がむずむずしてくしゃみが止まらず鼻水が流れるという症状です。昔から花粉症の疾患があって鍼灸治療も施されていたのですね。
鍼灸治療以外にも運動をすることや食生活も大切だとされています。
柔道整復師・鍼灸師
本校柔道整復学科 専任教員 川﨑有子
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こんにちは!! 日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です。 柔道整復学科 川﨑先生コラムの第63弾をお届けいたします! 未来の自分に出会う~スポーツを仕事に~ みなさん、競技者としてだけでなく、スポーツに関わる仕事は多岐にわたり、それぞれに大きなやりがいと感動があります。 日本医専で学ぶことで、未来の自分に出会い一歩踏み出してみませんか。 アスリートでなくても、自分自身が輝けるステージがスポーツにはあふれています。 部活動を頑張っている皆さんは、練習に打ち込み、その成果を試合で発揮し、仲間たちと喜びを共有しながら充実した日々を送っていることと思います。 しかしながら、ケガや実力が発揮できず悔しい思いをしている人もいることでしょう。 そのような中で、勉強かスポーツを続けるかという選択肢を選ぶことに不安な気持ちを抱え、将来の自分をイメージできずに思い悩んでいませんか。 アスリートから、スポーツを支える仕事を選んだとしても後悔する必要はありません。 これからたくさんの人との出会いや経験をして知らない世界を知ることにより、世界は広がり、夢や目標は変わっていくものです。将来のキャリアは、一本道ではありません。 様々な経験を通して、目標が変わることは普通のことです。 日々学びながら新しいことを吸収し、長期的な視点を持ち、柔軟に目標を調整しながら見直していくことも大切です。 さて、皆さんは〇〇×スポーツの空白に何を組み合わせますか? ●部活で得られるかけがえのない経験は宝 皆さんが部活で感じた、感動を支える仕事はたくさんあります。 その感動は、仕事の中で様々な形で支えることができます。 また、夢に向かって努力した経験は、仕事においても大きな力となり、強い精神力、困難に立ち向かう姿勢や体力、周囲への思いやりなど、スポーツを通して培われた人間力は、社会に出たときの大きな武器となります。 ●スポーツに関わる様々な職業 スポーツに関わる職業は、監督やコーチ(技術や戦略)、トレーナー(フィジカル強化、ケガの予防ケア)、インストラクター(健康増進)、スポーツ用品メーカー(障害サポート)、イベント運営(大会企画、選手の環境整備)など将来スポーツに関わる道はあります。 その他、スポーツ心理学(メンタル強化)、スポーツ栄養学(体調管理)、スポーツ医学(総合的医学)、スポーツ科学(研究分析)、スポーツビジネス(スポーツ用品開発)など、専門的な知識を活かせる分野もあります。 1.スポーツトレーナー スポーツトレーナーは、アスリートのパフォーマンス向上や、ケガの予防、リハビリをサポートし、選手のコンディショニング管理やトレーニング指導など専門的な知識と技術が求められます。 アメリカで仕事をするためにはスポーツトレーナーの資格が必要ですが、日本やその他の海外では、スポーツトレーナーの資格は必要ありません。 日本ではスポーツトレーナー資格は民間の認定資格です。 医師、柔道整復師、鍼灸師、理学療法士などの専門知識を身に付けた国家資格を持っている人たちが、スポーツトレーナーとして活躍しています。 2.柔道整復師 スポーツによるケガや体の不調を治療し、ケガをしない体づくりやケガからの早期復帰をサポートします。 骨折、脱臼、捻挫、筋腱の損傷などを専門とし、骨折、脱臼の応急処置が認められているのは、医師以外で柔道整復師だけです。 スポーツトレーナーやスポーツに関わる仕事をしている人が必ず持っている国家資格の一つです。 スポーツトレーナーとして、選手のコンディショニング、トレーニング指導、試合中の応急処置、ケガの予防、リハビリテーションなどを行います。 スポーツクリニックでは、スポーツによるケガの専門的な治療やパフォーマンス向上を目的とした施術を行います。 柔道整復師は、スポーツ医学と密接に関わり、アスリートから一般の人まで、幅広い層の健康をサポートする専門家です。 3.スポーツインストラクター 一般の方々の健康増進や体力向上をサポートし、様々なスポーツやエクササイズを指導し、運動の楽しさを伝えていく職業です。 人に教えることやコミュニケーションが好きな人は、この職業が向いていると思います。近年では、国家資格を持ち専門性が求められています。 4.スポーツ用品メーカー アスリートや一般の方々が使用するスポーツ用品の開発や販売に携わり、最新の技術や素材を駆使し、より安全で快適なスポーツ環境を支援するお仕事です。 スポーツにおけるケガの種類や発生メカニズム、人体の構造や機能に関する知識は安全性を高める上で不可欠です。 競技性を理解することで、必要な機能を適切に設計でき、デザインは機能性だけでなく選手のモチベーションやパフォーマンスにも影響を与えます。 選手のパフォーマンス向上や安全性を高める革新的な商品を開発するために、柔道整復師の資格を取りにくる方々がいます。 5.福祉用具専門相談員 福祉用具専門相談員は、障害を持つ方々が自立した日常生活を送るために、必要な福祉用具に関する専門的な知識を持ち、適切な用具選びや利用方法をアドバイスする専門家です。 スポーツ特定競技では、車椅子プレーヤーに対するサポートがあります。 スポーツ福祉用具は、障害のある人がスポーツを行う際に、その能力を最大限に発揮できるよう工夫された用具です。 用具を使用することで、障害による運動機能の低下を補い、スポーツパフォーマンスを向上させることができます。 身体に関する医学的専門知識を持った方々がこの職業に就いていることが多いです。 ●自分だけの未来を選択 大学または専門学校のどちらを選択するか?悩む方が多いのではないでしょうか。 効率的に実践的な知識と技術を身につけ、資格も取得できるのが専門学校です。 専門学校は基本的に3年制で、大学よりは1年短いですが、専門知識や技術以外に仕事や現場で役立つ知識を学ぶ機会が多くあります。 専門性を追求したカリキュラムや、職業の多用性に応じた総合的な学びがあります。 また、教員と学生との距離感が近いため、個別指導を受ける機会が多く得られるのもメリットです。 専門学校卒業だからといって、キャリアに影響することはほとんどありません。 大事なのは即戦力として仕事ができることや、卒業後に自分の将来に近い就職ができることです。 まずは、オープンキャンパスに積極的に参加してみましょう。 オープンキャンパスでは、授業内容を体験でき学校の雰囲気を肌で感じることができます。 また、先生や在校生と直接話すことで、学校生活や進路に関する疑問を解消できるので、ご自身の将来について考える上で大変有意義な時間になると思います。 日本医専は、スポーツと医療を組み合わせた学びを提供しており、あなたの夢を応援し、未来の自分に出会うための細やかなサポートをしています。 日本医専の一番の魅力は、実践的な学びを深めるためのプログラムが用意されており、「ケガ」「スポーツ」「美容」「東洋医学」の4つの専門分野に特化したゼミで、より高度な手技を磨き、カラダ・エキスパートを育成します。 その他、臨床経験が積める「カラデミア」をオープンし、在学中から臨床経験を積むことができる実践教育の場を用意しています。 豊富な実技授業により即戦力となる人材育成や、一人ひとりの未来を実現するカリキュラムがあります。 さあ!皆さん、確かな技術と知識を身につけ、社会で活躍できる「カラダ・エキスパート」を目指しませんか? 日本医専のより詳しい情報や、最新のオープンキャンパス情報に関しては、日本医専の公式ホームページを確認してくださいね。 予約なしの当日参加でもOKなので、時間ができたら遊びに来てくださいね。 私も、担当していますのでお会いできたらすごく嬉しいです(^_-)-☆ 柔道整復師・鍼灸師 本校柔道整復学科 専任教員 川﨑有子]
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- 【川﨑先生コラム】風邪をひきにくい体へ!運動と免疫力
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こんにちは!! 日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です。 川﨑先生コラムの第61弾をお届けいたします! 風邪をひきにくい体へ!運動と免疫力 インフルエンザが流行している時期ですが、年末年始は健やかに楽しく過ごしたいですね。 一般的なかぜやインフルエンザにかかりやすい人とそうでない人では、免疫力の差に違いがあります。 免疫力は加齢や過剰なストレス、生活習慣などにより低下するとされています。 免疫力は生まれながらに持つ生体防御機能で個人差がありますが、健康的な食生活や適度な運動、規則正しい生活を心がけていれば向上することができます。 しかし、健康意識が高く予防を心がけていても、かぜやインフルエンザにかかってしまいます。 そして意外にも、一般的な人より丈夫な体をしていると思われている、アスリートの方がかぜをひきやすい傾向があります。 かぜをひきやすい人、そうでない人の個人差とはどんなものがあるのでしょうか。 常に元気であり、好きなことを続けられる体づくりをするためのヒントをお伝えしたいと思います。 1.かぜ症候群とインフルエンザの感染経路 かぜやインフルエンザはウイルスによる感染がほとんどで、感染経路は接触感染、飛沫感染、空気感染です。 感染とは、口や鼻、目の粘膜から体内に侵入したウイルスが上気道(鼻腔から咽頭まで)の粘膜に付着し増殖することにより、くしゃみや鼻水、咽頭痛などの上気道症状や、発熱、頭痛など様々な症状が現れます。 2.感染を防ぐ免疫抗体 「抗体」とは、体内に入ってきた病原体などの異物(ウイルスや細菌などの抗原)を排除するために働く、「免疫グロブリン」というタンパク質のことです。 異物が入ってくると抗体が作られ、異物を攻撃し発病を防いでくれます。 免疫グロブリンはIgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5種類があり、それぞれに働きがあります。 特に、免疫機能に関係するのは、「IgG」と「IgA」です。 「IgG」は血液中に最も多く含まれている免疫グロブリンで、免疫機能の主役となるものです。 「IgA」は2番目に多い免疫グロブリンで、唾液や鼻汁、涙、消化管(腸管)などに粘膜表面に含まれている粘膜免疫です。 IgGとIgAは、病原菌やウイルスに対する感染防御の高い抗体として体を守ってくれています。 3.激しい運動は免疫力を低下させる 運動は、私たちの健康維持に欠かせない要素の一つです。 心肺機能の向上や筋肉の強化だけでなく、免疫力の向上にも大きく貢献することが知られています。 適度な運動は免疫力を高め、感染症の予防に有効とされています。 しかし、激しい運動やトレーニングは骨格筋への血流は増えますが、粘膜、内臓への血流が抑制され、免疫バリア機能が低下します。 その他、交感神経が優位になり、体内をパトロールしながら細菌やウイルスを見つけると強い殺傷能力で攻撃する「NK細胞」(ナチュラルキラー細胞)や異物の情報を伝える役割をしている「ヘルパーT細胞」、そして、ウイルスに感染した細胞や病原体になった細胞を、直接やっつける役割をしている「キラーT細胞」の機能が低下し、免疫細胞の活動が抑制され、免疫力が低下します。 また、唾液に存在するIgAの分泌も減少し、粘膜免疫が低下しかぜをひきやすくなります。 4.免疫力低下の原因 ①上気道や口腔の乾燥 気管や気管支の粘膜は多列線毛上皮で被われています。 上気道から気管支に入ったウイルスは、粘膜上皮細胞から分泌される粘液にキャッチされ、線毛運動により排泄され防御機構が働きます。 ただ、線毛は寒さと乾燥に弱いという弱点があり、冬の季節はウイルスが侵入しても排泄する力が弱くなってしまいます。 もう一つは、口腔内の乾燥による粘膜免疫の低下です。 唾液分泌量が多い方が、ウイルスや細菌に感染しにくいといわれ、唾液には粘膜免疫の役割があるため感染防御に働きます。 唾液の分泌はリラックスした状態の副交感神経が優位の時に増加し、激しい運動時には交感神経が優位になるため、唾液の分泌量は低下し、IgA抗体の産生も低下します。 試合シーズン中のアスリートやストレスを抱えている人は、唾液の分泌量が減少するので免疫力が低下しかぜをひきやすくなるということです。 適度な強度で心地よい負荷の運動をしている人は、唾液に存在するIgA抗体の分泌が上昇するため、ウイルスや細菌をブロックする能力が高まります。 ◇ 唾液分泌には、耳下腺、顎下腺、舌下線という三大唾液腺があります。 特に、免疫に関しては、口腔や上気道の粘膜を保護するための粘性がある唾液を分泌する、顎下腺や舌下腺が重要となります。 唾液腺のマッサージをすることで唾液分泌が促進できます。 是非、やってみてください。 🌸耳下腺マッサージ 頬に人差し指から小指までの4本の指をそろえて当て、上の奥歯あたりを後ろから前へ円を描くように擦ります。 🌸顎下腺マッサージ 顎の内側の柔らかい部分に指をあて、耳の下から顎の下に向かって指先で押していきます。 🌸舌下腺マッサージ 両手の親指をそろえて、顎の真下から舌を突き上げるようにゆっくりと押し上げる。 各マッサージを10回3セット行いましょう。 マッサージを行うタイミングは、食事前やリラクゼーションの際など、できるタイミングでOKです。 テレビを見ながらでも簡単に行えるので、毎日行うようにしましょう。 ②ストレス 自律神経とともに体の機能を調節しているのがホルモンです。 運動はホルモンの分泌にも関係しており、ホルモンを介して免疫にも働きかけます。 高強度の運動は身体を変化させるため、心身ともにストレスになります。 そのストレスに対抗するために、コルチゾール(副腎皮質ホルモン)というホルモンを分泌して、体は頑張ろうとします。 アスリートの場合、ストレスを感じる合宿や試合シーズン中など、高強度のトレーニングや精神的負担を強いられる時期は、コルチゾール(副腎皮質ホルモン)やカテコールアミン(副腎から合成・分泌される神経伝達物質)が過剰に分泌され、必要なタイミングで分泌ができなくなます。 結果的にストレスに対抗できなくなり、免疫機能の働きが抑制されて免疫力が低下することに繋がります。 また、筋肉量を低下させる要因にもなります。 コルチゾールの合成にはビタミンCが必要で、ストレスが蓄積するとビタミンCの消費が激しくなるため、いちごやキウイ、ブロッコリー、パプリカ、サツマイモ、ジャガイモなどのビタミンCを多く含む食品を積極的に取ると、免疫機能が強化され抵抗力が高まります。 ③女性ホルモン 女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)があります。 エストロゲンは、免疫細胞がウイルスを攻撃するのを活性化する働きがあり、免疫力を上げて女性の体を外敵から守ろうとします。プロゲステロンは免疫システムを抑制する働きがあります。 男性に比べて女性の方が免疫システムは良く働き、免疫力が強い傾向があります。 しかし、排卵期前はエストロゲンが増加して免疫力が高まりますが、月経前後はプロゲステロンが増加し免疫力が低下しやすくなります。 女性は免疫システムが良く働く反面、月経周期によるホルモンバランスが崩れやすいこともあり、免疫力の変動も大きいのが実際です。 女性アスリートで問題となるのは減量や体脂肪の低下です。 過剰な減量やトレーニング、精神的・身体的ストレスは、希発月経(月経の頻度が少ない)や無月経(90日以上月経がない)の原因となり、免疫力の低下だけでなく骨粗鬆症になります。 4.免疫機能を高めて感染を予防するには ①食生活 免疫細胞を活性化させるためにはたんぱく質が必要です。 免疫グロブリンはタンパク質でできているため、肉、魚、卵、乳製品、大豆・大豆製品、発酵食品、乳酸菌などをバランスよく摂取しましょう。 特に、ビタミンA、ビタミンDはIgAが高まる栄養素とされています。 コレステロールも細胞やホルモン、胆汁酸(脂肪の消化吸収)の材料となっているため、脂質を嫌がらずに適度に取り入れるようにしてくださいね。 ②基礎体温 免疫力が正常に機能する体温は36.5°とされています。 免疫力を高めるには、基礎体温を上げることで血流が良くなり代謝が促進され、免疫細胞が活性化されます。 病気になった時に発熱するのは、身体が体温を上昇させることで免疫力を活性化させ病気と闘う力を上げようとする反応です。 発熱した際は、無理に薬で熱を下げずに、自然に治癒するのを待つ方が良いとされています。(高熱で生命の危険がある場合は除く) 体温が36℃を切っている低体温の人は、適度な運動と筋力アップで体温を上げることが大切です。 ③ウイルスの侵入 感染を防止する方法として根拠があるものは、ワクチン接種(重症化を防ぐ)、手洗い(ウイルスを洗い流す)、マスク(飛沫感染防止)が推奨されます。 風邪のウイルスは20分で粘膜に侵入するといわれています。 ウイルスが手に付着した状態で、鼻や口、眼をこすると感染してしまうので、こまめな手洗いが基本となります。 終わりに 適度な運動は免疫力を高め、健康な体づくりに役立ちますが、個人の体質によってその効果は異なります。 風邪をひきやすい人は、無理のない範囲で運動を行い、免疫力を高め健康な毎日を送りましょう。 また、年末年始は外出も多くなり、寝不足や運動不足、食生活も乱れがちになり、免疫力が低下します。 感染防止に努め、生活リズムを崩さずに過ごし、思い出に残るひと時をお過ごしくださいね。 ♡モノローグ♡ 今年最後のコラムとなります。拙いコラムをお読みいただき、誠にありがとうございました。 この1年、様々なテーマでお届けさせて頂きましたが、皆様にとって役立つ情報や日々の生活を少し楽しく過ごすことができるヒントとなったでしょうか。 来年も、皆様の生活と心を少しでも豊かにできるような情報を発信してまいります。このコラムを通じて、皆様とつながっていけたら嬉しいです。 新しい年が、皆様にとって健康で幸せな1年になりますよう心よりお祈り申し上げます。 柔道整復師・鍼灸師 本校柔道整復学科 専任教員 川﨑有子]