東洋医学では、「気・血・水」の状態から、心身の不調を診察をしたり、養生法にもこの3つの巡りを調整し体調を整えたりします。
●「気」:元気のもととなる生命のエネルギー
●「血」:血液のこと
●「水」:リンパ液などの体液のこと
「気・血・水」は、お互いに影響し合っていて、1つでも不足してしまったり、過剰になったり、滞ってしまったりすると、心身に不調を感じるようになります。
東洋医学においては、この3つのバランスを保つことが大切と言われています。
この3つのバランスが崩れた状態を5つに分けています。
東洋医学的5つのタイプをチェックしてみよう
■【気虚(ききょ)】タイプ
①朝が苦手
②疲れやすく、すぐ横になりたくなる
③食欲がなく、胃もたれしやすい
④声が小さく、息切れがしやすい
⑤風邪をひきやすい
東洋医学で「虚」とは、本来あるものが不足した状態のことです。
このタイプは生まれつき全身のエネルギーが不足している体質のため、夏バテしやすくお疲れモードです。免疫力や抵抗力が落ちているので体調を崩しやすいタイプです。睡眠不足、過労、冷えに注意しましょう。
■【気滞(きたい)】タイプ
①胸やのどがつかえた感じがする
②お腹が張る
③げっぷやおならが出やすい
④動悸や吐き気がある
⑤焦りや不安感がある
気虚タイプとは違ってエネルギーがあるけれど、その巡りが滞っているタイプです。
そのため、せっかくあるエネルギーも全身にみなぎっていない状態でそれが悪化すると症状が出ます。
張りや痛みを起こしやすく、ストレスが強いと痛みが増す傾向にあります。
夏は外気と冷房との寒暖差から、自律神経が失調した状態になりがちです。
夏はできるだけぐっすり眠るように心がけたり、アロマセラピーやストレッチをするなどで自律神経のバランスを崩さないようにするのがおすすめです。
■【血虚(けっきょ)】タイプ
①髪、肌、唇が乾燥しやすい
②手足がつりやすい
③めまいや貧血になりやすい
④集中力がない
⑤寝つきが悪く、よく眠れない
血液の量が不足していて、全身の細胞に栄養を行き渡らせることができていない状態です。そのため、血行が悪くて、髪の毛や肌などが乾燥しがちです。手足のしびれや立ちくらみなども起こしやすいです。ケガや手術などによって出血したあとにはこのタイプになりやすいと言えます。
夏の冷房のかかり過ぎには要注意です。就寝時の冷房のつけっぱなしなどは血行を妨げる冷えにつながり、食欲不振などの不調に陥りやすいです。
血虚タイプは、足元を冷やさないようにしましょう。
■【瘀血(おけつ)】タイプ
①クマ、シミ、くすみが目立つ
②あざができやすく、治りにくい
③唇や歯茎の色は暗紫色
④肩がこったり、手足が冷えやすい
⑤便秘気味
瘀血タイプは、血液量は不足していませんが、体内の血液の流れが悪くなっている状態です。血虚や気虚、気滞が原因でこのタイプになる場合もあります。
血の巡りが悪くドロドロの血行不良な状態であり、女性では月経困難症が起きやすい傾向です。血行不良につながる運動不足や冷房の冷えには要注意です。
血虚タイプと同じく、冷房の冷え過ぎにはとくに注意しましょう。
■【水毒(すいどく)】タイプ
①むくみやすく、体が重い
②大汗をかく
③のどが渇きやすい
④鼻水、痰、唾が多い
⑤胃腸からちゃぷちゃぷ音がすることがある
水毒タイプは、水の巡りが悪くむくみがちです。
水分の代謝が悪くなって、体内に水分が余分に溜まってしまったり、必要なところに水分が行き渡らなかったりと、体内の水分バランスが悪くなっている状態がこのタイプです。
湿気と寒暖差に弱いので、夏はむくんでだるくなったり、めまいや頭痛が起こりやすくなります。
水毒タイプは温度差に弱いので、冷たいものではなく常温のものを飲むようにしましょう。また下半身がむくみがちなので、スクワットなどの下半身強化の運動もおすすめです。
これから梅雨が明けると夏本番です。
どのタイプも暑いからと言って必要以上に強い冷房や、冷たいものの摂り過ぎで体を冷やし過ぎないようにしましょう。そして、休息と睡眠もとるようにしましょう。
夏の疲れは、残暑のころにやってきます。秋口に体調不良にならないように、免疫力を下げないようにしたいものです。