鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師、どちらも東洋医学をベースとした施術をおこなう医療系国家資格の職業のため、違いがわかりにくい方もいると思います。
しかし、鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師は、できることが全く異なります。
ここでは、鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師との違いに関して紹介します。
鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師との違い
鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師、どちらも東洋医学をベースとした施術をおこなう医療系国家資格の職業のため、違いがわかりにくい方もいると思います。
しかし、鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師は、できることが全く異なります。
ここでは、鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師との違いに関して紹介します。
鍼灸師は「針や灸で施術」、一方であん摩マッサージ指圧師は「手技で施術」というように施術の方法・アプローチが異なります。
鍼灸師は、針や灸を用い、ツボを刺激して自然治癒力を高める施術を行いますが、施術内容として、マッサージをすることは禁止されています。
一方であん摩マッサージ指圧師は、揉む・なでる・叩くなどの手技により患部を治療することが仕事です。
鍼灸師とは異なり、マッサージをすることが可能ですが、針・灸は使えません。
共通点としては、鍼灸師もあん摩マッサージ指圧師も、国家資格を取得する必要があります。
また、業務の必要上、東洋医学に関して精通していなければなりません。
鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師になる方法はいずれも国家試験に合格し国家資格を取得することが条件です。
そして、国家試験を受験するためには、専門学校または短大、大学などの学校・養成施設を卒業する必要があり、現在では夜間制の鍼灸師やあん摩マッサージ指圧師になるための学校も多く、働きながらこれらを目指すことも可能です。
なお、国家試験の合格率はあん摩マッサージ指圧師の方が高いものの、鍼灸師(はり師・きゅう師)も70%とそれほど難易度は高くなく、しっかり勉強すれば合格は十分にできるといえます。
※出典:公益財団法人・東洋療法研修試験財団
鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師の資格をどちらも取得すべきかどうかという点については、自分が治療家として将来どんな施術をしていきたいかで決めると良いでしょう。将来的に「マッサージの技術も使って働きたい」のか、「鍼灸師としての技術だけで勝負したい!」のか、自分の将来像に照らして検討してみてください。
なお、両方取得した場合のメリットは以下が挙げられます。
• 施術の幅が広がる
• 収入アップにつながる
• 勤務先の選択肢が増える
使用できる施術の幅が広がることによって、より患者のニーズに合わせた治療ができるようになります。
それにより、東洋医学の専門家としての評価が高くなります。
また、鍼灸師とあん摩マッサージ師どちらの資格も取得することで、資格手当がもらえたり、担当できる患者の数が増えたりして、収入アップにつながるかもしれません。
そして、勤務先の選択肢が増えることもメリットです。
鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師どちらの資格も取得しておくことで、どちらの求人にも応募できます。また開業した際に、使える施術方法が多ければ、呼び込める患者の数も多くなります。
但し、両方取得の場合は、学費負担も増えるため、将来どうしたいのかということを基準に考えるのがよいでしょう。
本校鍼灸学科 専任教員 中村幹佑
鍼灸師