鍼灸師について

鍼灸師の就職先

鍼灸師の代表的な就職先は、専門的に鍼・灸治療をする鍼灸院やマッサージ院ですが、近年は鍼師・灸師がさまざまな分野で活躍しています。
ここでは、鍼灸師の主な就職先をいくつかご紹介します。

鍼灸院・鍼灸整骨院

鍼灸師が就職する先として、もっとも多いのは鍼灸院・鍼灸整骨院です。
地域や地元の治療院で身体に不調を抱えた患者さんに対して鍼灸治療するのが主な仕事内容で、経験を積み将来の独立開業に繋げることも可能です。
鍼灸接骨院やマッサージ院では、柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師と連携して患者さんの治療することも経験できます。

病院・クリニック

整形外科、リハビリテーション科、鍼灸外来などに勤務し、チーム医療として医師や看護師等と連携して治療します。そのため学びが多い職場でもあります。
病院では施術のほか、患者さんの介助作業も仕事内容に含まれることがあります。

美容鍼灸サロン、エステサロン

鍼や灸には、肌の調子を整えたり、むくみを改善させるなどの美容効果があり、小顔やアンチエイジングなど、鍼灸師は美容分野からも注目が集まっています。
美容専門の鍼灸サロンも増えていて、美容に鍼灸を取り入れているサロンでは鍼灸師の資格が強みになります。

スポーツトレーナー・スポーツ施設

コンディショニングをおこない、競技でのパフォーマンスをアップしたりと、鍼灸には身体のバランスを整え、運動機能を高める効果があります。また、ドーピング等のリスクがないため、スポーツ業界からの需要も高いです。
スポーツトレーナーの多くが鍼灸師の資格を持っていると言われています。
スポーツチームやクラブチームなどに所属し、選手の筋肉の疲労回復、けがの治療、予防などを担う役割を担います。

女性向け鍼灸院

生理痛やPMS、不妊症や更年期障害の治療など、鍼灸は婦人科系の疾患にも高い効果を発揮することが知られています。
近年は美容鍼灸の人気の高まりもあり、婦人鍼灸と併せて女性向け治療に特化した鍼灸院も増えており、そういった分野でも働くことができます。

介護福祉施設・リハビリテーションセンター

基本的には訪問鍼灸業務として鍼灸院に通えない患者さんのために在宅ケアとして鍼灸治療をすることが多いですが、施設の中で治療することもあります。
高齢化が進み介護の需要も増えている日本では、高齢者や要介護者に対する鍼灸治療の需要が高まっています。

独立開業

鍼灸師は独立開業ができる数少ない職業・国家資格のひとつで、個人で鍼灸院の開業や、訪問鍼灸をおこなう権利が与えられています。
一般的には治療院に勤めて経験を積んでから独立開業を目指す方が多いようですが、看護師やエステティシャンなど自身のこれまでの経験を活かして、卒業後すぐに開業する方もいます。

鍼灸教育機関・医療系研究施設

鍼灸専門学校で教員として技術や知識を教える立場になり、鍼灸師として直接患者さんと関わることは少なくなると思う方もいらっしゃいますが、実習施設での治療研修が豊富にあります。その為、治療経験を増やしたり、知識や技術を深める目的で進学する方もいます。
教育に携わりたい、臨床研究で知識を深めたいなど仕事の幅を広げたい方にお勧めです。

まとめ

鍼灸師には従来の鍼灸院だけでなく、美容やスポーツなど多様な分野に就職することが可能です。また、鍼灸師としての経験を積むことで、将来的には独立することもできる魅力があります。

また、自然治癒力を高めて病気を予防する東洋医学への関心や人々の健康志向の向上によって、鍼灸は近年さらに注目を集めている分野です。
介護や福祉、スポーツ、美容の現場など鍼灸師が活躍できる場は広く、将来性が期待できる職業で働くことで社会貢献が実現できるでしょう。

【監修者】

本校鍼灸学科 専任教員 亀谷文人

鍼灸師

本校鍼灸学科 専任教員 亀谷文人
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