【山中先生コラム・第3弾】~夏ののぼせ(ほてり)~
2022/08/26
こんにちは!
日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です。
山中先生によるコラム・第3弾!
夏ののぼせ(ほてり)
皆さんは、熱い時期をどう過ごしていますか?
まだまだ30度を超えるような暑い日が続きますね。
身体(首など)を冷やすために、皆様はどのような対策をとっているでしょうか。
「様々な冷却グッズを使う・涼しい場所で過ごす」など皆様独自の対処法があるかと思います。
どれも素晴らしい方法ですが、そこにもう一つ加えていただきたい施術POINTがあります。
覚えやすい名前かつ、覚えやすい場所ですので是非皆様に使ってほしいと思います。
のぼせとは首から上、特に顔や頭に発熱とは異なる熱感を生じるもの状態を指します。
また、発症要因として自律神経の働きがうまくいかないこと等で起こります。
この自律神経の乱れを調整することで、今回表題にしているのぼせに対応することができるようになります。
施術では、自律神経の調子を整えることも大変重要になります。
身体の末端には、自律神経の働きを整える素晴らしいツボがあります。
毎日使用して行くことで、自律神経の乱れが落ち着き精神的・肉体的な安心安定がはかられます。
自ら行うセルフケアで、是非皆さんののぼせやほてりの症状の緩和に使っていただければと思います。
ここから、いくつかご紹介します。
自律神経の乱れには、身体の末端部を刺激していくのがオススメ。
1つ目は、『百会(ひゃくえ)』
頭の頂点にあり、探しやすく触れやすいところにあります。
2つ目は、『合谷(ごうこく)』
手の甲にあり、母指と示指の間にあります(第2指側)
3つ目は、『太衝(たいしょう)』
足背にあり、第1・第2趾の間にあります。
のぼせの原因(熱所見)に対しては2つご紹介します。
1つ目は、『内庭(ないてい)』
第2・第3趾の間で水かきのようになっている場所にあります。
2つ目は『曲池(きょくち)』
肘を曲げた時にできる、しわの外側にあります。
自律神経を整え、身体から余分な熱を取り除くことでのぼせに対して対処していくことが可能になります。是非試してみてください。
担当教員:山中 直樹先生(本校柔道整復学科 専任教員)
鍼灸師・柔道整復師
あん摩マッサージ指圧師
整膚師師範
山中先生は本校TikTokでも活躍中✨
週末のイベントでは先生ともお話しができます!
>>オープンキャンパス情報はこちら
先生のコラムや授業の様子がわかる!
>>ほかの柔道整復学科ブログはこちら
まずは日本医専を知ろう!
>>資料請求はこちら
新着記事
-
2024/11/11授業見学
- 【授業レポート】柔道整復学科:包帯固定学
-
こんにちは!! 日本医学柔整鍼灸専門学校です。 柔道整復学科 夜間部 1年生 包帯固定学の授業を取材しましたので、その様子をお届けします😆 担当は包帯固定のスペシャリストの遠畑先生です💪 今回巻いていく範囲は、「上腕・肘・手首」まで! まずは巻き方を、座学でしっかり学びます✨ 最初は先生のお手本無し!前回までの授業の復習もかねて、イメージで巻いていきます!ペアを組んだらレッツスタート! 初めてなので難しいと感じる学生さんも多かったですが、遠畑先生が1人1人チェックしアドバイスしていくなかで、どんどん上達していきます! 日本医専の実技授業は教員2名体制で行います。 遠畑先生の授業は、柴山先生がサポートします✨ 練習の途中から遠畑先生によるデモンストレーション! 真剣なまなざしでメモを取る姿にモチベーションの高さを感じます😎 先生のお手本を見た後は再度ペアを組んで練習再開です。 最初のころに比べると綺麗さもスピードも格段に上がっていきました! お仕事終わりというお疲れのなかでも、皆さんとても熱心に受講されており、教室内が高い熱気に包まれています✨ モチベーションの高い状態で学ぶ環境こそが高い学力に繋がっていると、皆さんの授業を取材して強く感じました💪 柔道整復学科の夜間部の特徴として、都内で最も遅い18:20授業スタートということで、お仕事と両立しやすい環境です!夜間部の特徴については是非こちらからご確認くださいませ😂 <柔道整復学科 夜間部 特徴紹介> 学生さんたちの「勉強したい!素晴らしい治療家になりたい!」という気持ちに応えるためにも、学校として引き続きサポートしていきます! 本校では仕事終わりでも参加しやすいイベントもご用意しておりますので、ぜひご参加ください✨ <仕事帰りに参加できる平日イベントはこちら!> 皆様のご参加をお待ちしております! ご不明点がございましたら、事務局・入試広報までお問い合わせください!! 電話03-3208-7741/メール info@nihonisen.ac.jp]
-
2024/11/07コラム
- 【片橋先生コラム】杖(つえ)
-
日本医学柔整鍼灸専門学校です。 今回は柔道整復学科専任教員 片橋先生によるコラムの第60弾をお届けします! 杖(つえ) みなさんは杖(つえ)にご縁はありますか? 高齢の方が使う物でしょ?なんて声が聞こえてきそうです 確かにそうですよね からだを支えるものですから、足腰が弱くなったり筋力が弱くなったりしたときに使います 年齢が高くなるとこのようなことが起きますよね からだが不自由になって移動がむずかしくなったときに使うのですね 若くてもこのような不自由さが起きることがあります けがをしたときです けがをしたときによく使うのは、松葉杖(まつばつえ) 大きなものですから、骨折など大きなけがのときに使うんだよね? と思われるかもしれませんね あしをけがして体重をかけられない、かけない方がよい場合は左右に松葉杖を持つことで、あしを浮かせたまま移動することが可能です あしではなく、骨盤の骨を骨折して使う方もいます スポーツをやっていて鍛えられた筋肉や腱が着いている骨を引っ張って小さな骨折が起こることがあるのです 足首の捻挫でもひどい場合やけがした直後は松葉杖を使って痛めた足の負担をできるだけ減らすと治りがよいですよ 松葉杖を2本ではなく1本だけ使うこともあります その場合、どちらの手で松葉杖を持つでしょう? けがしている側か、していない側か? 正解は、こちら! 痛めたあしに負担をかけないように反対側に持った松葉杖に体重をかけて歩くのです 痛めたあしと反対側の手に持った松葉杖を同時に出してその後にけがしたあしを動かすのです 松葉杖の高さやからだにあてる部位も大切です ・上の高さは、わきから4~5㎝下 ・下の高さは、肘が少し曲がるくらい わきには神経が通っていて松葉杖をあてると圧迫してしまう可能性があります ですから、わきより少し下の胴体にあてます 擦れやすいのでタオルなどを巻くとよいですよ (監修/片橋るみ先生:柔道整復師 介護支援専門員)]
-
2024/10/25コラム
- 【川﨑先生コラム】サッカー選手に多い鼠径部痛(そけいぶつう)症候群
-
こんにちは!! 日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です。 川﨑先生コラムの第59弾をお届けいたします! サッカー選手に多い鼠径部痛(そけいぶつう)症候群 スポーツ選手で多く見られるのは、骨盤・股関節の障害です。 骨盤・股関節は上肢・体幹からの荷重を下肢に伝達するため、高い安定性が求められる関節です。 骨盤は姿勢を安定させる状態を維持するための機能として重要で、体幹の動きや股関節の運動と連動して動いています。 股関節は大腿骨頭と寛骨臼から構成された人体最大の荷重関節で、自由度のある運動方向をもち、大きな運動性のある関節です。 ヒトが二足歩行をする際に最も重要な関節の一つです。 股関節疾患は小児から高齢者まで他種の病態があり、骨・関節形態・関節補助装置(関節唇)・筋・筋膜・靭帯など多くの組織が病態に関係しており、痛みは関節内・外の病変に原因があります。 スポーツ選手によっては、長期にわたり痛みを我慢して練習しているケースが多く、原因が明らかにできず原因不明の股関節痛として扱われ、適切な治療を受けていないことも多々あります。 まずは病態を解剖学や生理学、運動学などから捉えて原因を明らかにしていくことが大切です。 本校のサッカー部の選手も、腰痛や股関節痛、大腿部痛などの痛みを訴えている選手が多くいるため、練習後に身体の機能と構造や診断と評価の方法、また、コンディショニングケアやセルフケアの方法を実践的に学びながら、病態を選手自身が理解することで障害の再発や予防につなげ、より良いパフォーマンスができるように、教員と在校生で構成されている日本医専トレーナーズチーム(NITT)がサポートしています。 鼠径部痛症候群(groin pain syndrome)とは 鼠径部症候群は疾患名ではなく、鼠径部周囲に持続した痛みを訴える疾患の総称です。 明確な定義はなく、複数の病態が混在することもあり主な原因を特定することが難しいものです。 筋骨格系、循環器系、消化器系、神経系など様々な原因で起こるとされており、スポーツ選手では、骨・筋腱・腹壁・神経絞扼が原因で生じることが多いとされています。 鼠径部痛症候群と関連スポーツ 鼠径部痛が多発するスポーツは、サッカー、ラグビーが最も多く、その他にホッケー、野球、バスケットボール、長距離マラソンです。 キックやスイング、カッティング、スプリントなどの動作をする競技や股関節を繰り返し屈伸するスポーツに発生します。 急性鼠径部痛や慢性鼠径部痛の発生は、他の競技と比較してもサッカー選手に多くみられます。 男女差では男性に多く、片側性に発症してから両側性に症状が出現し、股関節に痛みを感じてから医療機関を受診する選手は0~3か月以内が多く、4~6ヶ月以上経ってから受診するケースもあります。 痛みや違和感を覚えながらも、1年や2年以上も競技を続けている選手も少なくありません。 慢性化すると症状の回復に時間がかかることもあり早期に治療を受け、症状改善に必要なケアを受けることが大切です。 鼠径部痛症候群の病態 鼠径部痛症候群は多彩な病態があります。 ①鼠経ヘルニア(スポーツヘルニア) ②内転筋損傷(長内転筋の筋腱移行部損傷) ③恥骨結合炎(腹直筋と長内転筋の収縮) ④恥骨部不安定症(恥骨間円板の変性、亀裂) ⑤腸腰筋損傷(腸腰筋腱炎、腸腰筋滑液包炎) ⑥腸骨鼠経神経、陰部大腿神経、閉鎖神経絞扼 ⑦腹壁障害(外腹斜筋損傷) ⑧疲労骨折(大腿骨頸部、恥骨下枝)、裂離骨折(上前腸骨棘、下前腸骨棘、坐骨結節) 内転筋損傷や恥骨結合炎は鼠径部に生じる筋損傷で最も多く、サッカーのキック動作時のスイングの段階で最も伸長されるため損傷リスクが高いと考えられています。 長内転筋も股関節を伸展および屈曲させる動作開始時にコントロールを補助しているため、強いキック時の股関節最大伸展の増加は内転筋損傷リスクを増大させる要因とされています。 鼠径部痛の主な症状 ①鼠径部の圧痛 ②内転筋から鼠径部に広がる疼痛 ③運動時痛(スプリント、キック、体幹回旋運動時、屈曲抵抗時、伸展時) ④咳払い(腹腔内圧が高まる動作) ⑤大腿内側から膝周辺にかけての疼痛 ⑥股関節前面から大腿前面への放散痛 ⑦神経症状(大腿内側の放散痛) ⑦運動機能低下(ジャンプ力の低下) ⑧ストレッチで誘発される疼痛 安静時は無症状または軽い疼痛を認める場合、運動時に腹腔内圧が高まる動作や身体活動の増加により疼痛が出現することがあります。 また、運動直後に症状が悪化する場合もあります。 終わりに サッカー選手は90分で約10㎞走るくらい体力が必要で、ボールを止めて蹴る能力、相手に競り負けない強靭なフィジカル、攻守の切り替えなど様々な能力が必要になります。 サッカーは攻守の切り替えにより加速力と減速力も必要になりますが、守備では自分のポジションに素早く戻り陣形を整える必要があり、攻撃ではゴールに近づくためにボールを奪ってから一気に加速して前への推進力を上げて走るスプリントが必要となります。 そして、股関節を最大伸展から最大屈曲してポールをキックする負荷がかかるため、股関節病変が発生しやすい競技なのです。 できるだけ負荷をかけないためには、スプリントをどの場面で必要か走るタイミングが重要となります。 鼠径部痛は慢性化すると病態が複雑になり治療しにくくなり、治癒しても再発しやすい疾患です。 治療の多くは保存療法で、安静、活動制限を行い物理療法(電気療法、超音波、レーザー)・徒手療法(マッサージやストレッチ)・運動療法(体幹筋と股関節周囲筋の強化)・フォームの改善、鍼灸治療などを組み合わせて改善を図っていきます。 軽度のものほど競技復帰が早く見込まれ、骨盤コルセットの着用は疼痛を軽減する効果があります。 ステロイド系抗炎症剤と局所鎮痛剤の投与については、痛みの改善は早くみられますが、再発することが多いとされています。 手術療法と保存療法を比較した場合、手術療法の方が良好であるとの研究もあり、保存療法で長引く状況があれば、手術療法も視野に入れた計画性のある治療方針を立てる必要性があります。 症状の病態を把握し、問題点を理解しながら選手の要望も聞き判断していくことが大切です。 柔道整復師・鍼灸師 本校柔道整復学科 専任教員 川﨑有子]
-
2024/10/13コラム
- 【片橋先生コラム】三角巾
-
日本医学柔整鍼灸専門学校です。 今回は柔道整復学科専任教員 片橋先生によるコラムの第59弾をお届けします! 日本医専 野球部 さて、今日のお話は三角巾 コラムさんかくきんの続きです 前回は三角巾を三角のまま使用しました 別の使い方はご存知ですか? 救急法でやったことがある方もいらっしゃるかもしれません まず、三角巾を細長くたたみます そして、止血のときに手や足に巻きます 止血のときは、出血しているところより上の身体の中心に近いところに巻きます 手首から出血していたら、それより上の肘に近い方を巻くのです 傷口の手当として包帯代わりにも使えます 頭には帽子のようにも巻けますよ 添木を当てて縛るのにも使えます 患者さんで腕を骨折をした方がいました 三角巾で腕を吊って帰宅されたところ、次に来院されたときは綺麗なスカーフで腕を吊っていました 「白い布じゃあ、嫌だから・・・」っておっしゃいました。 そのおしゃれ心と柔軟な考え方に感心しました 大きな布をアイディア次第で自由に使えばよいですよね! 災害のときにも役立ちます (監修/片橋るみ先生:柔道整復師 介護支援専門員)]
-
2024/09/27コラム
- 【川﨑先生コラム】ケガからのスポーツ復帰のリハビリテーション
-
こんにちは!! 日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です。 川﨑先生コラムの第58弾をお届けいたします! ケガからのスポーツ復帰のリハビリテーション ようやく秋らしくなってきましたね。 夏バテがあるように、日によって日中と夜間の寒暖差や日によって気温差のある9月・10月は、体への負担がかかり自律神経が乱れやすいため「秋バテ」になってしまいます。 とくに今年は猛暑で夏の疲れも残り体調を崩しやすい方も多いと思います。 食欲の秋・スポーツの秋です。過ごしやすい今の季節だからこそ、軽い運動やストレッチなど体を動かして血流を良くし、体を温める食事を取り入れ冷やさないように心がけ、冬に向けて免疫力をUPさせて体調を整えてくださいね。 さて、私が膝の内側側副靭帯を断裂損傷して約2か月になります。 そろそろリハビリを始めて、スポーツ復帰をしていきたいと思いリハビリを開始しています。 柔道整復師なので自分ではどうしていくのが良いのかメニューを考えていますが、一人ではできないこともあったりして治療院の先生にもお手伝いして頂きながら回復に努めています。 同じ柔道整復師の先生ですがやはりきめ細かい対応とご指導を頂いて「心強いなぁ~」と感じました。 今回は、柔道整復師が行うケガからのスポーツ復帰のリハビリテーションについてお伝えしたいと思います。 リハビリテーションとは WHO(世界保健機構)の定義によれば、「能力低下やその状態を改善し、障害者の社会的統合を達成するためのあらゆる手段を含む」とされています。 少し難しいですが、簡単に言うとその人が「自分らしい生活」を送ることで、可能な限りの機能回復を行い患者様の活動が向上し生活がしやすくなること。 そして、日常生活活動や社会活動が向上し、活動を通じて周囲の人とのコミュニケーションが増え幸福度が向上することを目指しています。 ここに関わる医療スタッフは、医師、看護師、理学療法士、言語聴覚療法士、作業療法士、そして柔道整復師も含まれており、それぞれの専門分野における知識と技術、そのスキルを認識しお互いに患者様の治療に最適な環境を作り上げる必要があります。 医療現場における柔道整復師の役割は、スポーツ現場や日々の臨床現場でも多岐にわたり重要性が高く、ひとり一人の患者様に合った治療を他種職の人達と連携しながら貢献しています。 柔道整復師と外傷予防 柔道整復師は外傷に対する役割が大きく、スポーツ現場で発生した骨折・脱臼などの骨関節損傷の応急処置(固定や整復)は医師と柔道整復師のみに許されています。 固定技術や適切な初期治療は、医師以外の他の他種職よりも柔道整復師は知識が深く、トレーナーやセラピストとして急性外傷以外でも、骨端症や靭帯炎、筋炎、腱炎、腱鞘炎、関節炎、絞扼性神経障害などのスポーツ障害(overuse障害)に対する治療も役割として担っています。 そして、回復後の適切な機能訓練やリハビリトレーニング(物理療法や運動療法)などにより早期回復と再発を予防し、ケガや痛みからの復帰をサポートしています。 柔道整復師が行うリハビリテーション 柔道整復師は、主に接骨院(整骨院)、スポーツ現場、整形外科などでお仕事をしている方が多くいます。 その他、フィットネスジムや美容関係、介護施設など様々な分野で知識や技術を活かし活躍しています。 ある高校生がケガをした時に接骨院に通ったという話を聞きました。 その時に治療をしてくれた先生が「何の資格を持っているか?」と聞いたところ、知らないということがありました。 職業の認知はまだまだなのかな~と感じています。 ケガをした時に接骨院(整骨院)へ行くとどのように治療やリハビリテーションをしてくれるのでしょうか。 さて、接骨院(整骨院)では、外傷(ケガ)の場合、他の医療機関と同じく各種健康保険を利用した施術が受けられます。 その他、交通事故や労働災害によるものや市区町村に認められた生活保護も適応できます。 また、急性外傷以外の痛みなどは保険適応外ですが施術を受けることができます。 急性期のケガからコンディショニングケアまで対応できるのは柔道整復師の資格の強みです。 ケガや体の痛みに対して患者様と相談しながら症状に合わせた物理療法(電気療法・温熱療法・寒冷療法)や手技療法(マッサージ・ストレッチ・筋膜リリース・骨格矯正)などを行い患者様にとってベストな治療方法を計画して回復まで施術を行っていきます。 患者様の要望に応えひとり一人に合ったオーダーメイドの施術をしていくのが柔道整復師の魅力でもあります。 1.急性期(受傷直後) 痛みや炎症を抑えるために寒冷療法を行い、組織の修復促進と痛みを軽減させる物理療法を行います。 ケガに対して症状に応じた固定やテーピングなども取り入れ疼痛緩和と患部の安静を図る治療をします。 2.急性期が過ぎた頃(炎症が収まった頃) 炎症が収まってきた頃は損傷組織の修復を促進させる物理療法を行い、固定範囲や方法を変更し患部を安静にさせながら可能な範囲で運動療法やトレーニング、手技療法を取り入れ機能回復を図ります。 固定や安静により患部外の機能も低下するため、二次的に発生した痛みや筋の過緊張がある場合は、リラクゼーションを目的とした運動や全身バランスを整えるケアもしていきます。 これを行うことで回復期のリハビリテーションを無理なく行っていくことができます。 注意したいのは、筋組織の修復期は7日~10日、靭帯や腱組織は6週頃に組織の細胞成分(コラーゲン)の配列が整います。 損傷の程度により回復に要する期間に差がありますが、筋の完全修復は約3~4週間、靭帯や腱組織の完全修復は約3~6ヶ月です。 安静時期に無理に運動を行ってしまうと、修復された組織はまだ強度の弱い線維のため再損傷や治癒時期が延びたりしてしまいます。 スポーツ選手で早期の復帰を目指す人ほど、しっかりとリハビリを行う時期を決めて安静期間が大切だということを理解してほしいと思います。 3.疼痛が緩和した頃 炎症も痛みも治まってきた頃から、組織の完全修復を促進させる物理療法と低下した筋力を回復させる運動療法を行っていきます。 運動療法は、自分の筋力のみで行う自動運動(抵抗も負荷もない運動)で、関節を動かさない等尺性収縮(アイソメトリック収縮)を中心に行っていきます。 その他、継続的に手技療法と全身バランス運動を行います。 4.回復期(組織修復が完了する時期) 自動運動がスムーズにできるようになり運動による痛みがない時期になります。 この時期から少しずつ徒手抵抗や重錘、ゴムチューブを用いていこうをかける自動抵抗運動で、筋に負荷をかけて収縮と張力をかけながら等張性収縮(アイソトニック収縮)運動を行います。 そして、単関節運動(開放性運動連鎖)を中心に行うことで日常生活やスポーツ動作の一部の運動に似た動きを再教育していきます。 引き続き物理療法や手技療法を継続し、柔軟性を高めるストレッチをしていきます。 5.リハビリ期 スポーツ復帰に向けて必要な運動療法や筋力増強運動、関節可動域訓練、ストレッチを積極的に行っていく時期になります。 多関節運動(閉鎖性運動連鎖)を中心に行うことで複雑な動きを再教育していきます。 柔軟性や筋力の不均衡などもこの時期にしっかりと改善し、スポーツ選手では競技レベルの運動が正確にできるように全身の機能を回復させ、ケガをする前と同じ動きができることを目標として取り組んでいきます。 おわりに ケガからのスポーツ復帰は、スポーツ選手もスポーツを楽しむ方も基本的なリハビリテーションの考え方は変わりません。 そして、スポーツや日常生活への復帰後は、再発防止のためのコンディショニングケアを継続していくことも必要です。 ケガの回復の目安は、荷重時に痛みがない、筋力は健側とほぼ変わらない、上半身と下半身のバランスが安定し左右差がない、関節の可動域に左右差がなくバランスよく動かすことができているか、身体の柔軟性があり均等に動かすことができているかなどを確認し、問題がなければ本格的な競技復帰をしてもいいと判断できると思います。 痛みだけの評価は、回復の目安とならないので機能を確認していくことが大事です。 焦りは禁物です。復帰のタイミングは慎重に判断しましょうね。 患者様の目的に合わせた復帰計画を立て、メンタルケアを含めたトータルケアサポートするのが柔道整復師の大切な役割です。 これからも皆様のケアに心を尽くしていきたいと思います。 柔道整復師・鍼灸師 本校柔道整復学科 専任教員 川﨑有子]