【王先生コラム】第11弾「気温の寒暖変化による体調不良の対応方法」
2021/11/04
こんにちは!
日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です
王先生コラムの第11弾をお届けいたします!
気温の寒暖変化による体調不良の対応方法
この頃、気温のアップダウンが激しい日々が続いており、一日の中でも気温が10度以上の差がある日もありますね。
今回のコラムは、この気温の寒暖変化による体調不良の対応方法をご紹介します。
1. 気温の寒暖変化による様々な体調不良
急激の気温の寒暖変化により、体がそれについていけず、以下のような様々の不調や不良に見舞われます。
① 呼吸器症状:鼻水、くしゃみ、鼻づまりなど。
② 全身症状:寝つきが悪い、または寝起きが悪い、冷えのぼせ、イライラ、頭痛、倦怠感、肩こり、首こりなど。
2. 寒暖変化による体調不良の原因
寒暖変化による体調不良の原因は、西洋医学は主に自律神経失調によるものだと考えています。
急激の寒暖変化により、内臓機能や血管の働きをコントロールする自律神経(交感神経と副交感神経)はうまく調整できず、アンバランスな状態に陥り、それにより様々の不調が見られます。
一方、中医学では気のパワーダウン即ち気虚(ききょ)によるものだと考えています。
体の構成物質である気は、体を動かす原動力の他、外邪から体を守る防衛作用、体が一定の温かさをキープする保温作用なども兼ね備えています。
気虚ですと、本来発揮するべきそれらの働きが働けず、気温が激しく変化する際にパワーダウンによる弱さが露呈し、諸々の体の不調が出やすくなるのです。
また、気虚が進むと、手足や全身の冷えが顕著となり、それらの不調も長引く傾向となります。
3. 寒暖変化による体調不良の対応方法
① 日常生活での対応方法
☆体感する温度差をなるべく小さくする。
室内から室外に移動される際、羽織れるものを一枚持ち、寒く感じれば着るようにして、寒暖変化に応じ薄着または厚着を調整する。
☆マスクをつける。
今やコロナ感染対策としてマスクをつけることが定着しているようですが、マスクをつけることで鼻腔に冷たい空気を吸入するのをも防ぎ、呼吸器症状の予防や緩和に有効です。
☆普段からよい生活習慣を身に着ける。
不規則な生活は自律神経バランスの乱れを引き起こすため、栄養バランスの良い食事をし、適度な運動を行い、ストレスをため込まない、早寝早起きなどのよい生活習慣は、抵抗力や順応力即ち気のパワーを高めることにつながります。
② 応用できるツボ
☆足三里(あしさんり):気虚に最も使われるツボの一つで、昔から保健、滋養強壮のツボとして知られています。
☆関元(かんげん):気虚や冷えによく使われるツボの一つで、足三里と共に昔から保健、滋養強壮のツボとして知られています。
③ 応用できる漢方薬・食材
☆漢方薬
「玉屏風散(ぎょくへいふうさん)」
気を補うものと、風邪を寄せ付けないものが構成されており、秋からから冬または冬からや春に変る時の体の不調に使う処方です。
「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」
気を補う代表的な処方です。体の中部にある消化吸収の气を充足させながら、体表をガードする気をも補うため、抵抗力や免疫力を高める処方として知られてます。
「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」
気と血の両方を補う処方です。気のパワーダウンのみならず、血も不足している(顏色が悪い、動悸など)時に使うもので、抵抗力や免疫力を高める処方として知られています。
☆食材
長いも、山いも、自然薯、カボチャ、ニンジン、キノコ類:いずれも気を補う食材として知られており、栄養豊富な旬の食べ物でもあります。
生姜、ネギ、ニンニク:体を温める食材として知られており、体を温め気血の巡りをよくする。
王 瑞霞先生/本校鍼灸学科専任講師・婦人鍼灸ゼミ顧問
北京中医薬大学医学修士 日本大学医学博士 中医師
専門分野は内科・婦人科 漢方・薬膳などの中医学に精通
<<王先生コラム「カラダとココロを整える東洋医学」の別テーマはこちら>>
王先生はオープンキャンパスも担当されています!
今回のコラムに関して、何か質問があれば是非お越しください☆
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11/14(日)13:00~15:00「やさしく入門!東洋医学~婦人・漢方鍼灸~」
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こんにちは!! 日本医学柔整鍼灸専門学校・広報担当です。 本日は鍼灸学科のレポートをお届けします✨ 美容鍼灸ゼミ(2年生) このゼミでは美容鍼灸の基礎から応用までを学び、臨床に使える技術を習得します。 筋肉、リンパへのアプローチから、ピコリナ(パルス)を使用した首やせ、リフトアップの仕方、ほうれい線や額のシワのアプローチ方法など、様々な美容鍼を学ぶことができるゼミです。 テーマは「首やせ・小顔・リフトアップの施術法」! 担当は鍼灸学科 専任教員の遠藤先生です。そして卒業生の大江さんもチューターとして入っています。 鍼灸学科の実技授業・ゼミは「教員2名のサポート」で運営しています🎵 今回のゼミで扱うピコリナ(パルス)は微弱電流をながす治療器です。 鍼に流れる電流によって筋肉に刺激を入れ、緩ませることができます。 電流の大きさを微調整でき、症状別に設定を変更可能なセイリン株式会社の製品です。 ※セイリン株式会社で勤務する日本医専の卒業生 山本さん🎵 鍼灸師として独立経験があり「鍼灸の魅力を広げたい」の想いからキャリアチェンジ。✨ 器機の使い方をレクチャーするためにゼミに来ていただいています! ペアになって施術スタートです。まずは顔まわりではなく足の甲に鍼を刺します。 鍼には血管を拡げる効果があり、顔・頭部中心に鍼を刺すと上半身は血流は良くなります。 足の甲から鍼を刺す理由は、ほてりやのぼせの防止、足先の冷えを防ぐためなのです。 首やせ(天容・完骨) 次に首まわりの天容(てんよう)・完骨(かんこつ)にそれぞれ鍼を刺します。首やせを期待できる2つのツボです。 先生から「鍼の半分まで入れないと筋層まで届かないですよ」と指導が入りながら、施術が進んでいきます🎵 ツボの場所によってピコリナ(パルス)の設定を変える必要があり、先生に確認しながら取り扱いを学びます🎵 小顔・リフトアップ(大迎・下関)と(頭維・角孫) 首やせの施術が終了後、小顔・リフトアップの施術です。 下あごのエラ周辺にある大迎(だいげい)と耳穴の近くにある下関(げかん)というツボに、鍼を刺し電流を流します。 頭皮にある頭維(ずい)・角孫(かくそん)というツボにも鍼を刺します。 ツボの名前や位置をしっかり勉強して、多くの方がスムーズに施術を進めていました🎵 「通常授業とゼミを合わせて実技の時間が多く、いっぱい練習ができています!」と話す学生さん🎵 アウトプットの機会が多いと、座学で学習した内容も定着しているのですね。 最後にリンパを流すように首まわりをマッサージします🎵 ビフォーアフター 施術前後の違いを比べてみました🎵 各写真の右側を見て、ビフォーと比べると… ●お顔のトーン ●頬のたるみ が改善されました✨ ※施術効果は個人差があります。 日本医専は実技・演習の時間が多いカリキュラムです。 美容鍼灸の技術は授業時間内ではもちろん、授業時間外のゼミでさらに学べます!! 本校で学び、美容鍼灸師として活躍する卒業生も紹介しています! ≪日本医専の美容鍼灸・卒業生の紹介はこちら≫ 仕事と両立しながら美容鍼灸師を目指す社会人が多い日本医専✨ 鍼灸学科での学び方やカリキュラム、学費・入試については誰でも参加できる週末オープンキャンパスでご相談ください! ≪日本医専 週末オープンキャンパスの申込はこちら≫ ≪平日開催!好きな時間帯を選べる「個別相談会」の申込はこちら≫ ★まずは日本医専を知ろう!★ ]
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