【王先生コラム】「中医学的な冬の過ごし方」第5弾~養生の仕方~
2021/01/15
こんにちは!
日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です
王先生コラムの第五弾をお届けいたします!
王先生コラム「中医学的な冬の過ごし方」
年が明けてから厳しい冬の寒さが続いています。
中国の伝統医学である中医学では、寒い冬だからこそ、絶好の養生の期間だと取られています。
なぜなら、冬の本格の到来が告げる冬至から次の年の立春までの間は、自然界では陽気が潜み、陰気が極まって行き、草木が萎れ、虫などの動物が活動休止にし、地下に潜り春の復活に備えて冬眠するのです。
同じく自然界に生きている人間は、他の動物のように冬眠することがありませんが、やはり冬の間に鋭気を養い、力を蓄えて活動的な春に備えるべきです。
それが自然に順応する摂理にかなうからです。
それについて中医学古典の『黄帝内経』にはこのように要約的に書いてあります。
「冬の3ヵ月にはこれを閉藏という」
「閉」は閉ざす、閉じ込めて出られないようにする、おおい隠す
「藏」はたくわえる、ためる
と広辞苑では解説しています。
つまり、「閉藏」とは内向きに蓄えることを指すことで、冬を正しく過ごすには外向きに激しい活動などを避け、内を秘めた力を養うことになります。
では、具体にどのようにして内を秘めた力を養うかについて、同じく『黄帝内経』の中で冬の睡眠の取り方、精神状態の保ち方、日常生活の仕方を3つ示してくれています。
①睡眠
原則的に早寝遅起きをすること。冬は昼が短く夜が長いため、その昼夜のリズムに合わせていつもより長く睡眠を取ります。特に朝は必ず日が昇ってくるのを待って起きます。
②精神状態
闘志の心を抑えて内向きに平静な心構えで過ごすこと。つまり、むやみに精神的消耗せず活発に活動する春を待ちます。
③日常活動
寒さを避け、保温に努め、毛穴が開き汗をかくようなことをしないこと。特にこの時期に室外で激しい運動などされると、陰気の強い時期だけに、いつも以上より消耗が激しくなるため、後々の病気の原因になりかねないと考えています。
以上の三点は『黄帝内経』の中で強調され、今も受け継がれている中医学的冬の過ごし方です。
それらを実践することにより健康維持や病気の未然防止につながる、即ちいのちを養う(養生)ことにつながります。
次回、冬の食養生についてお話いたします。
(監修/王瑞霞 先生)
王 瑞霞先生/本校鍼灸学科専任講師・婦人鍼灸ゼミ顧問
北京中医薬大学医学修士 日本大学医学博士 中医師
専門分野は内科・婦人科 漢方・薬膳などの中医学に精通
今回の王先生のコラムでは冬の過ごし方を紹介しました。
寒い日が続きますが、しっかりと養生して春に備えましょう!
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王先生はオープンキャンパスも担当しておりますので、興味のある方はぜひご参加ください。
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