柔道整復師は「独立開業ができる資格」であり、資格を取得すると個人で接骨院や整骨院を開業する権利が与えられます。
近年は独立開業を目指して柔道整復師の資格を取得される方も増えており、接骨院の数は直近10年間で1万7200カ所ほど増加し、現在では全国に4万8000カ所もあるそうです。そのため、独立開業して成功するためには、施術の技術だけでなく、経営的な知識やスキルも必要になります。
柔道整復師として独立開業はできる?
柔道整復師は「独立開業ができる資格」であり、資格を取得すると個人で接骨院や整骨院を開業する権利が与えられます。
近年は独立開業を目指して柔道整復師の資格を取得される方も増えており、接骨院の数は直近10年間で1万7200カ所ほど増加し、現在では全国に4万8000カ所もあるそうです。そのため、独立開業して成功するためには、施術の技術だけでなく、経営的な知識やスキルも必要になります。
独立開業ができる医療系の国家資格には以下があります。
医師・歯科医師・獣医師・薬剤師・助産師・柔道整復師・鍼灸師(はり師・きゅう師)・あん摩マッサージ指圧師
開業ができる医療系の資格というと、医師や歯科医師、薬剤師といった資格が代表的ですが、6年間(4,500時間以上)の専門教育を受けて国家試験に合格する必要があるため、社会人がキャリアチェンジとして目指すには非常にハードルが高くなります。
同じ医療系国家資格でありながら、柔道整復師は3年間(2,750時間以上)の専門教育を受けて国家試験に合格すれば取得できるため、社会人にとっては比較的取得しやすい国家資格と言えます。
柔道整復師は、個人で接骨院や整骨院を開業する権利(開業権)が与えられます。独立開業ができるといっても、経営者として成功するためには様々なスキルが必要となります。
人気のある接骨院や整骨院を経営していくためには、患者様が施術に満足し、繰り返し来院してもらうことが大切です。患者様の体の不調に対して的確な施術を行なえるよう、柔道整復師としての技術力や知識を活かしましょう。
そのうえで、開業した院を広く知ってもらう必要があります。そのためには、柔道整復師としてのスキルだけでなくマーケティング力や集客力も身につける必要があるでしょう。昨今では口コミサイトやSNS等のインターネットを駆使して集客につなげている院も多くあるようです。
では、実際に接骨院や整骨院を開業するには、どのような手続きが必要かを見ていきましょう。
まずは構造設備基準を満たした店舗を準備してから、下記のとおり接骨院や整骨院の開業に必要な書類を準備する必要があります。
また、保険請求を行なうために必要な申請や、柔道整復師を雇う場合に必要な届出も必要です。構造設備基準に関するものや、開業の手続き書類については、あらかじめ保健所で相談してみることをおすすめします。
接骨院や整骨院の開業にかかる費用はおよそ1000万円といわれています。もちろん施設の規模や医療機材を導入するかなどで大きく変わってきますが、少なくとも700万円程度はかかるでしょう。開業資金といっても、物件取得費や設備投資費、広告費や人件費などの項目があります。それぞれにかかる費用をあらかじめ確認しておく必要があります。
柔道整復師が独立開業した場合の年収は、どれだけ患者様を集められるかによって大きく変わってきます。経営状況が厳しい方から、年収1000万円超えるような方まで実に様々ですが、一般的な目安としては250万円~1000万円程であるいえるでしょう。
厚生労働省から2017年の6月15日付で発表された「施術管理者の要件について」によると、「平成30年の4月以降、整骨院(接骨院)を開業する為には既卒を含めて、最大3年間の実務経験と一定の研修を要する」という記載があります。
これを言い換えると、「健康保険の使用する接骨院・整骨院の場合、最大3年間の実務経験と、一定の研修が必要」ということになります。実際には、柔道整復師の養成施設を卒業後すぐの開業は技術面や資金面からも難しいですが、今後開業を考えている方は注意が必要です。詳細については厚生労働省のホームページなどでチェックをするといいでしょう。
本校柔道整復学科 専任教員 山中直樹
柔道整復師(2007年取得)
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
整膚師師範