柔道整復師について

柔道整復師の1日のスケジュールって?

これまでの接骨院や病院の整形外科など地域医療を支える勤務先のほか、近年では介護施設のデイサービスでなどで機能訓練指導員として介護予防にも携わっています。

健康で、自分の住む街で楽しく暮らしたいという人を支える柔道整復師の仕事は、活躍の場が拡がっているので、勤務先によって1日のスケジュールが変わります。各勤務先の仕事内容や1日の勤務スケジュールについて詳しく紹介します。

柔道整復師の仕事とは?

柔道整復師は、鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師と並んで代替医療の分野で活躍できる医療系国家資格です。
柔道整復師として高い技術を習得すると、将来は独立開業して自分で接骨院を経営したり、スポーツトレーナーとしてプロスポーツに関わる仕事をするなど活躍の場が拡がります。

柔道整復師というとどんなイメージをお持ちでしょうか?
近年では、「接骨院」「整形外科」「高齢者施設」「スポーツ現場」など様々な年代や患者様のニーズにあわせて活躍できる医療人です。

柔道整復師の業務スケジュール

柔道整復師の1日の過ごし方は、勤務先や雇用形態によって異なります。
接骨院に努めている柔道整復師の場合は、朝から夜までの接骨院の営業時間に合わせた勤務が基本となり、シフト制の場合もあります。
また接骨院ではなく、病院の整形外科で働く場合、デイケアサービスで働く場合、スポーツトレーナーとして働く場合など、勤務先によっても異なります。
スポーツトレーナー業の場合はチームやアスリート個人の都合に合わせて日々サポートするため、勤務スケジュールはあってないようなものです。試合日程や選手の体調によって変動します。そのため、常にサポートできる態勢を整え、状況に応じて的確に処理できる対応力が求められる職業です。
そして、独立開業すれば、自分で決めた診療時間を中心に働くこともできる資格です。

接骨院(整骨院)で働く柔道整復師の1日のスケジュール例

治療院とひとことで言っても、柔道整復師も勤務している鍼灸接骨院もあれば、柔道整復師だけが勤務している接骨院があります。そして接骨院のなかでも個人経営の接骨院や会社としてチェーン展開している接骨院などいろいろな治療院があります。

〇8:30 出勤
出勤すると、院長やほかのスタッフと挨拶をして白衣に着替えます。
その後、洗濯されたシーツやタオルをベッドに用意したり、院内を掃除したりします。
その日の来院予定の患者のカルテを確認します。

〇8:45 ミーティング
院長やほかのスタッフと本日の予定を確認するなど朝のミーティングを行います。
患者の情報もスタッフ全員で共有します。

〇9:00 診療開始
午前の診療を開始します。
基本的には来院した患者を順番に診察しますが、接骨院でも予約制のこともあります。

〇12:00 休憩
午前の診療が終わると、昼休憩に入りますが、 休憩に入る前に簡単に院内の掃除をします。休憩時間は2時間程度確保されているところが多いようです。
この間に往診を行う柔道整復師もいます。

〇15:00 診療開始
午後の診療がはじまります。患者様が続々と来院されます。

〇19:30 診療終了・後片付け
1日の施術が終わり、患者様が帰宅されたらその日に診察した患者のカルテをチェックしたり、そのほかのスタッフと内容を共有するためにミーティングをしたりします。
院長はその日の会計を確認したり、新人の技術練習や指導を行うこともあります。

病院の整形外科で働く柔道整復師の1日のスケジュール例

病院の整形外科で勤務する柔道整復師は、患者がもとの状態に戻るための整復や物理療法、リハビリの指導などが主な仕事です。接骨院や整骨院で働くよりも、骨折や脱臼の外傷処置が多いのも特徴のため、施術者として幅広い経験が積めるでしょう。
また、病院ですから、医師・看護師・理学療法士などさまざまな医療人との連携も欠かせません。

〇8:30 勤務開始
接骨院や整骨院勤務の柔道整復師の場合と同様に、患者のカルテをチェックしたり、医師とその日に来院する患者の情報共有をしたりします。

〇9:00 診療開始
病院の診療開始時間になると、患者が来院します。予約順に施術しますが、病院の場合は基本的にまず医師が診察を行い、その後医師の指示に従って柔道整復師がリハビリ室などで施術を行います

〇13:00 休憩・勉強会
午前の診療が終了したら、休憩します。
さまざまな症例の患者について勉強会に参加することもあります。
新人の指導や、施術の練習の指導などもこの時間を活用したりします。

〇15:00 診療開始
午後の診療を再開します。午前と同様に、予約して来院した患者を医師からの指示に従って順番に診療していきます。

〇19:00 診療終了
カルテの記入やさまざまな処理などの事務作業がある場合もありますが、基本的には残業はありません。

柔道整復師資格はスポーツ業界でも役に立つ?

これまで柔道整復師といえば、街の接骨院や整骨院が一般的なものでした。
いまではスポーツトレーナーとしてスポーツ業界で活躍する柔道整復師や介護業界で活躍する柔道整復師もいますが、そのほかにも柔道整復師の国家資格を活かしてスキルアップを図って、さまざまな業界でさらに踏み込んだ形で活躍することが望めます。

〇スポーツトレーナー
柔道整復師の中には、プロサッカーチームやプロ野球チームなどのトレーナーとして活躍する人も増えています。高い技術や知識が求められれば、専属トレーナーとして契約し、世界で活躍できる職業です。
また、幅広い役割を担うスポーツトレーナーになると、トレーニングの指導や健康管理、スポーツ外傷の予防などもサポートします。
プロスポーツに限らず、接骨院で働きながら地元や母校のスポーツチームのトレーナーとして柔道整復師の技術と知識を活かしてトレーナー活動をおこなう柔道整復師も多くいます。

〇機能訓練指導員
介護業界では、ケアマネジャーのほかにも「機能訓練指導員」としても活躍することができます。機能訓練指導員は、すべての通所介護事業所(デイサービス)に必ず一人以上配置することが義務付けられているので、介護施設の増設とともに需要は高まってきている職種です。柔道整復師などの資格保有者であれば機能訓練指導員として勤務することができます。また、5年以上の機能訓練指導員やその他の実務経験によりケアマネジャー試験の受験資格の取得もできるため、介護業界でさらにキャリアアップすることができます。
柔道整復師の仕事内容や1日の流れ、これからの業界ニーズなどを掴めたでしょうか。柔道整復師は身体の不調や痛みで悩んでいる方を手助けできる素晴らしい仕事です。柔道整復師の資格を目指して学びながら、最終的にどんな職場で働きたいのか、あなたらしく仕事ができるためのキャリアプランを考えてきましょう。

【監修者】

本校柔道整復学科 専任教員 片橋るみ

柔道整復師(2004年取得)、介護支援専門員

本校柔道整復学科 専任教員 片橋るみ
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