川﨑先生コラム 第31弾「柔道の精神と柔道整復師」
2022/12/16
こんにちは!
日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です。
川﨑先生コラムの第31弾をお届けいたします!
柔道の精神と柔道整復師
今年もあとわずかですね。
1年が経つのは本当に早いと思います。
皆さんも今年を振り返り、来年の抱負や新しい取組みを考えたりしているのではないでしょうか。
抱負とは、「心の中の決意や計画をしっかりと抱き負っている。」という意味で目標とは少し異なります。
目標はゴールや目指す所を意味するので、まず抱負を考えてから、そこからどうなりたい、理想とする自分に近づくためのプロセスを考え実行していきます。
達成できる抱負を立てて、モチベーションを維持しながら段階的に成長していけることが大切なことです。
私自身は抱負を考えるにあたり、柔道の精神を通じた自己成長を考えていきたいと思います。
柔道と柔道整復師の精神
柔道整復師は、古くは戦国時代から受け継がれる伝統医術で、ケガをした人の応急処置として柔術の「活法」の精神から「人を助け活かす」という理論と技術が柔道整復術として受け継がれ、地域医療の一端を担う職業として発展しています。
柔道はかつて柔術と言われていましたが、日本の体育の父と呼ばれる嘉納治五郎師範が「知育」・「徳育」・「体育」の教育理論を考え、柔道教育を社会に応用し有益な手段として活用できるのではないかと考え、「術」ではなく「道」として人格形成と社会貢献を最終目標としました。
柔道の「心身の力を最も有効に使用する道」という原理は、日々の練習で精神・心身の鍛練修養を行い、そこから得た神髄精神を社会に補益する「精力善用」(=自己成長)、「自他共栄」(=社会貢献)の理念に発展したのです。
柔道整復師の仕事に置き換えると、日々の臨床や研究から得た知識と技術を磨き、患者様や社会生活のために役立てることなのです。
だから、柔道整復師の養成施設では柔道の授業があり、柔道を通じて医療人としての心構えやその精神を学び、授業では柔道整復術の理論・技術を修得していきます。
柔道の上段・中段・下段から学ぶ
『嘉納治五郎大系』に「柔道に上中下三段の別あることを論ず」という学びにおける段階が書かれています。
皆さんも何か学ぶときに必ず段階を踏んで成長していると思います。
柔道修行における学びの段階について教えを説いたものですが、日常生活や仕事にも置き換えて考えることができます。
1、下段
下段の柔道においては、「攻撃防御の方法を練習するのが目的である」とされています。
下段は学び初めや初級です。専門学校でいうと1年生です。
柔道整復師の職業を理解し、「全体を知る」というところに目的が置かれています。
治療をするために必要な、人体の構造と機能や柔道整復術の基礎知識を修得していく段階です。
2、中段
中段の柔道においては、「他人の稽古の模様に観察し工夫すること、身心を鍛錬し、己の情を抑制し、胆力を養い、身体も精神も、己の意のごとく支配することの出来るようになることを言うのである」とされています。
中段は、専門学校の2年生です。
じっくり時間をかけて学問を理解し、技術を向上させるために「自主的」に行動することに目的が置かれています。下段まではみんな同じ段階ですが、中段からは自主的な努力が必要になります。
日々の学習でできる工夫を自ら考え、先生の技術をよく観察し使えるようになるにはどうしたら良いかを自ら考えることがこの段階では必要であるということです。
中段の段階の学問はより深く、根気よく学習に取組むには肉体の強さだけではなく精神的な強さも要求されます。修行を通して身体の鍛練と精神の修養をすることの大切さを説いています。
3、上段
上段の柔道においては、「下段・中段の柔道で得た身体精神の力を最も有効に使用して、世を補益すること」とされています。
上段は、専門学校の3年生、または卒業後の段階になります。
下段・中段で得た知識や技術、精神など修得したものを社会で活用し実践できることに目的が置かれています。学問をいかに応用し仕事に活かしていけるかを考える段階です。そして、医療に必要な相手を敬う心とお互いに助け合う心といった精神的な部分を日常生活で実践できることがポイントです。
上段・中段・下段の段階を順調に進むことは難しいです。しかし、柔道の精神は勉強や仕事、社会生活に相通ずるものがあり、人生の中でいつか役立つことがあります。今の自分がどの段階にいるのかを考え、次の段階に進むために必要なことを常に考えていくことが大切ですね。
来年、皆さんの進むべき道にどのような抱負を抱くのでしょうか。
自己成長も大切ですが、心から笑い、幸せだと感じられる1年になることを祈っています。
まとめ
今年のコラムも最後になりました。
私の来年の抱負は、「守」「破」「離」です。武道や茶道、歌舞伎などで物事を学ぶ時の姿勢として昔から受け継がれている言葉です。仕事で物事を実行するためにも大切な基本姿勢で、自分の課題である「破」「離」にあたる自分独自の応用と工夫、オリジナルのアイデアを考えて実行していけることが目標です。そして、フォロワーシップを高め、充実感と達成感のある仕事をしていきたいと思います。
さて、来年は卯年ですね。卯年の守り本尊は文殊菩薩。「三人寄れば文殊の知恵」という言葉からもわかるように、知恵や才能の仏様でもあります。文殊菩薩の守護を得ている卯年の人は、その才覚で成功すると言われているそうです。
その他、中国伝来の十二支は、もともと植物が循環する様子を表していて、十二支の4番目に、茎や葉が大きくなる様子を表す「卯」がきます。だから、卯年は、芽を出した植物が成長していき茎や葉が大きくなる時期で、目に見えて大きく成長する年だとも言われています。
私は年女です(極秘情報(*^-^*))また、本校の教職員に年男もたくさんいることがわかりました!!
成長の象徴である「卯」にあやかり、飛躍と向上の1年になることを願いたいと思います。
今年も1年間、コラムをご覧になっていただき、ありがとうございました。
来年もみなさまに仕事や健康に関する情報をお届けしてまいります。
どうかみなさま、よいお年をお迎えくださいね。
柔道整復師・鍼灸師
本校柔道整復学科 専任教員 川﨑有子
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