【片橋先生コラム・第27弾】~初心~
2022/10/07
日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です。
お待たせしました!
片橋先生によるコラム・第27弾!
初心
こんにちは。
柔道整復学科専任教員の片橋です。
あっという間に10月。
残暑?のような気候ですね。
お元気でしょうか。
日本医専では、1年生からカリキュラムが変わっています。
4期制だったのが前期後期の2期制になりました。
9月に前期の期末試験が終わりました。
初めての期末試験、緊張したかもしれませんが、がんばって合格点を目指していましたよ。
期末試験後の週は特別講義がありました。
私、その授業の一部に参加しました。
おじゃましたのは日本医専の卒業生であり、スキーのオリンピック帯同トレーナーもされている藤原先生。
スキーの日本代表の活躍はご存じですよね。
銀メダルを獲得していました!
しかし、藤原先生の、目標はその上。
そう、金メダル獲得です。
銀メダルで満足してはいないのです。
藤原先生の授業では、前期の学習範囲を基礎にして、体の見方をしていました。
学習したことと、医療やスポーツの現場での実際を結びつける、これがなかなかできていない。
これらを結びつけるために必要なこと それは・・・「考える」こと
————自分の頭で考え続けなさい。
という強い、メッセージのもと、学生たちはお互いの体の状態を確認しました。
入学して半年経って、骨の名前や場所、筋肉の名前と場所を知って、正常な状態がわかる。
そこから何がおかしいのか問題なのかを探る。
貴重な気づきのヒントになりました。
そして、授業の最後に将来どのようになりたいのかを一人ずつ発表!!
初心を思い出しながら、加えて半年間の授業を受けて考えがどのように変わったのか・・・
・接骨院に努めながら、トレーナー活動をしたい
・開業をしたい
・頼りにされる施術者になりたい
・海外のバスケットボールチームトレーナーになりたい
・介護の分野で活躍したい
・ダンサーのケアをしたい
一人一人が自分の言葉で、しっかりと今後の自分について語ってくれました。全員ですよ。
普段はちょっとふざけちゃったり、ちゃかしちゃったりする人も、おとなしくてあまり自分を発信するタイプでない人も、それぞれの思いをクラスに伝えていました。素晴らしいことです。
藤原先生からは、今の思いを胸に目標に向かっていくことと、夢を徐々に具体的にしていくようにとアドバイスがありました。
22年度後半、気持ちを新たに進んでくれそうです。
(監修/片橋るみ先生:柔道整復師 介護支援専門員)
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2025/07/17コラム
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こんにちは、日本医専です! 今回は、柔道整復学科の専任教員 片橋先生コラムの第67弾をお届けします! 柔道整復学科専任教員の片橋です 暑いですね~ 「それしか言葉が出ない・・・」という患者さんがいらっしゃいました わかる~、ですよね みなさんは暑さ対策、どのようにされていますか? この時期本当に心配なのが熱中症!!! 「その辺でフラフラしている人を見かけたよ」なんて声も聞きました・・・ 他人事ではありません だれがなってもおかしくないですよね まず思いつくのは、水分補給!!こまめに、がいいですね 塩分などミネラルも摂るといいですよね 次に、適切なエアコンの使用 TVでもよく言っていますね エアコンの設定温度は、一般的に26〜28℃が推奨されます 極端に低い温度設定は体に負担をかけ、体温調節機能を鈍らせる恐れがあります 外気との気温差が大きいと体の負担になり、だるくなってしまうのです 適切な服装 通気性の良い、明るい色の衣服を選び、直射日光を避けましょう できれば下着を取り換えたり、着替えをしたりするとよいですね 涼しい場所での休憩 日陰やエアコンの効いた場所で休むことも大切です 日陰に入るだけで体感温度は全く違いますよね 汗を拭いて水分補給をしましょう それから、睡眠と食事など基本的な生活リズム どんな体調不良とも切り離せないこの2つ 特に睡眠! 体を休めて活力をいっぱいチャージしていなければ、この熱気とギラギラの日差しに耐えられません 暑いからといって、冷たいアイスやかき氷ばかりでは栄養がとれません 野菜、果物のミネラル、良質なたんぱく質は体に欠かせませんね あとは、いかがでしょうか? 私が気になっているのはマスクの着用です 感染症予防のためにきちんとされている方、特にご高齢の方が心配です エレベーターに乗り合わせて「暑いですね~」とごあいさつしました その方がマスクをされていたので 「マスク、熱中症になりやすいので気をつけてくださいね」 とお伝えしたところ 「呼吸がしづらく苦しくて」 とおっしゃっていました マスクをしていると体内に熱がこもりやすくなるため、熱中症のリスクが高まるのです ご高齢の方は体力も低下していますのでリスクになります 必要に応じてマスクを外すことを検討しましょう それと、エアコンの使いすぎによる暑熱順化不足 の重要性 暑熱順化とは、徐々に暑さに体を慣らすことで、熱に対する耐性を高める方法です 室内と外気の温度差が大きすぎることは、暑熱順化の妨げにもなります 最初は短時間の外出から始め、徐々に活動時間を延ばすことで、体の適応を促します これにより、汗腺の働きや体温調節機能が向上し、熱中症の予防につながります また、適度な運動も対策になります 朝や夕方の涼しい時間帯に外で軽い運動や活動を行って体力をつけるのです いかがでしたか もうすでに実行されていますか 長い夏、 楽しい思い出をたくさんつくって 元気に乗り切りましょう‼ (監修/片橋るみ先生:柔道整復師 介護支援専門員) 過去のコラムはこちら]
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2025/07/10コラム
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2025/05/16コラム
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こんにちは!! 日本医専の広報担当です。 柔道整復学科 川﨑先生コラムの第64弾をお届けいたします! 皆様、こんにちは。ゴールデンウィークが過ぎ、過ごしやすい季節となりましたね。お出かけの機会も増えるのではないでしょうか。この時期は一年の中でも紫外線が急激に強まる頃です。そろそろ本格的なケアを始める必要がありますね。 日々のスキンケアにおいては、紫外線対策はもちろんのこと、抗酸化作用に優れたビタミンCやEを積極的に摂取することが、シミやそばかすを防ぐための基本となります。 お肌のコンディションは、紫外線による外的ダメージだけでなく、自律神経の乱れや消化不良といった体の内側の不調によっても左右されます。これらの内的要因は、肌の保護機能を低下させ、乾燥、肌荒れ、くすみなどのトラブルを引き起こす可能性があります。 特にこの時期は、朝晩の寒暖差によって自律神経が乱れやすく、気分が不安定になったり、体がだるく感じたり、また、新しい環境でのストレスや、連休中の食生活の乱れから消化不良を起こしやすい方もいると思います。内と外の両方からケアをして、健やかな肌を守っていきましょう。 ●春はエネルギー(気)の流れをスムーズに 春は、新しい生活環境が始まるなど変化が多く、それに伴い周囲との人間関係などで疲れやストレスを感じやすい時期です。そのため、精神面に関わる様々な症状が現れやすく、いわゆる「五月病」も春特有の体調不良と言われています。 東洋医学の五行説では、「肝」は春の季節、そして木という性質と深く結びついています。 春の陽気が下から上へと勢いよく昇っていくように、木もまた、のびのびと枝葉を伸ばして成長します。 「肝」は、この全身の気の流れが滞らないようにコントロールする重要な役割を担っていて、陽の気を全身に発し、体の気の巡りを活発にすることで、体のあらゆる部分がスムーズに機能します。 5月を健やかに過ごすためには、この「肝」の気がのびのびと全身を巡ることが何よりも大切です。 また、「肝」の気は、まるで自律神経の機能に似ていて、私たちの心身のバランスを調整する働きを担っています。 東洋医学において「肝」は、ストレスを受け止める重要な臓器と考えられており、何らかのストレスによって気の巡りが滞ると、「気滞」や「肝鬱」といった状態が現れます。 これは西洋医学的に解釈すると、自律神経失調の様々な症状にあてはまると考えられます。 ●「肝」の気の働きと影響 気の巡りが何らかの原因で滞ってしまうと、精神的な不安定さを示す「気鬱(きうつ)」の状態が現れやすくなります。さらに、この状態が進行すると、「肝火上炎(けっかじょうえん)」や「肝陽上亢(かんようじょうこう)」といった、いわば「肝」のエネルギーが過剰に上昇する状態となり、イライラして怒りっぽくなったり、顔がほてったり、頭痛、耳鳴り、めまい、お腹の張りを感じたり、良く溜息をつくといった様々な症状が現れやすくなります。 また、「肝」は血液を貯蔵し、全身の血液が不足しないように血流を調整する重要な役割も担っています。 もし「肝」の気の巡りが悪くなると、全身で血液が不足する状態、すなわち「血虚(けっきょ)」という体質に陥ってしまうことがあります。 ●気滞対策と血虚対策の薬膳 薬膳の世界では、個々の食材が持つ効能を、五臓六腑との関連、五味(酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味)、そして体を冷やす・温める性質である五性(寒性・涼性・平性・温性・熱性)によって細かく分類され、これらの性質をもとに、個々の体質や季節に合わせて食材を選びます。 さらに、それぞれの食材が「肝・心・脾・肺・腎」のどの臓腑・経絡・部位に働きかけて作用を示すのかという「帰経(きけい)」という考え方があります。 春の薬膳においては、全身の気をスムーズに巡らせ、また、血液の貯蔵量が十分に保たれることで「肝」の機能が円滑に働くよう助ける食材が良いと考えられています。 五行で「肝」と深く関連する食材は、その色でいうと「青色(緑色)」の食材、そして味覚でいうと「酸味」を持つ食材です。 酸味には、引き締めたり、固めたりする効果があるため、春に活発になりやすい陽気の過度な上昇を穏やかに抑える働きが期待できます。 日々の食事で栄養バランスを整えることは、健康維持のためにとても大切です。主菜、副菜、汁物を組み合わせることで、様々な栄養素を効率よく摂取できます。 主菜で不足しがちな栄養素を意識して、副菜やスープで補うことで、一日の食事全体の栄養バランスを向上させることができます。難しく考える必要はなく、「主菜に足りないものをプラスする」という意識を持つことが必要です。 ①気滞対策の薬膳食材 ・【香りの良い食材:柑橘類】(みかん、グレープフルーツ、キンカン、シークワーサー、陳皮(みかんの皮)、ゆず)は、気の停滞を取り除き、気の巡りを良くしてくれます。 みかんは、ビタミンCが豊富で疲労改善効果や、胃の機能を整えてお腹の張りや痰を解消してくれます。 ゆずは、解酒効果がありはちみつ漬けにしておくと二日酔いの時に使えます。 ・【香味野菜】も気の停滞を取り除き、気の巡りを良くしてくれます。イライラを鎮め気持ちを落ち着かせる働きを助けてくれます。 紫蘇は気の停滞を解消し、ストレスを和らげる効果があります。 セロリは、カラダの熱を冷まし、気の上昇(頭痛、血圧上昇)や利尿、解毒などの効能があります。 パクチーは消化を助け、食欲不振を改善する働きがあります。 ・【その他の食材】唐辛子、胡椒、山椒などは停滞した気を動かす助けになりますが、摂りすぎは気を消耗させるため注意が必要です。 大根、玉ねぎは、お腹の張りを和らげ、気の流れを整える効果が期待できます。 白菜も熱を冷まし、イライラを鎮め、胃腸の機能を整え、腸を潤し便通を良くする効能があります。冷え性の人は生姜、お酢など温める効能のあるものを付け加えると良いですね。 ②血虚対策の薬膳食材 ・造血作用のある食材: レバー、ほうれん草、人参、黒きくらげ、ひじき、ナツメ、クコの実などは、血を補うのに役立ちます。 ・血流を促す食材: いわし、あじなどの青魚、イカ、タコ、ニラなどは、血行を促進する効果が期待できます。 ・滋養強壮作用のある食材: 鶏肉、卵、山芋なども、血を補い、全身を滋養するのに役立ちます。 ●スキンケア対策と薬膳 スキンケア対策と薬膳を組み合わせる考え方は、体の内側から肌の健康をサポートするという点で非常に理にかなっています。 東洋医学では、肌の状態は内臓の機能や気血の状態を映し出す鏡と考えられており、薬膳はこれらのバランスを整えることで、肌本来の美しさを引き出すことを目指します。 ・紫外線は、中医学でいう「熱邪」や「毒邪」といった、肌を傷つける要因と考えられます。そのため、物理的に紫外線対策をすることは重要となります。 ・ビタミンC・Eは、強い抗酸化作用を持ち、体内で発生する活性酸素を除去する働きがあります。活性酸素は、体内では免疫機能や細胞伝達物質としての役割も担いますが、過剰に発生すると細胞を傷つけ、老化や病気の原因となる可能性があります。 中医学的に見ると、活性酸素は「瘀血(おけつ)」、つまり血の巡りの滞りや、肌の老化を促進する要因の一つと考えられています。ビタミンCやEを摂ることは、この「瘀血」の生成を抑え、肌の健康を保つことに繋がります。また、ビタミンCは「気血」を生み出すのを助け、肌の潤いやハリを保つ上でも重要です。 ・ビタミンCが豊富な食材: レモンやトマトなどは、薬膳では清熱解毒(体の熱を冷まし、毒素を取り除く)作用や、生津止渇(体の潤いを補い、喉の渇きを癒す)作用があるとされます。その他、パプリカ、ブロッコリー、キウイフルーツ、いちごなどもメラニンの生成を抑え、コラーゲンの生成を助けます。 ・ビタミンEが豊富な食材: ナッツ類やかぼちゃなどは、薬膳では補血(血を補う)作用や潤燥(潤いを与える)作用があるとされます。 ●見た目が若い人 同じ年齢でも見た目に差が出るのは、様々な要因が複雑に絡み合っています。東洋医学では、見た目の年齢には「血虚」という状態が深く関わっていると考えられています。この「血虚」は、単に血液の量が少ないということだけでなく、その質や、血液が全身に栄養を運ぶ機能の低下も含むものです。 血液は、全身の細胞に栄養を届け、老廃物を回収する役割を担っています。その機能が低下すると、肌のハリやツヤ、顔色など、見た目の若々しさにも影響が出てくるのは自然なことです。いつまでも若々しくいるためには、この「血虚」の状態に目を向け、日々の生活習慣を見直すことが大切です。 薬膳は、自分の体質にあった食養生です。薬膳の体質は「証(しょう)」で捉えられ、体の状態を総合的に判断する東洋医学独自の概念です。気虚、血虚、陰虚、陽虚、気滞、瘀血、痰湿、湿熱などがあり、個人の状態や季節によって変化します。体質に合った食材を選ぶことが重要で、日常の食事から病気を予防する未病先防という考え方が強いです。 食養生と日々のストレスケアに加えて、ビタミンCやEを豊富に含む食材を積極的に食事に取り入れることは、内側からもシミやそばかすを防ぎ、透明感のある肌を養う上でとても大切です。 また、高い化粧品よりも睡眠が大事です。深夜1時から3時までの丑(うし)の刻は「肝」の働きは盛んになる時間帯です。昼間は全身を巡っていた血液はこの時間に肝に戻りきれいな血液に生まれ変わります。きれいな血液が循環すると睡眠中の疲労回復が進み、目覚めが良い朝を迎えることができます。この時刻の睡眠は、お肌につやが出て髪が増えるといわれ、高価な化粧品より睡眠をしっかり取ることの方が効果的であると考えられます。 春の“気の巡り”を意識した生活習慣と、紫外線対策を基本としたスキンケアを組み合わせることで、いきいきとした健やかな美しさを育んでいきましょう。 柔道整復師・鍼灸師 本校柔道整復学科 専任教員 川﨑有子]
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2025/03/14コラム
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