【王先生コラム】第10弾「秋の食欲コントロール法」
2021/10/08
こんにちは!
日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です
王先生コラムの第10弾をお届けいたします!
秋の食欲コントロール法
本格的な秋が到来です。
秋といえば、スポーツの秋、読書の秋など色々ありますが、なんといっても食欲の秋でしょう。
食欲があって、好きなものを好きな分だけを食べるのが幸せのことですが、その延長線上に心配されるのが体重の増加、ひいていえば肥満のことです。
では、今回のコラムは、秋の味覚を美味しくいただけて、かつ食べ過ぎない方法を解説してみます。
1.秋に食欲旺盛の東西医学の視点
秋に食欲旺盛のメカニズムは、西洋医学の考え方として主に三つが挙げられます:
① 気温が下がるため
私たち人間は、一定の体温を保とうする「恒温動物」です。
気温が下がると体から熱が奪われるため、放っておくと体温がどんどん下がってしまいます。
そうならないように体内で熱を作り出すよう、体は自然に調整するのです。
その熱を作り出すエネルギー源は食事ですので、気温が下がり始める秋に食欲が増します。
② 日照時間が短くなるため
人間は日光を浴びると、「セロトニン」という物質の分泌が増えます。
セロトニンには気持ちの安定を保たせ、目を覚ましておく働きと食欲を抑える働きがあります。
秋は夏に比べて日照時間が短くなり、セロトニンの分泌も少なくなるため、食欲が抑えられずについ食べてしまうのです。
③ 夏バテを解消するため
夏は室内と室外との温度差が大きいため、自律神経の調整が追い付かずに「夏バテ」になりがちです。
夏バテに陥ると食欲不振や疲れやすさ、だるさの不調に見舞われます。
しかし、秋になって涼しくなると、体調が回復して食欲も戻ってきます。
夏バテからのリバウンド効果ともいえるでしょうか。
一方、中医学の考え方として挙げられるのが「胃熱」です。
中医学でいう「胃」は主に消化を担う働きがあります。
胃に熱をこもると、食欲旺盛で食べてもまたすぐにお腹が空き、口臭、口が渇きやすい、歯肉炎、便秘などの症状が見舞われます。
胃熱がある場合、は普段からも食欲旺盛ですが、秋にさらに食欲が増す恐れがあります。なぜならば、夏に比べて秋は湿気が少なく、乾燥しやすいため、胃熱を助長しやすく、ますます食欲が旺盛になりやすいのです。
2.秋の食欲を抑える生活習慣・ツボ・食材
A.秋の食欲を抑える生活習慣:
① 早寝早起き、朝日を浴びる
早寝早起きをし、早朝に起床したらすぐに10分間ほど朝日を浴びると、前述した食欲を抑える働きのセロトニンの分泌が促進されるばかりでなく、日中に元気よく活動し、夜にぐっすり眠れることにもつながります。
② よく噛んで食べる
食事の時によく噛んで食べると、食欲を抑える満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防いでくれます。
また、よく噛んで食べると唾液がより多く分泌されるから、前述した「胃熱」を鎮めることにもつながります。
③ リズムカルな運動
ウォ―キングやジョギング、水泳、ヨガなどのリズムカルな運動は、食べ過ぎによる過剰なカロリーを消耗してくれるだけでなく、食欲を抑えることにもつながります。
休日に家でゴロゴロするだけでいると、食べることばかりに走ることになりがちです。
B.秋の食欲を抑えるツボ
① 耳ツボ:飢点・胃:食事の15~20分前に人差し指でやや強めに押す。
② 内庭:胃熱を取るツボとして知られています。
C.秋の食欲を抑える食材
① キノコ類
キノコ類は秋の味覚の一つで、ビタミン類や食物線維が豊富で低カロリーです。
キノコ類をしっかりと噛んでから食べることにより、食べ過ぎ防止につながります。
② クマザサ
クマザサは胃熱を取る働きがあるとされ、食べてもまたお腹が空くのに働きかけます。
また独特の香りにリラックス効果もあります。
③ セロリ
シャキッとした歯応えで、ビタミン類や食物線維が豊富で、胃酸の分泌を抑える成分が含まれています。
特有の香り成分はストレス緩和作用があり、ストレスに起因した食べ過ぎに効きます。
肥満に気を付けながら、美味しく秋の味覚をいただきましょう。
王 瑞霞先生/本校鍼灸学科専任講師・婦人鍼灸ゼミ顧問
北京中医薬大学医学修士 日本大学医学博士 中医師
専門分野は内科・婦人科 漢方・薬膳などの中医学に精通
<<王先生コラム「カラダとココロを整える東洋医学」の別テーマはこちら>>
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