スポーツの現場で活躍しているスポーツトレーナーには、鍼灸師の国家資格を有するトレーナーが多くいます。アスリートにとって鍼灸施術は身近なもので、身体全体を整えることができるため、ケガへの施術だけでなく、コンディショニングのひとつとしても活用されています。
では、ここではスポーツ現場で活躍できる鍼灸施術「スポーツ鍼灸」についてご紹介します。
鍼灸師について
スポーツ鍼灸とは
~スポーツトレーナーとして活躍する鍼灸師~
スポーツ鍼灸とは?
「スポーツ鍼灸」とは、スポーツ選手の疲労回復やコンディション維持、故障の治療に特化した鍼灸施術です。
首、肩、肘、腰、膝、足、股関節などのスポーツ障害の鍼灸治療全般を目指し、スポーツ障害の治療やスポーツ障害の予防、スポーツに取り組むすべての方の体調管理をおこなうのがスポーツ鍼灸です。
プロスポーツやアマチュアスポーツに関係なく、野球、サッカー、水泳、バレーボール、バスケットボール、陸上、ラグビー、バトミントン、アメリカンフットボール、ゴルフ、テニス、卓球、柔道、空手など、スポーツをおこなうすべての方の治療と予防に取り入れられている注目の鍼灸分野と言えるでしょう。
スポーツの本場であるアメリカではプロスポーツ選手のコンディショニングにもよく施術されています。
特に、日本選手が多く活躍するメジャーリーグ(野球)では、東洋医学である鍼灸がとても注目されています。頸、肩関節、肘関節、腰、股関節、膝関節、足などスポーツ障害の起きやすい部位の治療に、多くの選手が鍼灸治療を取り入れています。
また日本人の鍼灸師は手先が器用で施術が丁寧という評判もあり、トップ選手のトレーナーとして帯同しています。
ケガや内臓疾患などの治療にも優れた鍼灸師の手技は、アスリートの体調やメンタル面でのコンディショニングにおいても、とても有効です。
スポーツ障害の治療やケガ、コンディショニングを整えるスポーツ鍼灸は、突発的なケガへの対応も必要となります。
そのため、身体のさまざまな施術箇所に対応できる鍼灸の技術に加えて、スポーツ医学についても幅広い知識が求められます。 そして、競技パフォーマンスアップのためには、鍼灸を施術するタイミングや刺激など選手にあわせた調整が重要です。
スポーツ現場での鍼灸師の活躍
アスリートがスポーツ現場で鍼灸を活用する理由として、3つほど挙げられます。
①WHO(世界保健機構)で効果が認められている。
②アスリートの心身ともにトータル的にサポートできる。
③幅広いスポーツ(競技)で取り入れられている。
実際のスポーツ現場での鍼灸の活用方法をいくつかご紹介します。
まず1つ目は、疲労や遅発性筋痛の予防や経験を目的として「円皮鍼」です。マラソンやトライアンスロンなどの持久力系のスポーツによく活用され、疲労からの回復が促進されます。
2つ目は、筋肉や神経の症状には豪鍼を使用して、鍼だけで施術するときや、刺した鍼に電気を流して施術する方法があります。例えば、肉離れをしてしまったときには、急性期には患部に直接刺すことせずに周りを鍼で囲んだり、損傷部分の上下で挟むように鍼を刺して、微弱電流を流す施術をおこなったりします。
3つ目は、冷えや睡眠の改善を図るためにお灸を用いることもあります。お灸で心地よい温かさが感じられる施術方法です。
スポーツ鍼灸で活躍する鍼灸師の仕事内容とは?
スポーツ鍼灸の現場では、鍼治療を中心に、テーピングやマッサージを加えておこなうことで、コンディショニング効果を高めることがあります。
また、鍼灸師という医療系国家資格有資格者として医学的知識を活かしつつ、スポーツトレーナーとしての運動法の指導やメンタルケアまでおこなうこともあります。
選手の一番身近な存在として身体的にも精神的にもケアをして、試合や本番で最高のパフォーマンスができるように支えていく素晴らしい仕事です。
【監修者】
本校鍼灸学科 専任教員 大島貞昭
鍼灸師・柔道整復師
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