王先生コラム「カラダとココロを整える東洋医学」
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2020/09/24王先生コラム「カラダとココロを整える東洋医学」
- 【王先生コラム】「夏の疲れをリセットする生活習慣」第3弾~夏バテ解消~
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こんにちは! 日本医学柔整鍼灸専門学校 広報担当です 王先生コラムの第三弾をお届けいたします! 王先生コラム「「夏の疲れをリセットする生活習慣」 夏バテ解消 皆様、こんにちは、今年の夏は猛暑日が例年より多く長く続きました。 そのため体調が思わしくない方も多いのではないでしょうか? その原因について、中医学的に考えてみると二つがあります。 一つ目は夏の暑さに加えて湿度が高いことです。 中医学では外界の湿度が高い状態を「湿邪」といい、この「湿邪」の影響を受けやすいのが「脾胃」(西洋医学でいう胃腸機能のこと)です。 この「湿邪」の邪魔を受け、「脾胃」の働きがダウンしていまい、さらにそれにより体を動かすエネルギーである気は産生不足となるため、疲れやだるさなどを感じやすくなるのです。 二つ目は冷たいものの食べ過ぎや飲みすぎです。 冷たいものはダイレクトに脾胃を冷やしてしまい、脾胃の働きの低下を引き起こし、気の不足を招きます。 夏の疲れをそのまましておくと、もうすぐ訪れる秋にガクッと体力が落ちてしまい、更なる不調を引き起こす原因にもなりかねないので、すっかりとそれをリセットする必要があります。 具体的な方法としては、「睡眠・食事・休息」といった生活習慣に工夫をすることです。 ①睡眠:早寝早起きをする。 夏よりも就寝時間を早めて睡眠時間を確保し、気力・体力の回復を図ります。 ②食事:「脾胃」の働きよくする食材、冷えた胃腸を温める食材を取り入れる。 脾胃の働きをよくする食材の代表格は山芋、長芋、里芋です。 冷えた脾胃を温めてくれる食材の代表格は生姜、胡椒です。 それらの食材を普段の料理に積極的に取り入れて、気の生成の元を固めます。 ③休息:適度な休息を取る。 秋は収める、納める季節ですので、春夏のように活発に動くのでなく、ほどほどに体を動かして、適度に家の中にいてゆったりとくつろぐ時間を過ごします。 以上のように生活習慣に工夫をすれば、夏の疲れをリセットし、秋に持ち越すことなく過ごすことができます。 (監修/王瑞霞 先生) 王 瑞霞先生/本校鍼灸学科専任講師・婦人鍼灸ゼミ顧問 北京中医薬大学医学修士 日本大学医学博士 中医師 専門分野は内科・婦人科 漢方・薬膳などの中医学に精通 今回の王先生のコラムではこの暑い時期に皆さんのお役に立てた事と思います。 暑い時にはつい冷たい飲み物やアイスを食べたくなりますが、食べ過ぎはよくありませんね。 皆さんも生活習慣を工夫して夏の疲れをリセットしましょう! 王先生はオープンキャンパスも担当しておりますので、興味のある方はぜひご参加ください。 ▼お申し込みはこちら▼ <<10/3(土)14:00~16:00「婦人鍼灸・漢方鍼灸の効果」>>]
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2019/12/23王先生コラム「カラダとココロを整える東洋医学」
- 【王先生コラム】「カラダとココロを整える東洋医学」第2弾~冷え性~
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こんにちは! 日本医学柔整鍼灸専門学校の広報です。 王先生コラムの第二弾をお届けします♪ 王先生コラム「カラダとココロを整える東洋医学」 冷え性の予防と改善 皆様、こんにちは、朝晩はめっきり冷え込んでできましたが、いかがお過ごしでしょうか? 前篇の「たがが冷え性、されど冷え性」からはや一か月が経ちました。大変お待たせしましたこと深くお詫び申し上げます、本当に申し訳ございませんでした。 さて、前篇では冷えは決して侮れない病態だと話しましたが、今回は冷え性の予防と改善のお話を致します。 1.冷え性の予防 冷え性は生活習慣と密接に関係するため、生活習慣を見直すことから冷え性を予防することが可能です。 以下、日常生活において気をつけていただくことにより冷え性の予防につながることをご紹介します。 ●冬などの寒い時期や生理期になるべく下半身を温めるような着るものを着衣する。 冷えは足元から来るものが多いです。また女性の生理期は出血しているため、外部の寒邪が入り込みやすいです。そのため冬の寒い時期、ことに生理期には着るものに気をつけ、補温に努めます。 ●体を温める食品を積極時に取り入れ、体を冷やす食品を控える。 体を温める食品:生姜、葱、にんにく、にら、カボチャ、コショウ、ウコン、発酵食品、甘酒など。 体を冷やす食品:アイスクリーム、アイスコーヒー、キュウリ、ナス、炭酸ジュースなど。 ●お風呂に入る。 シャワーだけで済ませるのでなく、10~15分浴槽に入り半身または全身浴をし、血行を良くします。 ●早寝、早起き、朝食を食べる。 早寝、早起き、朝食を食べることは、漢方医学の視点からは、体を温める役割をする陽の働きを喚起及び活発化につながると考えられ、陰陽のバランスを維持するのによいことです。 ●定期的に運動する。 ウォ―キング、ストレッチ体操など。 2.冷え性の改善 冷え性といっても、冷えの原因や冷える部位、慢性的に経過しているかによって、用いる漢方薬が異なります。これは漢方医学の特徴の一つである個体を重視する、いわゆる「同病異治」のことです(同じ病ですが、人に因って治療が異なる)。 以下、冷え性に用いる漢方薬処方をご紹介するので、ご参考になれば幸いです。 ●人参湯(にんじんとう) 胃腸が冷える方にお勧めの漢方薬です。疲れやすさに食欲がなく、胃やお腹の方を触ってみると冷たく感じる、冷たい飲食物で胃やお腹が痛くなったり、下痢してしまったりするもの。 ●大建中湯(だいけんちゅうとう) 手足が冷たいと共に、腹部が冷えて痛む方にお勧めの漢方薬です。腹部のへそやへその下あたりが冷たくて痛い、手で押されるといやがる。時にはお腹にガスがたまる感じがあり、便が出にくい。 ●当帰四逆湯(とうきしぎゃくとう) 手足の末端が冷える方にお勧めの漢方です。手足が冷えて、顏の血色もよくなく、貧血気味。またしもやけや凍傷にも用いる。 ●当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう) 手足の末端が冷えると共に、冷えにより頭痛や胃痛が見られる時に用いる漢方薬です。前記の当帰四逆湯に温める力が強い呉茱萸、生姜を加えたため、処方名は当帰四逆加呉茱萸生姜湯となりました。 ●桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) 下腹部の冷えがあり、生理痛や生理不順などの婦人科疾患によく用いる漢方薬です。具体的所見は、下腹部に冷たくて、生理時に生理痛があり、レバー状出血が見られ、唇や舌が紫色を呈するなどです。 ●温経湯(うんけいとう) 下腹部の冷えがあり、生理痛や生理不順などの婦人科疾患によく用いる漢方薬です。前記の桂枝伏苓がと異なるところは、生理時にレバー状の出血が見られないことと、普段は肌や唇が乾燥しており、顏の血色もよくないことです。 (監修/王瑞霞 先生) 王 瑞霞先生/本校鍼灸学科専任講師・婦人鍼灸ゼミ顧問 北京中医薬大学医学修士 日本大学医学博士 中医師 専門分野は内科・婦人科 漢方・薬膳などの中医学に精通 今回の王先生のコラムではこの寒い時期に皆さんのお役に立てた事と思います。 かぼちゃやコショウはカラダを温める食材なんですね。知りませんでした。皆さんも内側からもカラダを温めましょう。 王先生の東洋医学講座は体験授業がございますので、興味のある方はぜひご参加ください。 ⇩お申し込みはこちらから⇩ >>王先生「カラダとココロを整える東洋医学講座」 >>前回(11/28)開催の「カラダとココロを整える東洋医学講座」の様子はコチラ]
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2019/11/26王先生コラム「カラダとココロを整える東洋医学」
- 【王先生のコラムスタート!】「カラダとココロを整える東洋医学」第1回・たかが冷え性、されど冷え性
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本日から連載開始! 本校鍼灸学科専任教員、王先生によるコラム「カラダとココロを整える東洋医学」が始まります。 王先生は北京中医薬大学医学修士・日本大学医学博士・中医師として内科・婦人科を専門として活躍され、本校では婦人鍼灸ゼミの顧問として学生の指導にあたっています。 漢方・薬膳などの中医学に精通している、頼もしい先生です! 「カラダとココロを整える東洋医学」第1回・たかが冷え性、されど冷え性 いよいよ冬到来の季節となりました、皆様は如何お過ごしでしょうか? 冬というと、まずは寒い、冷えるといった単語が脳に浮かび上がると思われますが、本日はその冬の寒さを連想させる冷え性についてお話します。 1.冷え性とは 冷え性とは、体の特定部分―例えば手、足、腰などの一部のみに冷感または寒さに近い感覚があり、外界の温度や体温とは必ずしも一致しない自覚症状のことを指します。 すなわち、夏の暑い時期でも冷え性の方は体のどこかが冷えてしまうことを自覚するのです。 冷え性については、西洋医学には病名がなく病気として扱われず、単に一種の自覚症状(不定愁訴)に過ぎないと考えられています。 一方、東洋医学では冷えを自覚する裏には、気血の流れの問題や臓腑のアンバランスの状態などが見え隠れていると考えられ、治療すべき疾患とみなされています。約2000年前に成書された古典医書『傷寒雑病論』にはすでに「手足寒」(しゅそくかん)、「厥冷」(けつれい)、「腰中冷」(ようちゅうれい)など、様々な冷えの症状とそれを治す処方(漢方薬)について記載されています。 2.冷え性と生活習慣 成人女性の約半分の方に冷え性の自覚があると言われています。 特に近年若い女性でも冷え性を訴える方が増えているそうです。 そのように多くの女性達が冷えを感じるのに、実は普段の生活習慣に密接に関係していると考えられます。 次の各項目になにか心当たりがありますでしょうか? ①冬でもミニスカートなど露出の多い服装や薄着を着ている。 ②夏に冷房の温度を低く設定し、睡眠中にも冷房をつけばなししている。 ③よく冷たいジュースやアイスコーヒー、アイスクリームなどを飲食している。 ④朝食を抜きの生活。 ⑤夜更かし、運動不足など生活のリズムが不規則 漢方医学的には、上記①~②は外在の寒性的邪気が体内に侵入させてしまう。 ③~⑤体内を冷やしてしまうと考えられ、それらの内外の因子により体が本来持っている温める働きの陽に損傷与えたり、気血の流れを阻まれたりして冷え性を引き起こすのです。 3.冷え性は放っていけない 冷え性または冷えに伴い、様々の症状や病態が見られます。 例えば肩こり、頭痛、不眠症、肌荒れ・しみ・そばかす、便秘や下利、免疫力の低下、むくみ、生理不順、生理痛、不妊症、更年期障害などが挙げられます。 この中で特筆すべきものは一つに免疫力の低下と、もう一つは不妊症です。 免疫力の低下に関しては、前述したように冷え性の方は気血の流れが悪いために、免疫を担う免疫細胞にとっては、働きにくい環境となり、また活性化しにくくもなっているから、当然ながら免疫力が低下してしまいます。 不妊症に関しては、妊娠に深く関係する各種女性ホルモンや子宮、卵管、卵巣は活発に正常に働くために、やはりよい血流が必要不可欠です。 ことに腰部に冷えてしまうと骨盤の血流を悪くさせるため、骨盤中の臓器である子宮や卵巣の血流も悪くなってしまい、結果的に妊娠しにくい体になってしまいます。 このように、冷え性はただ冷えるだけの自覚症状だけにとどまらず、場合によって様々な全身症状を引き起こしたり、深刻な病態につながったりするので、決して放ってはいけません。 実際、臨床では生理不順や生理痛、不妊症、更年期障害などのために漢方相談や鍼灸院に訪れる女性の体質をチェックしてみると、冷え性がある方がとても多いです。 そしてほとんどの方は冷え性をも改善されると、それらの疾患も快方に向かうのです。 では、次回、冷え性予防と改善のお話をいたします。 今回はここまでです。 (監修/王瑞霞 先生) 王 瑞霞先生/本校鍼灸学科専任講師・婦人鍼灸ゼミ顧問 北京中医薬大学医学修士 日本大学医学博士 中医師 専門分野は内科・婦人科 漢方・薬膳などの中医学に精通 ★王先生の授業が実際に受けられる!「カラダとココロを整える東洋医学講座」 ≫≫≫お申し込みはこちら]