鍼灸師について

婦人鍼灸とは

婦人鍼灸とは婦人科系の疾患や症状に対して、鍼灸治療を行うことです。

鍼灸は古の時代から女性特有の生理のトラブルや、妊娠、出産に伴う病気や症状に対して高い治療効果を発揮してきました。現在もその長い歴史の中で積み重ねって来た経験や技が受け継がれており、様々の不調や病気から現代女性を守っています。

日本医学柔整鍼灸専門学校附属「敬心鍼灸院」では、一般鍼灸の他に婦人鍼灸の治療をも行っています。

施術する鍼灸師は全員本校鍼灸学科の専任講師であり、安心して治療を受けられます。

では、婦人鍼灸治療の概要について以下のようにいくつかご紹介します。

《女性特有の疾患:婦人科治療》

1、生理痛

生理痛とは生理の前から生理中にかけて見られる下腹痛、腰痛のことを指します。
生理痛には個人差があり、痛みが軽症で特に手当の必要がないケースや、鎮痛薬を常用し、日常生活や仕事にも支障をきたす重症のケースもあります。
鍼灸は昔から各種痛みの緩和に長けているから、生理痛にも優れた効果が見られる。また、生理痛になってからだけでなく、普段から生理痛の原因に対する治療を受けていただくと、生理痛の頻度や強度のいずれも軽減することができ、薬のような副作用もありません。

2、更年期障害

更年期は卵巣の機能が減退し始め、消失するまでの期間にあたり、一般的に閉経の前後10年間で年齢的に45歳~55歳の期間を指します。
更年期障害とは、更年期に現れる自律神経失調を中心とした、多彩な不定愁訴を主とする症候群のことをいいます。症状の現れ方や症状の持続期間など個人差があり、多種多様な病態を示します。
更年期に対する鍼灸治療は、主に東洋医学的に見られる陰陽のバランスの崩れを整えることと、滞りに陥った気や血の流れを改善することです。西洋医学の主な治療である向精神剤やホルモン補充療法に抵抗のある方は、ぜひ試してみてください。

《更年期障害のおもな症状》

  • ①顔が火照る
  • ②汗をかきやすい
  • ③腰や手足が冷えやすい
  • ④息切れがする
  • ⑤動機がする
  • ⑥寝つきが悪い・眠りが浅い
  • ⑦イライラする
  • ⑧落ち込みやすく憂欝な気持ちになる
  • ⑨めまいがする
  • ⑩吐き気がする
  • ⑪疲れやすい
  • ⑫手足の痛みがある

これらの症状は自律神経の乱れによって起こることが多いため、鍼灸治療で副交感神経を活性化させると最適です。効果があらわれるまでに少し時間はかかりますが、リラックスしながらその方の体調に合わせた治療ができるため、ホルモン補充療法を避けたい方にはおすすめです。

3、不妊症

不妊症は女性側が原因、男性側が原因、男女の双方に原因などがあります。
女性側に原因の不妊症は主に排卵障害、卵管障害と子宮の問題が挙げられます。排卵障害には排卵にかかわるホルモンの問題や多嚢胞卵巣症候群、卵管障害にはクラミジア感染などによる卵管水腫や卵管の癒着、子宮の問題には受精卵の着床に支障を来す子宮筋腫、子宮内膜症などがあります。
それらの女性側が原因の不妊症に対する鍼灸治療は、妊娠しやすい体づくりを目的としています。ストレスを緩和しホルモンバランの崩れを整え、子宮や卵巣・卵管がある骨盤への血流を改善し、排卵誘発剤による副作用を軽減するなど、妊娠ができやすい体内環境を作り出します。

《不妊治療のおもな治療》

  • ①体の冷えの解消
  • ②胃腸障害の改善
  • ③免疫力のアップ
  • ④生理痛の緩和

《不妊治療の流れ》

不妊治療では、経絡治療によって施術していきます。
まず、生活習慣・体質・西洋医学によるアプローチなどについてじっくりとお話をお伺いします。そのあとで、脈やお腹を診させていただき東洋医学での診断をおこない、その方に合った鍼灸による施術をおこなっていきます。
目標は気血の流れを良くして、温かくてふかふかの子宮と妊娠しやすい卵子の身体作りをしていきます。また着床日に合わせた治療日も提案させていただきます。
施術は、おもに刺さない鍼や温かくて気持ちのいいお灸を使用しますので、鍼灸がはじめての方でも安心してリラックスしながら不妊治療がうけられます。

4、つわり

つわりは妊娠初期に見られる体の不調で、吐き気や嘔吐が主な症状ですが、全身の倦怠感、眠気、頭痛、食欲不振などを伴う場合があり、辛く感じる方が少なくありません。
つわりに鍼灸で治療を施すのは、古の医学文献に記載されています。吐き気で薬を飲めない妊婦さんにとっては持ってこいの自然療法といえます。特に刺さない鍼(鍉鍼)やお灸は優しく、気心地がよいのでおすすめします。

5、逆子

逆子にお灸が効く話がご存じの方が多いでしょう。
逆子は医学用語で骨盤位のことで、出産に近づいているにも拘わらず、胎児の頭が産道に降りて来ていない状態を指します。現在、逆子のままで出産を迎えられると帝王切開になりますが、足の小指にあるツボ至陰をお灸すると、逆子が治り、自然分娩になるケースが少なくありません。
もちろん、至陰にお灸をする以外にも、鍼を使った治療もあります。

6、体質改善・体調維持管理(未病への治療)

辛い症状を自覚していますが、病院で色んな検査を受けても何も異常がない、そのような未病と呼ばれる状態にある女性の方が多いはずです。それらの何となく不調に対して、鍼灸治療が得意です。

  • ①手足などが冷える。
  • ②体が常にだるく、疲れやすい。
  • ③寝つきが悪く、眠りが浅い。
  • ④朝に起きづらい。
  • ⑤小食で、すぐに胃もたれをする。
  • ⑥風邪を引きやすい、または風邪がこじらせしやすい。
  • ⑦トイレが近い。

など、該当の方は一度鍼灸院へ訪れてみてください。

【監修者】

本校鍼灸学科専任教員 王 瑞霞先生

北京中医薬大学医学修士 日本大学医学博士 中医師

本校鍼灸学科専任教員 王 瑞霞先生
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