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2022/08/04王先生コラム「カラダとココロを整える東洋医学」
- 【王先生コラム】第13弾「更年期障害に東洋医学が効く」
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こんにちは! 日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です。 最近、更年期障害はテレビなどの媒体で度々取り上げられ、関心を集めています。 中には更年期の深刻な心身の不調により、仕事がうまくいかず、役職降格、転職や退職に余儀なくされる方もおり、いわゆる『更年期ロス』と呼ばれる社会的問題になりかねないような現象も見られます。 今回の王先生コラムの第13弾は女性の更年期障害について優れた効果がある漢方薬、鍼灸の話をします。 1. 更年期障害の症状 個人差がありますが、一般的に女性は50歳前後で閉経を迎えます。この閉経の時期を挟んで前後10年間(45歳~55歳)を更年期と呼ばれます。 更年期障害とは、更年期に見られる様々な症状のことを指します。 ①精神症状 気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、不安、情緒のアップダウンが激しい、寝つきが悪いまたは熟睡ができない、物忘れ、思考力の低下など。 ②身体症状 のぼせ、ほてり、ホットフラッシュ、汗かき、動悸、頭痛、めまい、耳鳴り、肩こり、腰痛や関節痛、疲れやすい、だるい、冷え、しびれなど。 更年期障害はそのように心身ともに色んな不調が見られ、しかも個人差も大きいです。 重症な方の場合は仕事や日常生活にも支障をきたし、前述した更年期ロスになったりするのです。 2.更年期障害の原因 更年期障害の原因は主に女性ホルモン(エストロゲン)が大きく揺らぎながら下がっていくことです。 それに加えて加齢などの身体的因子や、職場または家庭などの人間関係などの社会的因子が絡み合うことで発症すると考えられています。 東洋医学では更年期障害は加齢と共に陰陽のバランスが崩れ、気・血・水の不足または巡りに滞りしやすくなることが原因だと認識しています。 3.更年期障害に東洋医学が効く 日本産科婦人科学会が発表された更年期障害に対する三つの薬物療法の一つに漢方薬です。 (後の二つはホルモン補充療法(HRT)、向精神薬です) 即ち、漢方薬は女性の更年期障害治療に欠かせない存在とも言えます。 また、漢方薬のみならず、鍼やお灸にも優れた効果があり、かつ副作用の心配などほとんどありません。 最後に・・・ 更年期障害によく使われている漢方処方及びツボをご紹介します。 加味逍遙散(カミショウヨウサン) 普段からストレスを抱え込みやすい。イライラ、落ち着かない、不安、不眠、ため息、ホットフラッシュ、頭痛や肩こり、口が渇きやすい、疲れやすい、だるい、食欲不振が見られる時に使う処方です。 桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン) 普段から生理不順または生理痛が見られ、生理出血に血塊(レバー出血)が見られる。 顏色は黒っぽい、冷えのぼせ、下腹部は冷たいまたは圧痛、トイレの回数が多いが見られる時に使う処方です。 牛車腎気丸(ゴシャジンキガン) 寒がり、全身とりわけ下半身の冷えがひどい、腰痛や膝関節痛、下肢の浮腫み、頻尿や夜間尿、性欲の低下、心身の疲労が見られる時に使う処方です。 当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン) 普段から貧血または貧血気味、顔の血色がよくない、めまい、動悸、疲れやすい、体が重だるい、下肢が浮腫み、足先の冷えが見られる時に使う処方です。 合谷(ゴウコク) 手にあるツボです、頭痛、肩こり、イライラ、ほてり、お腹の張り、便秘に使います。 内関(ナイカン) 手首にあるツボです。動悸、めまい、不安、不眠、吐き気などに使います。 関元(カンゲン) 臍の下にあるツボです。冷えまたは冷えのぼせ、性欲の減退、疲れやすい、下痢 などに使います。 三陰交(サンインコウ) 足首にあるツボです。ほてり、ホットフラッシュ、汗かき、目の疲れ、腰痛、浮腫みなどに使います。 太衝(タイショウ) 足の甲にあるツボです。抑うつ気分、ため息、イライラ、情緒不安定、不眠などに使います。 王 瑞霞先生/本校鍼灸学科専任講師・婦人鍼灸ゼミ顧問 北京中医薬大学医学修士 日本大学医学博士 中医師 専門分野は内科・婦人科 漢方・薬膳などの中医学に精通 <<王先生コラム「カラダとココロを整える東洋医学」の別テーマはこちら>> 王先生はオープンキャンパスも担当されています! 今回のコラムに関して、何か質問があれば是非聞いてみてくださいね☆ <<オープンキャンパス情報はこちら>> ★まずは日本医専を知ろう!★ <<日本医専の資料請求はこちら>>]
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2021/11/25王先生コラム「カラダとココロを整える東洋医学」
- 【王先生コラム】第12弾「不眠症に対する日常生活での中医学的対策」
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こんにちは! 日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です。 立冬が過ぎ、益々昼は短く夜は長くなる今日この頃、読書に親しんだり、ライトアップされた紅葉を鑑賞したりして、夜長を堪能される方が多い一方、横になってもなかなか寝付けない、寝ても熟睡ができない方にとっては、辛く苦しい夜長でもあります。 今回の王先生コラムの第12弾は、そのような不眠の悩みを抱える方に対して、日常生活における中医学の対策をご紹介します。 中医学的に考える不眠症 不眠症を現代医学は「入眠困難」(寝つけが悪い)、「熟睡障害」(熟睡できない)、「中途覚醒」(途中で目が覚めて再び寝付けない)、「早朝覚醒」(明け方に目が覚める)の四つのタイプに分け、主に自律神経やホルモンバラスの悪さに起因すると考えています。 一方、中医学では不眠は五臓六腑の心や肝の機能的亢進、気血や体液の不足または巡りの滞りなどが原因であり、それらの原因により最終的に体の陰陽のバランスが崩れてしまい、寝付けが悪かったり、熟睡ができなかったりする状態に陥ると考えています。 なぜならば、人体の生理機能や生活リズムを陰陽学的に見ると、昼間に陽は優位で人間が活発に活動し、夜間に陰は優位で人間が静に休息するのです。 不眠症は諸々の原因により、この昼と夜のそれぞれの陰陽の優位性が保てない時や、うまく昼の陽から夜の陰へまたは夜の陰から昼の陽へ転換できない時に生じて来るものです。 不眠症の日常生活での対策 上記のように、不眠症の原因は心や肝の機能的亢進、気血や体液の不足または巡りの滞りなどが挙げられます。 それらの原因に対してそれぞれの漢方処方やツボがあり、専門的な対応が求められます が、本篇は日常生活での対策を紹介します。 1.生活リズムを整える 生活リズムを整える1丁目1番地としては、やはり早寝早起きに尽きます。 早寝早起きは、陰陽のそれぞれの優位即ち起きるべき時に起きる、寝るべく時に寝るといった昼夜のリズムを保つ基本です。 夜に多少の不眠があってもできるだけ朝に早く起きて陰陽の転換を促すのを行うと、不眠症の軽減につながると思われます。 また、朝に起きたら朝日を浴びることもお勧めします。 朝日を浴びると、体は陽のスイッチに入ることとなり、円滑に陰陽リズムの転換を図れます。 これらに関しては、中医学の古典である『黄帝内経』では幾度なく触れており、中医学の大事な養生法のベース的なものでもあります。 2.眠りやすくなるように体調を整える 眠りやすくなるよう体調を整えるキーワードは、頭寒足熱(ずかんそくねつ)を目指すことです。 頭寒とは頭が冷静な状態、足熱とは足底はポカポカな状態を指します。 頭寒足熱は気血の巡りがよい証拠であり、陰陽のバランスが調和されていることを意味するものです。 この場合は、いかに足熱を保てることが大事です。 足熱でない場合は足も全身も冷えることや、足が冷えて頭がのぼせるケースが多いからです。 足熱をするには、食材はシナモンパウダー、足底の湧泉をお灸することをお勧めします。 3.寝る前に睡眠の環境を整える 寝る前に睡眠の環境を整えるには ①睡眠の1時間前から携帯画面を見ない ②部屋の光を暗くする ③寝る直前に熱湯風呂に入らない ④ツボの内関を軽く指圧する ⑤関元を意識して深呼吸する。 これらの方法はいずれも興奮状態を下げ、平静ムードを高めることですので、言い換えれば陽から陰に切り替えるのを促し、入眠しやすくさせるのです。 王 瑞霞先生/本校鍼灸学科専任講師・婦人鍼灸ゼミ顧問 北京中医薬大学医学修士 日本大学医学博士 中医師 専門分野は内科・婦人科 漢方・薬膳などの中医学に精通 <<王先生コラム「カラダとココロを整える東洋医学」の別テーマはこちら>> 王先生はオープンキャンパスも担当されています! 今回のコラムに関して、何か質問があれば是非聞いてみてくださいね☆ 王先生はオープンキャンパスも担当しています! お気軽にご参加ください♪ «オープンキャンパス情報はこちら» 皆さまのご来校を心よりお待ちしております! ★まずは日本医専を知ろう!★ ≪日本医専の資料請求はこちら≫]
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2021/11/04王先生コラム「カラダとココロを整える東洋医学」
- 【王先生コラム】第11弾「気温の寒暖変化による体調不良の対応方法」
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こんにちは! 日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です 王先生コラムの第11弾をお届けいたします! 気温の寒暖変化による体調不良の対応方法 この頃、気温のアップダウンが激しい日々が続いており、一日の中でも気温が10度以上の差がある日もありますね。 今回のコラムは、この気温の寒暖変化による体調不良の対応方法をご紹介します。 1. 気温の寒暖変化による様々な体調不良 急激の気温の寒暖変化により、体がそれについていけず、以下のような様々の不調や不良に見舞われます。 ① 呼吸器症状:鼻水、くしゃみ、鼻づまりなど。 ② 全身症状:寝つきが悪い、または寝起きが悪い、冷えのぼせ、イライラ、頭痛、倦怠感、肩こり、首こりなど。 2. 寒暖変化による体調不良の原因 寒暖変化による体調不良の原因は、西洋医学は主に自律神経失調によるものだと考えています。 急激の寒暖変化により、内臓機能や血管の働きをコントロールする自律神経(交感神経と副交感神経)はうまく調整できず、アンバランスな状態に陥り、それにより様々の不調が見られます。 一方、中医学では気のパワーダウン即ち気虚(ききょ)によるものだと考えています。 体の構成物質である気は、体を動かす原動力の他、外邪から体を守る防衛作用、体が一定の温かさをキープする保温作用なども兼ね備えています。 気虚ですと、本来発揮するべきそれらの働きが働けず、気温が激しく変化する際にパワーダウンによる弱さが露呈し、諸々の体の不調が出やすくなるのです。 また、気虚が進むと、手足や全身の冷えが顕著となり、それらの不調も長引く傾向となります。 3. 寒暖変化による体調不良の対応方法 ① 日常生活での対応方法 ☆体感する温度差をなるべく小さくする。 室内から室外に移動される際、羽織れるものを一枚持ち、寒く感じれば着るようにして、寒暖変化に応じ薄着または厚着を調整する。 ☆マスクをつける。 今やコロナ感染対策としてマスクをつけることが定着しているようですが、マスクをつけることで鼻腔に冷たい空気を吸入するのをも防ぎ、呼吸器症状の予防や緩和に有効です。 ☆普段からよい生活習慣を身に着ける。 不規則な生活は自律神経バランスの乱れを引き起こすため、栄養バランスの良い食事をし、適度な運動を行い、ストレスをため込まない、早寝早起きなどのよい生活習慣は、抵抗力や順応力即ち気のパワーを高めることにつながります。 ② 応用できるツボ ☆足三里(あしさんり):気虚に最も使われるツボの一つで、昔から保健、滋養強壮のツボとして知られています。 ☆関元(かんげん):気虚や冷えによく使われるツボの一つで、足三里と共に昔から保健、滋養強壮のツボとして知られています。 ③ 応用できる漢方薬・食材 ☆漢方薬 「玉屏風散(ぎょくへいふうさん)」 気を補うものと、風邪を寄せ付けないものが構成されており、秋からから冬または冬からや春に変る時の体の不調に使う処方です。 「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」 気を補う代表的な処方です。体の中部にある消化吸収の气を充足させながら、体表をガードする気をも補うため、抵抗力や免疫力を高める処方として知られてます。 「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」 気と血の両方を補う処方です。気のパワーダウンのみならず、血も不足している(顏色が悪い、動悸など)時に使うもので、抵抗力や免疫力を高める処方として知られています。 ☆食材 長いも、山いも、自然薯、カボチャ、ニンジン、キノコ類:いずれも気を補う食材として知られており、栄養豊富な旬の食べ物でもあります。 生姜、ネギ、ニンニク:体を温める食材として知られており、体を温め気血の巡りをよくする。 王 瑞霞先生/本校鍼灸学科専任講師・婦人鍼灸ゼミ顧問 北京中医薬大学医学修士 日本大学医学博士 中医師 専門分野は内科・婦人科 漢方・薬膳などの中医学に精通 <<王先生コラム「カラダとココロを整える東洋医学」の別テーマはこちら>> 王先生はオープンキャンパスも担当されています! 今回のコラムに関して、何か質問があれば是非お越しください☆ ▼王先生が担当のオープンキャンパス▼ 11/14(日)13:00~15:00「やさしく入門!東洋医学~婦人・漢方鍼灸~」 皆さまのご来校を心よりお待ちしております! ★まずは日本医専を知ろう!★ ≪日本医専の資料請求はこちら≫]
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2021/10/08王先生コラム「カラダとココロを整える東洋医学」
- 【王先生コラム】第10弾「秋の食欲コントロール法」
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こんにちは! 日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です 王先生コラムの第10弾をお届けいたします! 秋の食欲コントロール法 本格的な秋が到来です。 秋といえば、スポーツの秋、読書の秋など色々ありますが、なんといっても食欲の秋でしょう。 食欲があって、好きなものを好きな分だけを食べるのが幸せのことですが、その延長線上に心配されるのが体重の増加、ひいていえば肥満のことです。 では、今回のコラムは、秋の味覚を美味しくいただけて、かつ食べ過ぎない方法を解説してみます。 1.秋に食欲旺盛の東西医学の視点 秋に食欲旺盛のメカニズムは、西洋医学の考え方として主に三つが挙げられます: ① 気温が下がるため 私たち人間は、一定の体温を保とうする「恒温動物」です。 気温が下がると体から熱が奪われるため、放っておくと体温がどんどん下がってしまいます。 そうならないように体内で熱を作り出すよう、体は自然に調整するのです。 その熱を作り出すエネルギー源は食事ですので、気温が下がり始める秋に食欲が増します。 ② 日照時間が短くなるため 人間は日光を浴びると、「セロトニン」という物質の分泌が増えます。 セロトニンには気持ちの安定を保たせ、目を覚ましておく働きと食欲を抑える働きがあります。 秋は夏に比べて日照時間が短くなり、セロトニンの分泌も少なくなるため、食欲が抑えられずについ食べてしまうのです。 ③ 夏バテを解消するため 夏は室内と室外との温度差が大きいため、自律神経の調整が追い付かずに「夏バテ」になりがちです。 夏バテに陥ると食欲不振や疲れやすさ、だるさの不調に見舞われます。 しかし、秋になって涼しくなると、体調が回復して食欲も戻ってきます。 夏バテからのリバウンド効果ともいえるでしょうか。 一方、中医学の考え方として挙げられるのが「胃熱」です。 中医学でいう「胃」は主に消化を担う働きがあります。 胃に熱をこもると、食欲旺盛で食べてもまたすぐにお腹が空き、口臭、口が渇きやすい、歯肉炎、便秘などの症状が見舞われます。 胃熱がある場合、は普段からも食欲旺盛ですが、秋にさらに食欲が増す恐れがあります。なぜならば、夏に比べて秋は湿気が少なく、乾燥しやすいため、胃熱を助長しやすく、ますます食欲が旺盛になりやすいのです。 2.秋の食欲を抑える生活習慣・ツボ・食材 A.秋の食欲を抑える生活習慣: ① 早寝早起き、朝日を浴びる 早寝早起きをし、早朝に起床したらすぐに10分間ほど朝日を浴びると、前述した食欲を抑える働きのセロトニンの分泌が促進されるばかりでなく、日中に元気よく活動し、夜にぐっすり眠れることにもつながります。 ② よく噛んで食べる 食事の時によく噛んで食べると、食欲を抑える満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防いでくれます。 また、よく噛んで食べると唾液がより多く分泌されるから、前述した「胃熱」を鎮めることにもつながります。 ③ リズムカルな運動 ウォ―キングやジョギング、水泳、ヨガなどのリズムカルな運動は、食べ過ぎによる過剰なカロリーを消耗してくれるだけでなく、食欲を抑えることにもつながります。 休日に家でゴロゴロするだけでいると、食べることばかりに走ることになりがちです。 B.秋の食欲を抑えるツボ ① 耳ツボ:飢点・胃:食事の15~20分前に人差し指でやや強めに押す。 ② 内庭:胃熱を取るツボとして知られています。 C.秋の食欲を抑える食材 ① キノコ類 キノコ類は秋の味覚の一つで、ビタミン類や食物線維が豊富で低カロリーです。 キノコ類をしっかりと噛んでから食べることにより、食べ過ぎ防止につながります。 ② クマザサ クマザサは胃熱を取る働きがあるとされ、食べてもまたお腹が空くのに働きかけます。 また独特の香りにリラックス効果もあります。 ③ セロリ シャキッとした歯応えで、ビタミン類や食物線維が豊富で、胃酸の分泌を抑える成分が含まれています。 特有の香り成分はストレス緩和作用があり、ストレスに起因した食べ過ぎに効きます。 肥満に気を付けながら、美味しく秋の味覚をいただきましょう。 王 瑞霞先生/本校鍼灸学科専任講師・婦人鍼灸ゼミ顧問 北京中医薬大学医学修士 日本大学医学博士 中医師 専門分野は内科・婦人科 漢方・薬膳などの中医学に精通 <<王先生コラム「カラダとココロを整える東洋医学」の別テーマはこちら>> 秋の食欲を抑えるツボとしてご紹介した耳ツボをオープンキャンパスで詳しくご説明します! ★鍼灸学科オープンキャンパス★ 10/30(土)14:00~16:00「耳ツボダイエットと美容鍼灸」 皆さまのご来校を心よりお待ちしております! ★まずは日本医専を知ろう!★ ≪日本医専の資料請求はこちら≫]
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2021/09/27王先生コラム「カラダとココロを整える東洋医学」
- 【王先生コラム】第9弾「秋と肺」
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こんにちは! 日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です 王先生コラムの第9弾をお届けいたします! 秋と肺 草花に朝露がつき始める二十四節気の白露が過ぎ、本格的な秋が到来しています。 秋といえば、世間では「食欲の秋」、「読書の秋」などのイメージがありますが、東洋医学では、秋は五臓六腑の肺と最も関係し、この時期は特に肺に対してケアすることを心掛けてほしいと考えています。 朝晩の冷え込んだ秋に、屋内から屋外に出るとくしゃみや鼻水が出たり、風邪を引いたりするようなことがありませんか? また、鼻や口の中が乾燥して、のどがイガイガしく感じることがありませんか? それらの症状が出やすい方の場合は、季節の変化に応じて調整し体表をガードしてくれる肺の機能がダウンしている可能性があると、東洋医学的に考えています。 そもそも、秋は①朝晩と日中の寒暖差が激しい、②夏より空気が乾燥している、この二大特徴があります。 この特徴は、デリゲートな性質を持ち、外気に通じ、五臓六腑の一番トップの位置にある肺を傷ついてしまう恐れがあります。 従いまして、秋の時節の変化より肺を守る養生法で過ごしていただきたいものです。 ①秋の寒暖変化から肺を守る方法 ・マスクをして冷たい空気を遮断し、重ね着して気温の変化に応じて衣服を調整するように。 ・手首にあるツボ「太淵(たいえん)」を押したりして刺激する。 ・生姜湯を飲む。 ・漢方処方:玉屏風散 (ぎょくへいふうさん)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう) ②秋の乾燥から肺を守る方法 ・秋の旬の食べ物の梨、ぶどう、柿、蓮根、ゆり根などが、いずれも肺に潤いを与えるものとして知られています。 ・漢方処方:麦門冬湯(ばくもんどうとう) コロナ禍で、未だに収束の見通しが立たない今、これまで以上に肺のことを意識し、ご紹介した方法を活用していただければ幸いです。 (監修/王瑞霞 先生) 王 瑞霞先生/本校鍼灸学科専任講師・婦人鍼灸ゼミ顧問 北京中医薬大学医学修士 日本大学医学博士 中医師 専門分野は内科・婦人科 漢方・薬膳などの中医学に精通 <<王先生コラム「カラダとココロを整える東洋医学」の別テーマはこちら>> 王先生はオープンキャンパスも担当しておりますので、興味のある方はぜひご参加ください。 ★鍼灸学科★ 10/3(日)13:00~15:00「やさしい鍼でリフトアップ!美容鍼灸の効果」 10/9(土)14:00~16:00「基礎からわかる美容鍼灸 ~綺麗なすっぴん素肌の作り方~」 皆さまのご参加を心よりお待ちしております! ★まずは日本医専を知ろう!★ ≪日本医専の資料請求はこちら≫]
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2021/03/25王先生コラム「カラダとココロを整える東洋医学」
- 【王先生コラム】第8弾 「花粉症に効く漢方薬・ツボ」
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こんにちは! 日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です 王先生コラムの第8弾をお届けいたします! 王先生コラム「花粉症に効く漢方薬・ツボ」 春の到来とともに花粉が飛散のシーズンとなり、花粉症の方にとってはうっとうしい時期でもあります。 花粉症の症状に多く見られるのがくしゃみ、鼻水、鼻づまりと目の痒みです。 中医学はそれらの症状を引き起こす原因は、体外では「風邪」に関係し、体内では「肺」に関係すると考えています。 邪とは発病因子のことを指し、外からの邪を外邪、内部からの邪を内邪といいます。 花粉はあちこち飛散し、鼻や目のなどの人体の高い部位に侵入し悪さをするので、風の移動しやすく、高く舞う性質に似ていることから、外邪の風邪の部類に入るのです(他の外邪もある)。 また、同じ環境にいながら、花粉症になる人とならない人の差は体内の肺にあります。 中医学でいう肺は、呼吸の他、鼻に通じ合い、皮膚や毛孔を含めた体表のバリア機能をも担っていると考えています。 肺はきちんと働いて、体表のバリア機能がしっかりすれば、外邪から身を守ることができ、花粉などが容易に侵入することができません。 反対に、花粉症にかかっている方は、肺による体表のバリア機能が低下していると思われます。 そのような視点から、花粉症にかかっている方はシーズン中にまずは外邪を追い出して症状を治し、シーズンでない時に肺の働きを高めるなど抜本的治療が必要だと思われます。 本篇は今シーズンに使える漢方薬やツボ及び生活上の注意を簡単にご紹介します。 花粉症に効く漢方薬 ①水様鼻水タイプ:鼻水が白くサラサラして大量に出る、くしゃみ、寒気、手足が冷えるなど。 →小青竜湯 ②黄色鼻水タイプ:鼻水は黄色くて粘り気のある、鼻づまり、目が痒く充血する、口やのどの渇きなど。 →辛夷清肺湯 ③白くて粘り気のある鼻水タイプ:鼻水が白くて粘り気がある、鼻づまり、のどのつかえる感など →柴胡桂枝湯または柴胡桂枝乾姜湯 花粉症に効くツボ 上星、迎香、列缺、合谷など 花粉症を抑えるための注意点 なお、花粉シーズン中の生活面での注意として、以下のものが挙げられます。 ①充分に睡眠を取る。充分な睡眠を取ることでバリア機能を高めることにつながります。 ②身体を冷やさない。特に水様鼻水タイプの方は、冷えないように着るもの注意し、生ものや冷たいものを摂りすぎないように気をつけていただきたい。 ③バランスのよい食事。特に黄色鼻水タイプの方はお酒、油っぽいもの、香辛料の入っている料理を控えていただきたい。 以上の注意点を守ってみましょう。 温飲・温食の徹底!! また、上記の注意点にくわえて、冷たいものは極力口にしない生活をすることをおススメします。 私の経験ですが、2年前までは鼻炎がとてもひどく、夜中に鼻水や鼻づまりで目を覚ましたり、朝起きると必ず鼻をかむのが日課でした。 当時の食生活を振り返ると、生野菜、ビール、果物など身体を冷やす飲食をかなりしていました。 その後の生活改善で、特に夜の温飲・温食を意識したところ、驚くほど鼻をかむ機会が少なくなりましたよ。 黄色の鼻水タイプの方は また、黄色の鼻水タイプの方は、熱を冷ます食材を意識して摂取しましょう。 豆腐やごぼう、レンコン、大根などがおススメです。 また、ペパーミントや菊花にも熱を冷ます働きがあります。お茶などにして飲むといいですね。 また、別回のコラムで取り上げた?養生法“も意識して身体のメンテナンスをすると症状の軽減につながると思います。 <<王先生コラム「カラダとココロを整える東洋医学」の別テーマはこちら>> 是非実践を! (監修/王瑞霞 先生) 王 瑞霞先生/本校鍼灸学科専任講師・婦人鍼灸ゼミ顧問 北京中医薬大学医学修士 日本大学医学博士 中医師 専門分野は内科・婦人科 漢方・薬膳などの中医学に精通 今回の王先生のコラムでは花粉症に効くツボを紹介しました。 是非参考にしてみてください! <<王先生コラム「カラダとココロを整える東洋医学」の別テーマはこちら>> 王先生はオープンキャンパスも担当しておりますので、興味のある方はぜひご参加ください。 ▼お申し込みはこちら▼ <<4/24(土)14:00~16:00「婦人鍼灸・漢方鍼灸の効果」>>]
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2021/02/08王先生コラム「カラダとココロを整える東洋医学」
- 【王先生コラム】「中医学的な妊活について」第7弾 ~補腎と妊活~
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こんにちは! 日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です 王先生コラムの第七弾をお届けいたします! 王先生コラム「補腎と妊活」 前回、中医学的な冬の食生活について話しました。 <<前回のコラムはこちら>> 今回は「補腎と妊活」について話します。 中医学でいう『腎』は、人間の成長、発育、生殖、老化などのいわゆる命の根源ともいえる働きを担う臓器だと認識しており、特にその中の生殖機能について、腎は「生殖を司る」といった言葉があります。 女性は七の倍数で身体が変化していく話がよく知られていますが、実は、それは一定の年齢になると何故子供ができなくなることを前提とする話で、腎が衰えたところで、生理が来なくなり、子供もできなくなると、結論に至ったわけです。 つまり生殖能力を最も左右するのが腎であり、腎の働きが充実であれば、妊娠しやすく、腎の働きが衰えれば妊娠しにくくなるのです。 妊娠に関わる子宮や卵巣、性ホルモンなどすべてはこの腎に属されていることから、妊活においては「如何に腎の働きをよくするか」が鍵となります。 妊活においては、腎の働きが衰えるサインとして、生理時の出血が少なくなり、生理周期が乱れることに加え、排卵誘発剤を使っていても採卵ができなかったり、質の良くない卵胞しか取れなかったりすることなどが挙げられます。 そのようなことが見られたら、積極的に補腎し、妊娠のできる力を底上げる必要があると思われます。 補腎の具体的方法については、食生活に関しては、季節と関係なく、ご自分の体質や症状に合わせて、補腎のできる食材とりわけ動物性の補腎できるものを意識して摂るようにしてください(前篇のコラムをご参照)。 >>補腎のできる食材はこちら その他、以下のこと併せて気を付けてほしいです。 1.生活リズムを整える 夜更かしは肝に貯蔵される血を消耗しますが、それが長く続くとやがて腎にも及びます。また、休日の寝だめは睡眠のリズムを狂わせ、腎の負担となるので、なるべくそれらを避けてほしいです。 2.冷えを避ける 冷えは腎の大敵ともいえる因子です。特にお腹や腰が冷えると子宮や卵巣への血流が悪くなり、それらの活動に影響を与えかねます。補温に努めましょう。 また、足裏に足指に近いところの真中のくぼみのところに「湧泉」というツボがあり、腎の経絡の出発点でもあります。そこにカイロを張ったり、お灸したりすれば、冷えを改善し、腎を温めることができます。 3.腹式呼吸 腹式呼吸は腎に刺激を与え、腎の働きが活性化されることにつながります。特に寝る前に臍の下を意識し腹式呼吸すると、リラックスができ、睡眠にもよいはずです。 妊活においては、西洋医学では人口受精や体外受精などのピンポイントを当たるよう治療を行っています。 それに対して、東洋医学では如何に妊娠のできる体づくりをすることを目指しています。 ぜひ両方の良い所を取り入れて、実りある妊活をしていただければと思います。 (監修/王瑞霞 先生) 王 瑞霞先生/本校鍼灸学科専任講師・婦人鍼灸ゼミ顧問 北京中医薬大学医学修士 日本大学医学博士 中医師 専門分野は内科・婦人科 漢方・薬膳などの中医学に精通 今回の王先生のコラムでは補腎と妊活を紹介しました。 妊活で悩んでいる方、妊活しようと思っている方は是非参考にしてみてください! <<王先生コラム「カラダとココロを整える東洋医学」の別テーマはこちら>> 王先生はオープンキャンパスも担当しておりますので、興味のある方はぜひご参加ください。 ▼お申し込みはこちら▼ <<2/27(土)14:00~16:00「婦人鍼灸・漢方鍼灸の効果」>>]
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2021/01/25王先生コラム「カラダとココロを整える東洋医学」
- 【王先生コラム】「中医学的な冬の食生活」第6弾~冬の食養生~
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こんにちは! 日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です 王先生コラムの第六弾をお届けいたします! 王先生コラム「冬の食養生」 前回、中医学的な冬の過ごし方について話しました。 <<前回のコラムはこちら>> 今回は冬の食養生についてお話いたします。 中医学では冬の食養生のメインは『腎』を補うことになります。 何故かといいますと、五臓の中の腎は冬に通じ合う側面があることと、腎はその性質上、パワーダウンに陥りやすいため、常に補給・補足が求められます。 従いまして、「天人合一」(自然と人間とは一体する)の観点と腎の特性から、冬だからこそ、人間の成長や発育、老化などを担っている『腎』を充足させ、一年の活動の源を蓄えるべきだと考えられるわけです。 腎には主に「腎陽」「腎陰」「腎気」の三つの働きの側面があり、腎を充足させるのにこの三つの側面から食事に気を付けていただきたいです。 1.温腎陽(腎の陽を温める) 腎の陽(腎陽)は全身を温め、一定の体温が保てる陽の根本とされています。 腎陽が衰えると、冷え、寒がり、低体温、むくみ、生理痛や生理不順、不妊症、性欲低下、腰や膝がだるい、などの症状が見られます。 補腎陽の食材:ラム肉、鹿肉、ウナギ、エビ、胡桃、栗、シナモン、ニラなど。 2.滋腎陰(腎の陰を潤す) 腎の陰(腎陰)は体を潤し、一定の滋潤が保てる陰の根本とされています。 腎陰が不足に陥ると、のどの渇き、ほてり、寝汗、のぼせ、落ちつきのなさ、耳鳴り、めまい、抜け毛や髪の毛につやがなくパサパサになる、などの症状が見られます。 滋腎陰の食材:カモ肉、スッポン、ナマコ、卵、牡蠣、貝類、黒ゴマ、蓮根、など 3.補腎気(腎の気を益す) 腎の気(腎気)は体のスタミナ、水液代謝や呼吸に関わります。 腎気がパワーダウンすると、スタミナ不足、精神的疲労、不安を感じやすい、頻尿や尿漏れ、夜尿が多い、むくみ、呼吸が浅く、息切れ、不妊症、性欲低下、老化のスピードが早い、など症状が見られます。 補腎気の食材:豚骨、ウナギ、シジミ、長いも、山いも、自然薯、黒豆、黒米など。 この冬、是非ご自分の体に合わせて、補腎のある食生活を実践してみてください。 (監修/王瑞霞 先生) 王 瑞霞先生/本校鍼灸学科専任講師・婦人鍼灸ゼミ顧問 北京中医薬大学医学修士 日本大学医学博士 中医師 専門分野は内科・婦人科 漢方・薬膳などの中医学に精通 今回の王先生のコラムでは冬の食養生を紹介しました。 寒い日が続きますが、食べ物でもしっかりと養生して春に備えましょう! <<王先生コラム「カラダとココロを整える東洋医学」の別テーマはこちら>> 王先生はオープンキャンパスも担当しておりますので、興味のある方はぜひご参加ください。 ▼お申し込みはこちら▼ <<2/27(土)14:00~16:00「婦人鍼灸・漢方鍼灸の効果」>>]
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2021/01/15王先生コラム「カラダとココロを整える東洋医学」
- 【王先生コラム】「中医学的な冬の過ごし方」第5弾~養生の仕方~
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こんにちは! 日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です 王先生コラムの第五弾をお届けいたします! 王先生コラム「中医学的な冬の過ごし方」 年が明けてから厳しい冬の寒さが続いています。 中国の伝統医学である中医学では、寒い冬だからこそ、絶好の養生の期間だと取られています。 なぜなら、冬の本格の到来が告げる冬至から次の年の立春までの間は、自然界では陽気が潜み、陰気が極まって行き、草木が萎れ、虫などの動物が活動休止にし、地下に潜り春の復活に備えて冬眠するのです。 同じく自然界に生きている人間は、他の動物のように冬眠することがありませんが、やはり冬の間に鋭気を養い、力を蓄えて活動的な春に備えるべきです。 それが自然に順応する摂理にかなうからです。 それについて中医学古典の『黄帝内経』にはこのように要約的に書いてあります。 「冬の3ヵ月にはこれを閉藏という」 「閉」は閉ざす、閉じ込めて出られないようにする、おおい隠す 「藏」はたくわえる、ためる と広辞苑では解説しています。 つまり、「閉藏」とは内向きに蓄えることを指すことで、冬を正しく過ごすには外向きに激しい活動などを避け、内を秘めた力を養うことになります。 では、具体にどのようにして内を秘めた力を養うかについて、同じく『黄帝内経』の中で冬の睡眠の取り方、精神状態の保ち方、日常生活の仕方を3つ示してくれています。 ①睡眠 原則的に早寝遅起きをすること。冬は昼が短く夜が長いため、その昼夜のリズムに合わせていつもより長く睡眠を取ります。特に朝は必ず日が昇ってくるのを待って起きます。 ②精神状態 闘志の心を抑えて内向きに平静な心構えで過ごすこと。つまり、むやみに精神的消耗せず活発に活動する春を待ちます。 ③日常活動 寒さを避け、保温に努め、毛穴が開き汗をかくようなことをしないこと。特にこの時期に室外で激しい運動などされると、陰気の強い時期だけに、いつも以上より消耗が激しくなるため、後々の病気の原因になりかねないと考えています。 以上の三点は『黄帝内経』の中で強調され、今も受け継がれている中医学的冬の過ごし方です。 それらを実践することにより健康維持や病気の未然防止につながる、即ちいのちを養う(養生)ことにつながります。 次回、冬の食養生についてお話いたします。 (監修/王瑞霞 先生) 王 瑞霞先生/本校鍼灸学科専任講師・婦人鍼灸ゼミ顧問 北京中医薬大学医学修士 日本大学医学博士 中医師 専門分野は内科・婦人科 漢方・薬膳などの中医学に精通 今回の王先生のコラムでは冬の過ごし方を紹介しました。 寒い日が続きますが、しっかりと養生して春に備えましょう! <<王先生コラム「カラダとココロを整える東洋医学」の別テーマはこちら>> 王先生はオープンキャンパスも担当しておりますので、興味のある方はぜひご参加ください。 ▼お申し込みはこちら▼ <<1/23(土)14:00~16:00「婦人鍼灸・漢方鍼灸の効果」>>]
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2020/10/09王先生コラム「カラダとココロを整える東洋医学」
- 【王先生コラム】「免疫力を高める東洋医学の知恵」第4弾~免疫力アップの秘訣~
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こんにちは! 日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です 王先生コラムの第四弾をお届けいたします! 王先生コラム「免疫力を高める東洋医学の知恵」 免疫力アップの秘訣 みなさん、こんにちは。新型コロナウイルスに関連するニュースが毎日取り上げられる昨今、ご自分の免疫力を今まで以上に意識される方が多いのではないでしょうか。また、それとは関係なしに、季節の変わり目にすぐに風邪を引くなど体調の崩れやすい方も、自分はなんと免疫力が低いだろうと思われるのではないでしょうか。 東洋医学は「免疫力」という言葉がありませんが、2千年前に成書された古典「黄帝内経」には「正気存内、邪不可干」といった名句があります。 そのまま翻訳すると、正気が体内に存在すれば、病気を引き起こす邪気からの干与・干渉は不可能という意味です。つまり、現代の言葉でそれを表現すると、体を守ってくれる免疫力(正気)を高めれば、ウイルスなどの病原体が簡単に侵入し悪さをすることができないことです。 では、どうやって免疫力を高めればよいのでしょうか? 今回は簡単にご自分でできるセルフケアの方法をご紹介します。 1.免疫力を高めるツボを刺激する 免疫力を高める代表のツボを二つご紹介します。 一つ目は「関元」というツボです。 へその真ん中から指四本分下にある関元は昔から疲労や虚弱体質、冷えの改善に使われるツボで、保健の要穴と言われています。 関元を刺激し免疫力を高める方法は腹式呼吸です。仰向けに横になり、お臍の下あたりに手を乗せリラックスして、10秒をかけて吸い、10秒かけて吐くのを目安にし、20分~30分間を寝る前に行います。 この腹式呼吸を行う際に手の置くところは大体関元のところです。関元に刺激を与えることはその奥にある腸管リンパ系を刺激することになるので、腸管リンパ系の免疫細胞であるリンパ球の活性化につながります。 二つ目のツボは「足三里」です。 足三里も昔から保健の要穴として知られています。 中国では病気を知らずにいたいのであれば常に足三里をお灸するといった言い伝えがあり、日本では俳句の名人である松尾芭蕉さんは奥の細道に行く時に疲れたら足三里にお灸をすえていたという伝説もあります。 足三里は膝の真ん中の靭帯の外側にあるくぼみから下三寸のところにあり、そこを親指または人差し指で指圧のように刺激してみてください。足三里に刺激を加えることで白血球の貪食(ばい菌やウイルスなどを食べる)が活発化するのが研究で確認されています。 ▼本校のYoutubeでも紹介しております▼ 2.免疫力を高める漢方薬 免疫力を高める漢方薬はいくつかありますが、代表格は「補中益気湯」です。 補中益気湯は伝統的に胃腸が虚弱の方、胃下垂、疲れやすい、術後や病後で体力が低下した方に使われる処方ですが、最近の臨床観察では免疫力を高める効果も認められたそうです。 インフルエンザの流行時には、補中益気湯を服用した人と服用していない人で、大きな差が出たのが確認されました。 また、最近の新型コロナウイルス感染症においても、再び脚光を浴びて、それを服用してから現場に出る医療従事者がいるそうです。 (監修/王瑞霞 先生) 王 瑞霞先生/本校鍼灸学科専任講師・婦人鍼灸ゼミ顧問 北京中医薬大学医学修士 日本大学医学博士 中医師 専門分野は内科・婦人科 漢方・薬膳などの中医学に精通 今回の王先生のコラムでは免疫力アップのお役に立てた事と思います。 新型コロナウイルスや季節の変わり目に、免疫力を高めて体調を崩さないようにしっかりとセルフケアしましょう! <<王先生コラム「カラダとココロを整える東洋医学」の別テーマはこちら>> 鍼灸師として様々なフィールドで活躍できるように学べる4大鍼灸ゼミの解説も実施しております。 ▼お申し込みはこちら▼ <<10/18(日)13:00~15:00「「美容鍼灸」「スポーツ鍼灸」「婦人鍼灸」「高齢者鍼灸」を知ろう!」>> 王先生はオープンキャンパスも担当しておりますので、興味のある方はぜひご参加ください。 ▼お申し込みはこちら▼ <<11/29(日)13:00~15:00「婦人鍼灸・漢方鍼灸の効果」>>]